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独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)のモバイル・ホームシステム協議会(MHSF)は、AV機器やパソコンなどのデジタル家電製品を連携動作させる接続技術の実証実験を1月30日から2月1日までTIME24ビル 1階 タイムプラザ(東京都江東区青海2-45)で公開する。 企業向けの内容だが、一般の参加も可能となっており、見学は無料。参加メーカーの試作機を使用し、機器間の相互コントロールなどの活用例を午前/午後各2回のデモで紹介する。 NEDOは、家庭内の機器間連携の普及を目的とした「デジタル情報機器相互運用基盤プロジェクト」をNECパーソナルプロダクツ、東芝、富士通、三菱電機など6社を助成先として推進。また、JEITAはその開発成果の共有化を目的として、MHSFの情報家電ネットワーク WGにおいて、異なるメーカー間での家電機器の連携動作を可能とする共通ガイドライン策定、相互接続検証を進めている。 実験会場では大きく「ネットワーク機器コントロール」、「宅外コンテンツ伝送」、「プログラムダウンロードセキュリティ」のブースを設置。
「ネットワーク機器コントロール」では、UPnPを利用したIP系のネットワークと、IEEE 1394ネットワークの相互接続を実証。三菱電機は、UPnP-IEEE 1394間の相互接続を行なうゲートウェイとAVサーバを用いて、他メーカーのD-VHSレコーダのプラグ&プレイや、コンテンツ再生などの制御を行なっていた。 また、東芝の試作機のように、DVDレコーダに組み込む形でのゲートウェイも提案。AV家電以外にも、エアコンの制御など、白物家電系の宅内ネットワークECHONETに対応する機器との相互接続もデモされている。
「宅外コンテンツ伝送」では、知人宅と自宅のPCやAVサーバを相互接続し、撮影したビデオなどのプライベートコンテンツを共有することをテーマにしており、DLNA対応機器を、複数のホームネットワーク間で接続する技術を展示。プラグ&プレイによる自動検出や、シャットダウンされた機器を外部のネットワークからWake On LANで起動するといったデモを行なっている。
なお、今回の実験ではコピーワンス番組など著作権保護されたコンテンツに関しては対象としておらず、あくまで機器間の相互接続を先に提案することで、著作権などの問題に関しては実用化の段階になれば必然的に対処することになるだろうと見ている。 「プログラムダウンロードセキュリティ」では、機器のアップデート情報を常時監視し、自動で最新の状態を維持するという技術を公開。複数メーカーの機器の情報を一括で管理、アップデート処理を行なうために開発された通信プロトコルを利用している。
情報家電ネットワーク WGの主査を務める東京大学大学院新領域創生科学研究科の森川博之氏は、実験されている新たなネットワークに関してIEEE 1394やUPnP、DLNAなどの補完的な役割を果たし、パソコン系やAV系、白物家電系のネットワーク間で連携が取れるようになるという。 また、今後は家電が個人の情報を蓄積し、パーソナライズされた「情報個電」になって行くと予測。家電が持つ情報を利用した新たなサービス創出が期待できるほか、システム全体の省電力化など、ネットワーク化による機能の拡張も見込まれると述べた。
□NEDOのホームページ
(2006年1月30日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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