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アドビ システムズ株式会社は、映像/音声関連ソフト4製品と、統合型の「Production Studio」を2月上旬に発売する。製品の種類や直販価格は下表の通り。
共通の新機能として、従来は独立していた複数ウィンドウを統合/グループ化し、配置やサイズ変更などが容易に行なえる「ドッキング・インターフェイス」を採用。また、各ソフト間の連携を強化し、ファイル受け渡し時にレンダリングが不要になる「Dynamic Link」を採用したほか、キーフレームやマーカー、エフェクトなども引き継げるようになった。 ■ Premiere Pro 2.0 日本語版
新たに、HDVカメラで撮影した映像のネイティブ編集に対応したビデオ編集ソフト。アップグレード版の価格は、「Premiere LE」や「Premiere Elements」からが84,000円、Mac版を含むPremiereやPremiere Pro 日本語版からが26,250円、バンドル版のPremiere LE、Premiere Elements 日本語版からが39,900円となる。対応OSはWindows XPのみで、Macintosh版は用意されない。 HDVフォーマットの映像のバッチキャプチャやトリミングなどに対応。また、最大4つまでの編集を同時に行なえるマルチカム編集に対応。4画面同時に表示しながら編集が可能で、テンキーでカメラの切り替えができる。なお、HDVのネイティブ編集には、Pentium 4 3.4GHz以上のCPU、7,200回転以上のHDDなどが必要となる。 エフェクトでは、エフェクトコントロールパネルに、編集可能なキーフレームグラフを追加。エフェクトの値と速度の微調整が行なえる。照明効果を新搭載。スポットライトやディレクショナルライトなどの効果も追加された。
さらに、カラー補正機能も強化し、カラーコレクションツールの利用で32bit HDRカラーもサポート。また、「ファストカラーコレクター」により、複数クリップの色相や彩度の調整が簡単に行なえるようになった。 Windows MediaやRealMedia、MPEG-2エンコードに対応するAdobe Media Encorderには、新たに2パスエンコードやVBR/CBR切り替えも可能になった。また、Windows Media HDや、Windows Media Audio 9 Professional、Flash Videoの出力もサポートしている。
また、従来もHDに対応していたが、新たにAJAのXena HSリアルタイムデジタルビデオ出力カードをサポート。HDの映像を、HD-SDIを備えたVTRなどに書き出し可能。 作成したファイルをPDFファイルに埋め込んでEメール添付などが可能になる「Clip Notes」を搭載し、Windows MediaまたはQuickTimeのビデオとして、PDFに埋め込む、またはストリーミングとすることができる。送信されたPDFにはコメントをつけて返信することも可能。
□ニュースリリース ■ Encore DVD 2.0 日本語版
前バージョンの「1.5」と同様、Photoshop CSで作成されたファイルでDVDメニューが作成できるオーサリングソフト。対応OSはWindows XP。新たにDTS/DTS-ESの読み込みと書き出しをサポートした。なお、DTSのエンコード/デコードは行なえない。 DVD作成には、フローチャート形式でメニュー画面を作成する方式を採用。チャプタメニューの自動作成機能を搭載し、最初のチャプタ画面のテンプレートと、画像を入れたレイヤーにより、残りのチャプタ画面も自動生成が可能となる。
また、スライドショーエディタを搭載し、プロジェクトパネルやAdobe Bridgeから画像ファイルをドラッグして作成可能。BGMの追加やトランジション、パン/ズームエフェクトも利用できる。 ドラッグ&ドロップで複数のビデオクリップと静止画を1つのタイムライン上に配置できる。そのほか、「チャプター再生リスト」により、1つのコンテンツを複製せずに、同じタイムライン上に配置し、セグメントの最初と最後にチャプタポイントを挿入、それぞれに相対チャプタのみを入れた、独立したプレイリストを作成できる。
□ニュースリリース ■ After Effects 7.0 Professional/Standard 日本語版 ビデオエフェクトツールのAfter Effects 7.0はProfessional/Standardを用意。アップグレード版は、After Effects Standard 日本語版からの場合はProfessionalが26,250円、Standardが71,400円。Professional/ProVersionから7.0 Professionalへのアップグレードは26,250円。対応OSはWindows版がWindows XP、Macintosh版がMac OS X 10.3.9~10.4。
