|
NECエレクトロニクス株式会社は18日、フルHDサイズの大型液晶テレビの液晶ドライバIC「μPD160290」のサンプル出荷を開始した。サンプル価格は1,000円で、量産開始時期は2006年末を予定。月産100万個を見込む。 μPD160290では、ディスプレイ上部に横並びに配置されて、液晶表示部に画像データを書き込むドライバICとそれを制御するタイミングコントローラICとのインターフェイスを改良。同社の開発した「PPmL(Point to Point mini-LVDS)」方式を採用したインターフェイスを備える。 このPPmL方式の伝送レートは最大560Mbps。従来製品より大容量のデータを伝送することが可能になっており、1つのタイミングコントローラICにつき最大16個のドライバICが直接制御できる。これにより従来製品では40型以上で2~4つ必要だったタイミングコントローラIC数を1つに減らすことが可能。現在PPmL方式に対応するタイミングコントローラICは同社のほか、米Texas Instruments(TI)、ザインエレクトロニクスが開発しており、μPD160290は、これらと組み合わせて使うことが可能。また、PPmL方式以外にも従来製品で採用する「mini-LVDS」方式にも対応する。 そのほか、分解能が12bitのDACを搭載することで、表示可能色数を687億色へと増加した。また、DAC回路を小型化することで、チップ上に多数の出力ブロックを集積できるようになった。そのため従来製品では414~516チャネルだった出力端子数が最大720チャネルまで増加。これに伴い、従来製品ではフルHD1,920×1,080ドットの画面表示にはドライバIC数が6~16個必要だったが、8個まで削減できる。 また、液晶ディスプレイの特性にあわせてソフト上で制御が可能なリニア出力機能を備えるので、異なる液晶ディスプレイを使っても同じドライバICが利用できる。 同社ではμPD160290を採用することで部品点数が削減できる点や、複数モデルで同一のドライバICが利用できる点から、コスト削減や開発負担の軽減が行なえるとしている。また、今回採用したPPmL方式の仕様を液晶部品メーカなどに開示、業界での標準化を目指す。 □NECエレクトロニクスのホームページ ( 2006年4月18日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|