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パイオニア株式会社は27日、2006年3月期連結決算を発表した。売上高は前年比6.2%増の7,549億6,400万円ながら、PDP生産設備の減損や、構造改革費用の計上などで営業損失は前年比157億円増、164億900万円の赤字となった。純損失は849億8,600万円の赤字。 ■ PDPやDVDレコーダの赤字が響く
今年度の営業利益減少要因は、原価率の悪化による190億円の赤字、販管費の増加による77億円の損失、特許料収入の減少など。 特にホームエレクトロニクス事業で大幅な赤字を計上。売上高は前年比9.9%増の3,546億9,000万円だが、プラズマディスプレイやDVD関連製品が、大幅な市場価格の下落により、原価率が悪化。営業損失は前期を100億以上上回る351億8,100万円となった。 一方、カーエレクトロニクスの売上高は、前期比8.9%増の3,305億2,200万円。営業利益は前期比5.9%減の174億8,600万円。市販市場向けでは、中南米や北米、ロシアなどでのCDプレーヤー販売が増加したほか、カーナビも国内や米国で売上げが向上した。OEMについては国内の売上げが減少し、カーエレクトロニクスに占めるOEM事業の割合は前期比1%減の35%となった。 特許関連事業における収入は、光ディスク関連の特許権の一部が期間満了し、前期に比べ16.6%減収の85億4,000万円。営業利益は23.1%減の72億1,700万円となった。その他の事業では、前期比18%減の612億1,200万円。携帯電話用スピーカーユニットなどが売上げ増となったが、FA機器などの売上げが悪化した。 ■ PDPは自社ブランド集中。レコーダは縮小均衡
2007年3月期の連結業績予測については、売上高が750億円/9.9%増の8,300億円。営業利益は120億円で今期の損失164億円から黒字転換を見込んでいる。純利益は30億円。 パイオニアの石塚肇専務取締役は、構造改革への取り組みなどを紹介し、「2007年度3月期は黒字化を達成できる見込み。また、ホームエレクトロニクスの黒字化を2年以内に達成するのを最重要課題にしている」と、来期以降の目標について説明。 中期の事業目標については、「後日説明する」としているが、現在低迷しているプラズマやDVDレコーダ事業の早期の回復のための取り組みを紹介した。 プラズマについては、昨年度にOEM先の戦略変更などにより、大きな影響を受けたこともあり、「受注が不安定なOEMは縮小する。コストダウンを徹底するとともに、パイオニアブランドに注力し、収益性を改善する」。生産計画については、自社ブランドで71万台、OEMで7万台の合計78万台を目標とするという(今期は自社47万/OEM15万の62万台)。
また、今年度の価格下落は20~25%を見込んでおり、「下落に耐えられるよう、部品の共用化などコストダウンを進めていく」とした。 DVDレコーダについては、今年の93万台という実績を下回る84万台に目標設定。前期比で約1割の減少となるが、「現時点では、どこの会社も利益を出せていない事業。HDD内蔵や、欧州向けデジタルチューナ内蔵機など得意分野、付加価値ある製品に絞って製品展開する」と、縮小均衡で収益の改善を図る考えを明らかにした。 記録型DVDドライブについては、ノートPC用に注力。さらに、Blu-ray Discについても、「数量を伸ばしていく」とし、BDプレーヤーについても高級モデルから展開していくという。また、カーエレクトロニクスについては、市販カーオーディオ/カーナビ事業の強化に加え、OEMについても事業拡大を図っていく。 □パイオニアのホームページ ( 2006年4月27日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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