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ボーズ、HDD内蔵の2.1chシアター「3・2・1 GSX」
-50万のシステムに搭載した「uMusic」を24万の3・2・1に


4月15日発売

標準価格:241,500円


 ボーズ株式会社は、フロントに設置する2.1chスピーカーで5.1chのサラウンド再生を実現するというシアターシステム「3・2・1(サン・ニイ・イチ)」シリーズの新モデルとして、HDDを内蔵した「3・2・1 GSX」を4月15日に発売する。価格は241,500円。

構成図

 フロントの2chスピーカーと、デジタルアンプを内蔵したアクティブサブウーファ、DVDプレーヤーとプリアンプ、HDD、AM/FMチューナを内蔵したメディアセンターで構成されるシアターシステム。独自のDSP「TrueSpace」を搭載しており、壁の反射を利用せず、リスニングポイントに左右されずにサラウンドが体感できるという。

 最大の特徴は、メディアセンターにHDDを内蔵し、音楽CDをMP3フォーマットで録音・蓄積できる「uMusic(ユー・ミュージック)」システムを搭載したこと。同システムは、5.1chシアターシステムの上位モデル「Lifestyle 48」(499,800円)に採用されたものと同じで、「HDDを使ったインテリジェントなミュージックサーバー機能を低価格なモデルで体験できる」(同社)という。

メディアセンター部にはDVDプレーヤーとプリアンプ、HDD、AM/FMチューナを内蔵する Lifestyle 48

 Lifestyle 48と同様にHDD容量は非公開。しかし、「約200時間、音楽CDも約200枚保存できる」としており、「約350枚保存」としていたLifestyle 48よりもHDD容量は少ない。

 「uMusic」はメディアセンターをミュージックサーバとして利用する機能で、蓄積後はOSDを使って、アーティスト名やジャンルなどから楽曲の検索が可能。さらに、再生回数や楽曲のジャンルなどの情報からユーザーの好みをメディアセンターが学習。そのアーティストが影響を受けたアーティストなど、あらかじめ保存されている情報と組み合わせ、ユーザーごとに最適な選曲を行ない、自動的にプレイリストを作成、再生してくれる。さらに、uMusicが選択した楽曲をユーザーがプラスマイナスで評価。より精度の高い“お勧め機能”に育てていく。

uMusicを「ジュークボックスロボット」と表現。発表会では新製品のベールを剥ぐと、そこにはロボットが……という演出も。実際の新製品はロボットの足の下にあった OSDメニューでHDD内の音楽ファイルを検索できる

Storeボタンで音楽CDを取り込む

 好みの学習は9個まで登録可能で、家族1人1人がそれぞれの嗜好を学習させたり、「パーティーの時に聞きたい曲」など、用途やシーンに合わせた育成も可能。uMusicを使用せず、マニュアルモードで楽曲を再生することもできる。

 音楽CDの取り込みは、本体前面の「Store」ボタンを押すだけでスタート。アルバム1枚を約5分で取り込む。内部にGracenoteのCDDBを記録しており、自動的にタイトル/アーティスト名が付与される。

 なお、ネットワーク機能などは備えていないため、CDDBデータ更新は半年に一度、アップデートディスクを登録ユーザーに配布することで対応する。また、リモコンで曲情報を手動入力することもできるが、その場合はアルファベット入力のみとなる。ただし、あらかじめCDDBに日本語の情報がある場合、OSDに日本語は表示される。

天面にシルバーのロゴマークがデザインされている

 DVDプレーヤー部はプログレッシブ出力に対応。音楽CDに加え、CD-R/RWに収録したMP3ファイルの再生もサポートする。デコーダはDTS/ドルビーデジタル/AACに対応。さらに、独自の「Bose Digital」も備えており、モノラルやステレオのアナログソースも5.1化できる。

 メディアセンターのデザインや外見は「3・2・1 GS Series II」(188,790円)、「3・2・1 Series II」(157,290円)などとほぼ同じ。天面の「3・2・1」のロゴマークが銀色になっている。外形寸法は349×254×83mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3.2kg。

 2.1chスピーカーの仕様は「3・2・1 GS Series II」と同じ。サテライト(ジュエルアレイ)スピーカーには、各チャンネルに5cm径のユニットを2基搭載。TrueSpaceとの組み合わせを前提とし、計算された角度で配置されている。エンクロージャの外形寸法は142×107×66mm(幅×奥行き×高さ)。重量は440g。カラーリングはシルバー。

サテライトスピーカー 独自のDSP「TrueSpace」を搭載しており、壁の反射を利用せず、リスニングポイントに左右されずにサラウンドが体感できるという

 パワーアンプを内蔵したサブウーファ(ベースモジュール)には、13cm径のウーファを1基搭載。チャンバ内の空気エネルギーを音響エネルギーに変えて放射する、独自の「アクースティマス」方式を採用。外形寸法は222×489×364mm(幅×奥行き×高さ)。重量は11.6kg。カラーリングはブラック。内蔵パワーアンプの出力は、フロント用が25W×4ch、サブウーファ用が35W。

 メディアセンター部には入力端子として、アナログ音声(RCA)/同軸デジタルを各3系統、光デジタルを1系統、コンポジット/S端子を各1系統装備。映像出力はコンポーネント、S映像、コンポジットを各1系統備える。なお、独自の拡張端子「Bose link」も1系統装備している。

ベースモジュール メディアセンター部の入出力端子。Ethernet端子も備えているが、現在のところ使用する予定はない リモコン


■ 「シアターとオーディオの境界線を取り払う」

佐倉住嘉社長

 佐倉住嘉社長は昨今のAV市場について「景気も回復傾向にあるが、オーディオ業界やホームシアター業界は今ひとつと言われ続けている。しかし、iPodの人気に代表されるように、オーディオ人気そのものが衰退したわけではない」と語る。

 その上で、普及の妨げになっている要因を「日本独自の住宅事情」、「日米の映画文化の違い」、「時の利の無さ(時期が来ていない)」と分析。住宅事情に関しては「TrueSpaceなどの独自技術で、どんな環境でもサラウンドが実現できる機器を提供できた」とし、問題を克服。「時の利」についても「大型/薄型なテレビが爆発的に売れはじめた以上、時は来たとしか言えない」と分析した。

 「映画文化の違い」については、「米国と比べ、日本には四六時中映画を観ていたいというような映画好きの割合が少ない。そのため、シアターシステムの稼働率は悪い。反面、いつも音楽を聴いていたいという人は多い」と語り、「シアターシステム普及の鍵は音楽再生にある」と解説。

 その上で、「シアターシステムはリビングに設置することが多いが、オーディオは個人の部屋に置かれることが多い。シアターシステムは“DVDを観るためのもの”という固定概念がある人が多く、リビングのシアターシステムを使って音楽CDを聴こうという人は少ない。新モデルの3・2・1 GSXは、こうしたシアターとオーディオの境界線を取り払い、生活の中でオーディオとしても使える新しい製品だ」と魅力を語った。

□ボーズのホームページ
(2月9日現在、この製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.bose.co.jp/
□関連記事
【2005年2月17日】ボーズ、センターユニットを薄型化した「3・2・1」新モデル
-新DSPを搭載し、2.1chスピーカーでサラウンド再生
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050217/bose2.htm
【2005年2月17日】ボーズ、HDDを内蔵した50万円のシアターシステム
-MP3で音楽を蓄積。ユーザーの好みを学習して再生
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050217/bose1.htm

(2006年2月9日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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