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NECエレクトロニクス株式会社は12日、携帯電話で連続50時間の音楽再生ができるようになるというオーディオプロセッサ「μPD99910」のサンプル出荷を開始した。サンプル価格は1,500円。量産は2006年4月を予定しており、月産40万個を見込んでいる。 μPD99910は、音楽再生専用のCPUと、DSPを内蔵し、アプリケーションプロセッサと接続して使用するコンパニオンチップ。携帯電話への組み込みを想定しており、SD-Audioの再生に対応。ファイルフォーマットはAACとMP3に対応する。 低消費電力の32bit RISC CPUを搭載しており、単独で音楽再生が可能。消費電力の大きいアプリケーションプロセッサ上のCPUやDSPを使わず、μPD99910に再生処理を担当させることで、同一容量の電池で比較した場合、従来の10倍以上となる50時間の連続音楽再生が可能になるという。 SDカードとのインターフェイス機能を備え、SDカードが採用している著作権保護技術であるCPRMにも対応。音楽配信サービスなどからダウンロードした著作権保護付きのSD-Audioファイルも再生が可能。端末を買い換える際に購入したコンテンツをSDカードごと新機種に移行できる「SDバインディング」にも対応できる。 通常の再生に加え、SD-Audioプレイリスト再生、シーケンシャル再生、ランダム再生、リピート再生などの特殊再生もサポート。イコライジング機能やオートゲインコントローラ、サンプリングレートコンバータ機能も備えている。パッケージサイズは6mm角のTFBGA(97ピン)。 コンパニオン形式を採用しているため、ホストであるアプリケーションプロセッサから音楽再生用のプログラムをダウンロードして用いる形式で利用可能。プログラムコードをアプリケーションプロセッサ側のフラッシュメモリに格納して用いることもできる。そのため、μPD99910上には音楽再生用の最小限のプログラムコードを格納するだけでよく、内蔵メモリの小型化を実現。外付けフラッシュメモリも不要となり、ポータブルオーディオ機器用LSIを搭載する場合と比べ、コストが削減できるという。
また、GUIなど、既存のソフトウェア資産をそのまま活用できるため、同社では「携帯電話メーカーの開発負担を軽減し、ユーザーの豊かな音楽利用を実現するLSI」と説明している。
□NECエレクトロニクスのホームページ
(2006年1月12日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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