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パナソニック エレクトロニックデバイス株式会社と、同志社大学 竹の高度利用研究センターは29日、竹繊維のみを利用した振動板を搭載したスピーカーユニットを開発したと発表した。9月のサンプル出荷を予定しており、量産は2007年12月を目標としている。なお、スピーカーユニットとしてではなく、ユニットのみの供給となる。 最大の特徴は、業界で初めて竹の繊維のみで振動板を形成したこと。竹繊維は軽くて強く、アルミ合金にも匹敵する剛性を持っているため振動板材料として注目されていた。しかし、パルプ化する際に有用物質が溶け出してしまい、繊維同士の結合力も不十分になるため、添加剤程度にしか使われなかった。 しかし、「物理機械的方法」を用いることで、竹の素材構成比を大きく損なうことなく高品位な竹繊維を得ることに成功。この繊維をさらに微細化することで、軽くて剛性が高く、適度な内部損失を持つ振動板が完成。材料の音速も2,380m/sを実現しており、同社従来比率25%向上しているという。 音質面の特徴として同社は「高級木材パルプ振動板を上回る、ナチュラルで広い周波数帯域での高音質再生が実現できた」と説明している。
生育後1年以上4年以下の竹から取り出した繊維は特性面で一定であり、部位ごとの特性の差も少ないため、ばらつきのない竹繊維を安定的に供給できるのも特徴。また、従来の高級スピーカーユニットに使用されていた北欧産針葉樹などの高級木材の代わりとして利用できるため、「1年という短期間で育成できる竹の利用は資源・環境保護の観点でも有用」だという。
□パナソニック エレクトロニックデバイスのホームページ
(2006年3月29日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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