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TASCAM、CD再生可能な同社初のギターアンプ
-「真空管の音を再現」。社長のギターソロ披露も


7月29日発売

標準価格:102,900円


 ティアック株式会社は、オーディオ制作向けの「TASCAM」ブランドの新製品として、DSPエフェクタや3スピーカー、CD再生機能を備えたギターアンプ「GA-100CD」を7月29日に発売する。価格は102,900円。

12インチを中央、5インチを両脇に配置した3スピーカー構成

 ライブ演奏やスタジオ練習などの用途をイメージした、同社初のギターアンプ。ギター用の60Wアンプを内蔵した12インチ径スピーカーと、20W×2chアンプ内蔵の5インチ径ステレオスピーカーを装備する3スピーカー構成で、レスポンスの高速化などにより、真空管アンプの音をアナログ回路で再現したという「NeoTube Technology」を搭載。

 「Neo Tube Technology」は、J-FETを用いて真空管アンプと同様の回路ブロック構成をアナログ回路のみで忠実に再現したという技術の総称。一般的な真空管アンプで用いられるとされるシングルエンド回路によるプリアンプとプッシュプル回路によるパワーアンプの構成をプリアンプ段で再現、各段で発生する倍音付加のプロセスをシュミレーションする。DSPを用いたモデリングとは異なり、アナログ回路で歪みを発生させるため、応答が高速になるという。

 パワーアンプには、真空管アンプに比べて制動力が高いICアンプに電流負帰還を施し、あえて真空管の出力段と同様の効果を得られるように制限。スピーカーとキャビネットの「鳴き」を再現するという。

 ゲインの異なる「クリーン」、「オーバードライブ」の2チャンネル構成で、両チャンネルで細かなゲインやトーン、ボリュームの調整が可能。歪みを得るためだけに設計されたというオーバードライブチャンネルでは、ゲインとトーンコントロールで「'60年代から最新のへヴィサウンドまでカバーできる」としている。チャンネル切り替えは、操作パネル以外に、別売のフットスイッチでも行なえる。各チャンネルに3バンドのイコライザを搭載。

操作部

 2基のDSPエフェクタも搭載し、1段目はディレイやパンニングディレイ、フライジャー、コーラス、トレモロなど、2段目はリバーブ専用のエフェクタとなっている。さらに、クリーン、オーバードライブともに5つのエフェクトバンクを用意し、セットしたエフェクトをフットスイッチなどで切り替え可能。

 再生速度や音程などを変更できるCDプレーヤーも内蔵。ギター練習などで利用できる同社の既発売のポータブルCDトレーナー「CD-GT1MKII」をベースにした調整機能を搭載し、任意の周波数帯域のレベルを小さくできる「ギターキャンセル」などが利用可能なほか、あらかじめ作成したドラムやベースなどのトラックを入れたCD-Rなどを再生しながら、アンプを利用したギター演奏を行なうこともできる。なお、再生ファイルはCD-DAのみで、MP3などはサポートしない。

CDプレーヤー部 背面のドライバ部 端子部

 端子はギター入力用のアンバランス1/4インチジャックをHIGH/LOWで各1系統、RCAのライン入出力や、エフェクト入出力用のアンバランス1/4インチジャックを各1系統備える。6.3mm径ヘッドフォンジャックも装備する。外形寸法は796×344×556mm(幅×奥行き×高さ)、重量は36kg。消費電力は80W。



■ 「限りなく真空管に近い」とプロも認める

ティアックの英裕治社長

 ティアックの英裕治社長は、ギターアンプ参入の理由について3点を説明。第1は「約3年前に発売したCDトレーナー「CD-GT1」が世界で18万台とヒットしたこと」、第2は「『楽器フェア』や『Musik Messe』などのイベントなどでTASCAMブースが盛り上がらない理由として、ミュージシャンによる演奏など音の出るイベントがないと思っていたこと」、最後に「自分もギターを弾く楽器好きで、いつかやろうと思っていたこと」を挙げた。

 サイズは「日本の住宅事情を考えると大きいと思われるかもしれない。小さくて安価な製品も作れるが、最初からそれをやると、(業界に参入したことについて)シリアスに取ってもらえず、おもちゃをやったように思われる。まずはこのアンプの良さを程よいサイズで聴いてもらい、理解してもらいたい」とした。


英社長自らがギターを取り、ライブを披露。速弾きのソロ演奏で会場が盛り上がった

石間秀機氏によるデモ演奏と合わせて、性能が説明された

 発表会場には、インドの楽器「シタール」の奏法がギターの音色で行なえるというオリジナルギター「シターラ」を演奏する、元フラワー・トラヴェリン・バンドの石間秀機氏が来場。「GA-100CD」の開発にも協力した石間氏は、「42年間アンプを使っているが、あと1、2歩で届くほど限りなくチューブアンプに近い出来」とした。

 さらに、「初めて係わる人にとって、クオリティの高い道具から教わることがある。また、腕に自信が付いたらもっと道具を活かせるようになる。最終的にはそういったことを触発する製品に完成させて欲しい」と述べた。


□ティアックのホームページ
(7月10日現在、この製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.teac.co.jp/
□TASCAMのホームページ
(7月10日現在、この製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.tascam.jp/

( 2006年7月10日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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