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CeBIT 2006会場レポート【Blu-ray編】
VAIOは夏モデルでBD対応。欧州のBD立ち上げは8月に
「BDは勝利の準備ができた」


会期:3月9日~15日

会場:Hannover Messe


 Blu-ray Disc Associationは9日、CeBIT 2006会場でプレスイベントを開催した。昨年のCeBITでは、AppleのBDA加入などの大きな話題を提供したが、今年は大きな動きはなく支持メーカーからの具体的な製品ロードマップやBlu-ray Disc(BD)のメリットが語られた。

Philips Optical StorageのFrank Simonis氏

 Philips Optical StorageのFrank Simonis Strategic Marketing Directorは、HD DVDとの比較でBDの優位性を強調した。転送レートが最大54Mbpsで、HD DVDの36.55Mbpsより高いことから、ビデオビットレートも最高40Mbps(HD DVDでは26Mbps)まで引き上げられ、「最高の画質を追求できるのはBlu-ray」という。

 また、BD-ROMの容量が最大50GBとHD DVDの30GBより多いことから、オーディオに多くの容量を割いた音楽ディスクなど、柔軟なディスク構成が可能なことを強調。さらに、本編194分と長尺の「タイタニック」などでも、平均ビットレート20Mbpsまで維持できることから画質や音質面のアドバンテージをアピールした。

 なお、欧州でのBDの立ち上げについては、「BDAでは、スケジュールのアナウンスなどはせず、各社に任せているという立場。米国の後という以外には申し上げられない」という。ただし、松下電器やSamsungのプレスカンファレンスでは、8月のBDプレーヤー市場投入が発表されており、ソフトを含む欧州のBD立ち上げはこの時期を目指していると推測される。


転送速度がBDのアドバンテージ。ビットレートの向上が可能 容量を活かした柔軟なディスク構成が可能に BDプレーヤーの本格的な市場形成は2007年以降

PanasonicのBDプレーヤー。展示機はプロトタイプで、発売時にはHDAVI(VIERA Link)にも対応予定 Samsungの「BD-P1000」

 ソニー VAIO事業部門企画部の矢崎亮 統括部長は、VAIOでのBDドライブ搭載計画について説明した。同社のHDビデオ撮影、編集などの取り組みを解説し、「Blu-rayによりソニーのHD Worldが完成する」と表現。Blu-rayにより、撮影から編集、出力、表示までのHDソリューションを完成させて、HDの魅力を消費者に訴えていくという。

 具体的なVAIOへのBDドライブ搭載時期は初夏で、ノートPCとデスクトップPCの双方で搭載を予定。BD-R/REのほか、BD-ROM再生にも対応予定とし、「基本的にはハイエンドから徐々に始めるが、2007年には幅広い機種まで広げていきたい」という。

ソニー 矢沢亮氏 BDの追加によりVAIOのHD Worldが完成

パイオニアのPhilipe Coppen氏

 また、パイオニアのPhilipe Coppen氏もHD DVDとの比較で、BDの魅力をアピール。大容量を活かして、長尺の映画の他、スーパーボウルやMLBなどのスポーツコンテンツ、オペラなどの収録が可能なほか、高速な転送速度を活かした追いかけ再生やHDDからのダビングなどでもBDのメリットが活用できるという。

 同社のBDドライブ「BDR-101A」では、BD-R/REの2層書き込みや、DVD-RAM、CD、CD-R/RWの記録/再生ができないが、次のモデルではこれらについても対応予定と説明。スロットローディング型やトップローディング型、SATAやe-SATA、USBなどのインターフェイスのバリエーションや8cmディスク対応なども検討しているという。


BDでは容量や転送速度を活かした応用が可能 BDR-101A次世代モデルでは2層BD-R/RE記録やDVD-RAM、CD-R/RWに対応

ソニーのBD-R/REメディア

 記録メディアについても、Sonyが25GB容量のBD-Rメディア「BNR25A」を4月に、25GBのBE-REメディア「BNE25A」を3月中旬に発売する。想定価格はBD-Rが25ユーロ、BD-REが30ユーロ。また、TDKは25GBのBD-R/REを3月に発売するほか、50GBのBD-R/REも4月に発売予定。富士写真フイルムも4月のBD-R/REなどの発売を予告しているほか、Imationも1層メディアを第2四半期より発売する。

 昨年までのパートナー争奪のような動きはなく、発表会としては盛り上がりに欠けたが、各社がプレーヤー、記録ドライブ、メディアなどの準備を着実に進めており、製品化の近さは確認できた。


松下電器 津賀一宏氏

 また、同日に行なわれた松下電器のプレスカンファレンスでは、同社デジタルネットワーク・ソフトウェア担当役員の津賀一宏氏が、同社の技術戦略について解説。BDについては、Panasonicの強みとしてH.264コーデックや、BD-ROMのオーサリングシステム、光ピックアップ、スリム型のBDドライブなどの事例を紹介した。

 また、試作ラインでの2層BD-ROMの生産も開始しており、タクトタイムや歩留まりも良好という。これらの結果から、「Blu-rayは勝利の準備ができた(Blu-ray is Ready to Win)」と表現し、BDの立ち上げに自信をみせた。


パイオニアは50型フルHD対応PDPとBDプレーヤーを接続し、1080p出力をアピール 松下電器のBDドライブなど、PC向けドライブが各社から展示された LGのBD/DVDマルチドライブ「GBW-E10N」。2層BD-REにも対応

□CeBIT 2006のホームページ
http://www.cebit.de/

( 2006年3月10日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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