|
■ ヤマハブース
ヤマハのブースでは、「次世代のAVアンプ」を開発コンセプトとしたモデルが参考展示されている。通常のAVアンプと同様にドルビーデジタルやDTSなどのデコーダと、7.1ch、もしくは9.1chのデジタルアンプを内蔵。さらに、衛星ラジオ用のチューナ、AM/FMチューナ、Ethernetを装備してインターネットラジオ受信機能を備え、DLNAにも対応するというもの。
さらに、USB端子を備え、ストレージクラスに対応したポータブルオーディオプレーヤー内の音楽ファイルを再生可能。メモリーカードスロットも備え、カード内の音楽も再生できる。AVアンプとしてのセレクタ機能も充実しており、HDMIやi.LINKの切り替えにも対応。さらにHDDも内蔵している。
仕様からはメディアサーバー的なイメージを抱くが「あくまでAVアンプの延長として開発しており、DLNAに対応してHDDも内蔵しているが、どちらかというとクライアント的な役割になる」という。音声/映像出力を複数の部屋(ゾーン)に分けて出力することも可能で、搭載するアンプのチャンネル数は未決定だが、例えば7.1ch中、5.1chをリビングで、残りの2chを私室で個別のコンテンツを再生することもできる。
HDDの利用用途は検討中で、デモ機には20GBが搭載されているが、製品版では大幅に大容量化するという。ネットワーク接続した機器間でファイルの移動が可能になるDLNAのガイドライン 1.5が策定された場合には、メディアサーバーとしてコンテンツを蓄積する機能を搭載する可能性もある。発売は2007年前期を予定しており、価格は「ヤマハのハイエンドAVアンプよりは低価格にする」という。
ほかにも、AVアンプの最新中級モデル「RX-V2600」(1,399.95ドル)や「RX-V1600」(1,099.95ドル)を展示。ともに映像/音声伝送に対応した2系統のHDMI入力、1系統のHDMI出力を備えているが、V2600のみ1080iのスケーリング出力機能を備えている。また、デジタルラジオの受信機能を備えた「RX-V4600」(1,899.95ドル)も注目を集めている。
■ 東芝ブース
SEDディスプレイの展示やHD DVDプレーヤーが注目を集める東芝ブースだが、ほかにも興味深い展示を展開している。まず、1.8インチHDDを採用し、60GBと30GBの新機種を発表した「gigashot」では、DLNAを利用し、LAN経由でDLNA対応のレコーダ「RDシリーズ」や液晶テレビ「face」などへ、撮影した動画をストリーミング配信するデモを行なっている。 2005年のCEATECでも同様の展示が行なわれたが、その際は動作モデルではなく、アイデアイメージとして紹介されていた。今回のCESでは実際にレコーダへ動画を配信するデモを披露している。
技術的にはRDシリーズの「ネットdeダビング」を利用しているが、DLNAのガイドライン 1.5の策定を見込んで、将来的には対応PCからgigashot内の動画を吸い出し、保存するといったファイルの移動も行なえるようにするという。
基本的にはgigashotのファームウェアを変更することで実現できる機能のため、価格的なコストは低いという。だが、従来モデルにDLNA対応ファームを書き込むだけでは不十分で、従来モデルを対象としたアップデータの公開は「おそらく難しい」(同社)。現時点では配信中にgigashotをクレードルから抜くとハングアップするなどの問題が残っているが、開発はかなり進んでいるという。 ほかにも、DVDプレーヤーやレコーダ、ポータブルDVDプレーヤーの新モデルを展示。「SD-4990」(3月発売/99.99ドル)はHDMI端子を備え、720p/1080iへのアップコンバート出力が可能。DivX/WMA/MP3の再生もサポート。HDMI非搭載モデル「SD-3990」(1月発売/59.99ドル)も用意する。 DVD単体レコーダの「D-R5」もHDMI端子を備え、アップコンバート出力が可能。DV入力も備え、2月発売で199.99ドル。同モデルにVHSを加えた「D-VR5」(4月発売/279.99ドル)も用意。HDDを搭載したハイブリッドモデルは、「RD-XS35」(3月発売/399.99ドル)と「RD-XS55」(5月発売/599.99ドル)を用意。XS35は日本の同型番モデルとHDD容量(160GB)が同じで、主な仕様も共通しているが、外見が「カンタロウ」シリーズに近くなっている。 また、250GB HDDを搭載し、HDMI端子とアップコンバート機能、STBのIRコントロール機能、ネットワーク対応機能などを備えた上位モデル「RD-XS55」もラインナップする。こちらは5月発売で599.99ドル。
ポータブルDVDプレーヤーは、7インチのワイド液晶(480×234ドット)とマルチカードリーダ機能、DivX再生機能などを備え、4時間再生が可能な「SD-P1700」(4月/179.99ドル)。8インチのワイド液晶(480×234ドット)搭載の「SD-P1850」(2月/199.99ドル)が新モデル。9インチ液晶(IPS方式/800×480ドット)「SD-P2800」は399.99ドルで既に販売されている。
ほかにも、ノートPCのコンセプトモデルとして、液晶ディスプレイ部分とPC本体部分が分離できる試作機も展示。本体とディスプレイ間をIEEE 802.11gの無線LANで双方向通信しており、「液晶ディスプレイ部だけを持ってリラックスできる体勢で鑑賞するなど、AVビューワー的な使い方も想定している」という。
ディスプレイ部は約560g。価格や商品化時期は未定。「来場者の反応を見ながら、今後の仕様を決めていきたい」としていた。
■ シャープブース 大型液晶テレビを前面に打ち出した展示を行なっているシャープブース。液晶パネル面で新しい発表は行なわれなかったが、AQUOSシリーズの新展開として「NETWORK AQUOS」が参考展示されている。
コンセプトモデルは高速電力線通信(PLC)を利用してネットワーク接続しており、各部屋に映像を配信するビデオサーバーユニットも展示。液晶テレビにはACCESS製のブラウザ「NetFront」を搭載しており、Webブラウジングが可能なほか、DLNA対応サーバーからのLAN内動画配信の受信などが体験できる。
■ デノンのブース デノンでは、中級価格のAVアンプ「AVR-2807」を発表。1,099ドルで、HDMI端子を装備。コンポジットやコンポーネント、S映像のアナログ入力をHDMI端子へ変換・出力できる。また、音場補正機能も利用可能。
さらにm既発売のAVR-5805と、AVR-4806を対象としたアップグレードサービスも発表。3月から500ドルで受け付ける。AVR-5805ではアナログからHDMIへの変換が可能となり、HDMIは入出力ともに1080pとなる。さらに、Ethernetを利用したDLNA対応機能もサポート。対応ファイルの再生が行なえるという。また、DLNA機能のみを追加する200ドルのアップグレードパックも用意する。
□2006 International CESのホームページ(英文)
(2006年1月7日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|