両製品とも720p/1080iのHDVファイルをネイティブでサポート。また、OpenGL 2.0対応により、2D/3Dレイヤーのプレビューが従来バージョンに比べ最大3倍高速化したという。プレビュー以外にレンダリングでもOpenGLが利用可能。 また、Windows版ではPremiere Pro 2.0との連携により、Premiere Proのタイムラインを編集ポイントやマーカー、キーフレームなどを保持したまま読み込むことが可能。逆にAfter EffectsのプロジェクトをPremiere Proに書き出すことも可能。 そのほか、After Effectsで作成した映像のサウンドトラックをAudition 2.0でシームレスに編集することや、タイムライン上にマーカーを設定したファイルをEncore DVD 2.0で読み込んだ際に自動でチャプタとして読み込まれるといった連携も行なわれている。
さらに、新搭載のグラフエディタにより、複数レイヤーのアニメーションをコントロールし、複数キーフレームをグループ化して値の増減を設定可能。カーブはベジェ曲線で調節できる。テキストアニメーションなどベクトルベースのアニメーションをFlash Videoにエンコード可能になった。 ProfessionalとStandardの違いは、レイヤーの再生速度変更時に、前後のフレームから中間フレームを自動生成して補完する「タイムワープ」や、スクリプトエディタの搭載/非搭載など。エフェクトの種類はStandardが200以上、Professionalが250以上となっている。 自動保存の設定により、指定したファイル数に達すると古いファイルから上書きして保存することも可能。タイムコードベースの自動検出機能や、オートトレースの精度向上も図られている。 また、静止画では、RAW画像にも対応したほか、Professionalでは32bit HDRカラーのPSDファイルもサポートする。 □ニュースリリース ■ Audition 2.0 日本語版
音楽編集ソフトの「Audition 2.0」は、新たにASIOドライバをサポートする新ミキシングエンジンを搭載し、最大96トラックのライブ入力、トラック間のディレイ補正、プレビューしながら編集した内容を記録する「トラックオートメーション」機能を備える。対応OSはWindows XP。 非破壊型レコーディングに対応したほか、前バージョンでは128までだったマルチトラックでのトラック数が無制限になり、制限時間も100時間まで拡大された。最大96トラックの同時入出力が可能。
新たに、Ogg Vorbisや業務用レコーダなどに使われるBWF(Broadcast Wave File)ファイルもサポートする。オーディオスクラブ機能では、高速でスキャンできるシャトル式と、従来のテープ式の両方に対応。CDからのリッピングやライティング機能も搭載する。 MPEGやWMV、AVI、QuickTimeのビデオフォーマット読み込み/書き出しに対応。ただし、MPEG-2はProduction Studioのみ。Premiere ProやAfter Effectsで作成したサウンドトラックをシームレスに編集可能で、ビデオファイルに設定されたマーカーもそのまま表示可能となっている。そのほか、5,000種類以上の32bit音声のループが収録されたDVDが付属する。 □ニュースリリース ■ Production Studio Premium/Standard 日本語版
Premium版は、Premiere Pro 2.0とEncore DVD、After Effects、Audition、に加え、Photoshop CS2とillustrator CS2を加えた統合型ソフト。Standard版はEncore DVDとAudition、illustratorを省いている。対応OSはWindows XP。 いずれも、After EffectsのコンポジションをレンダリングせずにPremiere ProやEncore DVDで読み込める「Dynamic Link」や、各プロジェクトで使用するソースファイルの整理やブラウズ、XMPメタデータによる検索、プレビュー、バッチ処理などの管理を効率化する「Bridge」も採用。
各ソフト間の連携を強化し、ドラッグ&ドロップやコピー&ペーストでプロジェクトの受け渡しが可能で、キーフレームやマーカーの適用も引き継いで表示可能。 After Effects使用中にPremiere Proのインターフェイスを呼び出してキャプチャし、After Effectsで読み込むことなどが可能になるほか、After EffectsでPhotoshopやillustratorのファイルを読み込み、マスクやアニメーションカーブとして利用できる。
□ニュースリリース
□アドビのホームページ (2006年1月18日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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