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AMD、Digital Contents of The Year’05を発表
-「FF VII アドベントチルドレン」や「Podcast」が受賞


2月1日開催


 社団法人デジタルメディア協会(AMD)は1日、「Digital Contents of The Year’05」の授賞式を明治記念館で開催。大賞/総務大臣賞にはUSENの「Gyao」が選ばれたほか、部門賞のベスト・ビジュアル・デザイナーは映像作品「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」が受賞。iPodなどを含む「Podcast」が審査員特別賞を受賞した。

 「AMDアワード」は、1年間に国内で発売/発表されたデジタル作品の中から、コンテンツ制作者達や、関連雑誌の編集長らが優秀な作品を選び、制作者の功績を称えるというもの。コンテンツ産業発展と、デジタル作品の質的向上や人材育成などを目的としており、「同業者が同業者の作品を選ぶ」という審査方法が特徴となっている。

 大賞/総務大臣賞はUSENのGyaoが受賞。「PCで映画などの長時間コンテンツを視聴する文化は根付かない」という意見が多数を占める中、完全無料を掲げ、映画やアニメ、スポーツなど、様々なコンテンツコンテンツを配信。常時1,000番組を提供し、視聴登録者数も600万人を越えるなど、ブロードバンド配信を新たなメディアとして根付かせたことが評価された。

USENの宇野康秀社長

 登壇したUSENの宇野康秀社長は「この賞はコンテンツを提供してくれた各企業、番組を視聴してくれるユーザー達あってのもの。現在は月100万のペースで登録者数が増えており、近いうちに1,000万を達成できるだろう。しかし、そこで満足することなく、1,500、2,000万と、さらなる拡大を目指したい」と決意を語った。

 部門賞「ベスト・ビジュアル・デザイナー」は、DVDとUMDビデオを合わせた出荷枚数が100万枚を突破したスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」が受賞した。CGのクオリティの高さだけでなく、“コアなゲームファンにも受け入れられる映像化”だったことが評価の理由。ステージには、海外版の制作に熱中している野村哲也氏に代わり、コーポレート・エグゼクティブであり、同作のプロデューサーを務めた橋本真司氏が登壇した。

 橋本氏は「CGなどのデジタル技術も重要だが、我々はいかに人間のハートをデジタルに乗せていけるかどうかを日夜試行錯誤している」と語り、技術面だけでなく、作品の内容やメッセージが評価されたことへの喜びを表現。「今後もメイド・イン・ジャパンのデジタルコンテンツとして、良い作品を生み出していきたい」と語った。

コーポレート・エグゼクティブであり、アドベントチルドレンのプロデューサーを務めた橋本真司氏

 また、審査員特別賞をアップルコンピュータのPodcastが受賞。iPod、iTunes、iTMSを含めたトータルソリューションとして、音楽や放送業界に与えた影響力が評価された。プレゼンターとして登壇したのは、元マイクロソフト株式会社会長で、現在は自らを「オヤジ・ニート」と表現する古川享氏。

 古川氏は愛用しているという第5世代iPodを片手にステージに登場。「アップルに比べ、マイクロソフトの作っているものは文化の香りがしないものばっかりとよく言われる」などのジョークで会場を盛り上げた後、「私のiPodにはミュージックビデオが800曲分入ってる。日本で最も多くの音楽ビデオが入ったiPodだろう」と、使いこなしぶりをアピールした。

 さらに「iPodの凄いところは、音楽文化を変えただけでなく、Podcast配信によりラジオやテレビ視聴のスタイルも変えつつあるところ。個人でもPodcast放送が手軽にできることで、今では自分で自分のiPodに、録画済みテレビ番組をPodcast配信している友人もいる。ラジオの聴取を含め、時間をより自由に、有効に使えるようになる」と絶賛した。

 アップルの前刀禎明バイスプレジデントは、Podcastについて「“様々なサービスをアップルが提供していないから凄いんだ”とよく言われる。利用している皆さんや放送局の皆さんのアイデアや情熱で、規模が拡大していることが嬉しい」と語り、「今後もiPodやiTMS、Podcastを愛してくださる皆さんに支えられながら、頑張っていきたい」と述べた。

元マイクロソフト株式会社会長、古川享氏 アップルの前刀禎明バイスプレジデント Podcastの将来性が高く評価された

富野由悠季氏

 さらに、功労賞には機動戦士ガンダムシリーズなどで知られる、富野由悠季氏が選ばれた。これまで手掛けてきた多くの作品の影響力に加え、デジタル技術を使って再編集した「機動戦士Zガンダム」の劇場版や、ブロードバンド配信で新作アニメ「リーンの翼」を発表するなど、新技術へのチャレンジ精神も評価された。

 富野氏は「Zガンダムの映画版には、20年前の16ミリのフィルムと新作カットが混在している。こういうことができるのもデジタル技術によるもの。歴史的な遺産として100年は残るのではないかと自負している。ただ、過去の遺産に甘んじているだけではダメだというメッセージがこもった今回の賞を頂いたことで、今後も新しいものにチャレンジしていく気持ちを新たにした」と喜びを語った。

プレゼンターとして漫画家のモンキー・パンチ氏も登壇 富野氏と同じ功労賞には、アーティストの村上隆氏も選ばれた AMDアワードの審査員は、IT/映画系などの雑誌/Web媒体の編集長が務めており、INTERNET Watchの工藤編集長も参加した

□デジタルメディア協会のホームページ
http://www.amd.or.jp/

(2006年2月2日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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