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ロケーションフリーが「ネットKADEN」大賞に
-iPod nano&iTMSがデザイン賞、RDは優秀賞


2月3日発表


 経済産業省は3日、情報家電分野で優れた製品やサービスを表彰する「ネットKADEN 2005」の表彰式を東京ビッグサイトで開催した。大賞にはソニーの「ロケーションフリー」が選ばれたほか、デザイン賞にアップルのiPod nano&iTMS、優秀賞に東芝のハイブリッドレコーダ「RD」シリーズなどが選出された。

 「ネットKADEN」は情報家電で魅力的かつ斬新な「ライフソリューションサービス」創出や普及促進の支援を目的としており、今年が第1回目となる。応募された36点の商品とサービスから1次審査と一般投票、2次審査により選出された。

 大賞を受賞したソニーの「ロケーションフリーベースステーションパック」は、ノートPCやPSPなどを使って、屋内外でテレビや録画した映像の視聴などが行なえるセット。受賞理由としては、「これまでなかったライフスタイルを提案するものであり、手持ちのAV機器を活かせる点でも支持が高く、新しい家電の誕生を象徴する」点が挙げられた。

左から2番目が東芝ネットワークサービス&コンテンツ事業統括 統括責任者の河田勉氏、4番目がアップルの前刀氏、5番目がソニーの西谷氏

 また、デザイン賞を受けたiPod nano&iTMSは、「新しい音楽のスタイルを想像し、新たなファッション性を生み出したほか、デザインとブランド戦略が極めて優れている点もポイントになったという。

 優秀賞の東芝「RD」シリーズは、インターネットにつないで他ユーザーの好みなどの情報を取得できる「おすすめサービス」について、「録画視聴の新たなスタイルを提案し、ビジネス拡大に向けた潜在力が高く評価された」としている。

 そのほか、準大賞として、象印マホービンの電気ポット「iポット」からの通信により高齢者の生活の安全を確認できる「みまもりほっとライン」、優秀賞にセコムの位置情報と緊急時の人員派遣サービス「ココセコム」と、Hondaの会員制カーナビ情報共有サービス「Hondaインターナビ・プレミアムクラブ」が選ばれた。


■ ネットワークは「ラスト10ヤード」に課題

 表彰後には、各社のプレゼンテーションでサービスや製品の特徴を紹介。ソニーのコーポレートエグゼクティブSVP西谷清氏は、「出張時などに海外でプロ野球結果などを知るために使う社員も多い」とコメント。「ここまで普及したのはブロードバンドとHDDレコーダの普及が大きく、今後は様々なディスプレイで利用できるような市場を創りたい」と述べた。

西谷氏は、ロケーションフリーの説明をすると共に、ネット接続をベースにした新しいサービスについても意欲的な姿勢を見せた

 アップルの前刀禎明バイスプレジデントは、iPodの累計出荷台数が4,200万台を超えたことや、専用アクセサリーが2,000以上ある点、Podcastingが1,000番組以上ある点などを挙げて、「iPodは全ての人のためのものと言っても過言ではない」とアピールした。

前刀バイスプレジデント iPod/iTunes/iTMSがハード/ソフト/サービスの面で最高のソリューションを提供したとコメント iPod対応を謳うカーオーディオメーカー、自動車メーカーが増えたことにも触れ、「ここにいるHondaさんにも早く対応して下さいとお願いした」という

 また、東芝からはデジタルメディアネットワーク社デジタルAV事業部 DAV商品企画部商品企画担当グループ長の片岡秀夫氏が登壇。「2002年からRDにネット接続機能を導入した際は、番組名入力などにリモコンではなくPCのキーボードを使いたいという要望からスタートした」と述べ、2004年開始のDEPGや、2006年からのおすすめサービスにより、「多チャンネル時代に、より自分の好みに合った番組に出会う接点を提供した」とコメントした。

東芝の片岡氏 ネットワーク対応RD パワードコムや東京電力と協力した映像配信サービス「ひかり de DVD」のトライアルなど新しい試みについても紹介

 プレゼンテーション後には審査員を交えたパネルディスカッションを開催。ソニーの西谷氏は「ネット家電の普及には、家庭内のネットワークをどのように構築するかが課題。ラスト1マイルではなく“ラスト10ヤード”ぐらいのつなげ方を標準化し、家の中のどこからもつなげられるような技術が必要で、各社とも協力したい」と述べ、片岡氏も賛同していた。

 さらに片岡氏は、「話題性のあるコンテンツ以外にも、作り手の思いが凝縮されたコンテンツと受け手をつなぐ役割ができるのがインターネットの良い点。製品だけでなく、サービスも含めたつなぎやすさを向上させることが必要」とした。


■ 難しかった賞の選定

 審査委員長を務めた國領二郎慶應義塾大学教授は、「熱意ある多数の応募を受けた。事例が多種多様であったため、逆に『ネットKADEN』の本質が何で、どんなものが受賞にふさわしいかという根本の議論に何度も立ち返ることになった」と選定の難しさを語った。

 また、「海外からの応募もあったが、生活者に根ざしたエレクトロニクス製品を提供するのは日本のお家芸だと思う。これをバージョンアップして世界でもトップのクオリティがここから輩出されることを願っている」とした。そのほか、第1次審査を通過した製品、サービスとして、ソニーの「エニーミュージック」や、松下の「Tナビ」なども紹介した。

審査委員長の國領氏 審査委員を務めた雑誌「DIME」編集長の松元浩一氏、株式会社日本デザインセンター 原デザイン研究所 所長の原研哉氏、株式会社イプシ・マーケティング研究所の野原佐和子代表取締役社長、All About家電担当ガイドの戸井田園子氏もディスカッションに参加。「もっと主婦に優しい家電を」などの意見も上がった

第1次審査は、エニーミュージックやTナビ、東芝のネットワーク家電制御「フェミニティ」などが通過した

同時開催のNET&COM 2006でも受賞製品/サービスが展示。ロケーションフリーは、サンディエゴからの映像を受信していた


□経済産業省のホームページ
http://www.meti.go.jp/
□ネットKADEN 2005のホームページ
http://www.meti.go.jp/policy/netkaden.html

(2006年2月3日)

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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