◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
ネット販売の方が高額な製品が売れ筋に。BCN調査
-店頭販売とネット通販の売上傾向を分析


田中繁廣取締役

8月1日発表


データ集計した販売店。新たにアマゾンジャパンなどが加わった

 株式会社BCNは1日、同社が各販売店からのPOSデータを元に集計する売上データに、新たにアマゾンジャパン、サクセス、ストリーム、ムラウチなどのネット専業販社が加わったことを受けて、ネット販売と店頭販売の比較分析を実施した。ここで言うネット販売とは、ネット専業販社の全データに加えて、その他同社にデータ提供する大手家電量販店のネット販売による売上の合計額も含まれる。

 集計データは、全23社2,281店舗のPOSデータなどを取得、集計したもので、今回の分析では、7月4週間分のデータ累計を使用。パソコン、デジタル家電などから115品目を対象として集計、分析を行なった。なおネット販売の場合、送料は含まず、製品価格のみで集計を行なっている。



■ ネット販売の方が高機能モデルが売れやすい

 ネット販売と店頭販売の比率は、総販売数の4.7%がネット販売。また金額ベースでは7.1%となっている。製品種別ごとに見ても、数量、金額ともにネット販売比率は最大でも15.9%にとどまっており、ほとんどの製品が10%未満であった。

 全製品の売上平均単価を比べると、ネット販売が16,300円、店頭販売では10,600円と、ネット販売の方が店頭販売よりも6,000円高い。また、115種類の製品種別に見ても、60.9%がネットの売上単価が高いという結果になっている。ところが、同一商品で比較すると、ネット販売は店頭販売より2割ほど安い価格で販売している。

 ネット/店頭での売れ筋上位10製品に絞って価格をチェックしたところ、ポータブルオーディオの場合、ネット販売では10製品の平均販売額が20,600円だが、店頭販売では21,600円と、店頭価格の方が高い。

 ところが、ポータブルオーディオ全体の売上額の平均を見ると、ネット販売の売上単価は平均18,400円、店頭販売では17,300円でネット販売の方が高い結果となっている。フラッシュメモリタイプの内蔵メモリ容量ごとの構成比を見ると、ネット販売では、1GB未満の製品の割合が29.6%、1GB以上の製品が70.4%であるのに対して、店頭販売では1GB未満の製品が41.3%、1GB以上が58.7%と1GB以上の製品の割合はネット販売の方が多い。

 同社ではこうした傾向について「ネット販売は単価が安いため、より高機能/高性能な製品が売れ筋になりやすい。そのため、ネット販売における購入単価の平均額は高い傾向になる」と分析する。

 そのほかの製品についても、液晶ディスプレイでは、ネット販売が33,800円に対して店頭販売では、32,300円、電子辞書ではネット販売が23,600円に対して店頭販売では、23,200円など、同様の傾向になっている。

ネット販売と店頭販売の比率 代表的な製品の販売価格平均(左)と売上額平均(右)

オーディオプレーヤーの場合 液晶ディスプレイはネット販売の割合が高め



■ ネット販売では、HDD容量や液晶サイズにこだわり

 DVDレコーダや液晶テレビでは、店頭販売の方が平均の売上単価は高くなる。DVDレコーダの場合、ネット販売では59,400円なのに対して、店頭販売では62,100円。液晶テレビでは、ネット販売が131,100円で、店頭販売が147,500円。

 ノートPCも同様で、ネット販売では135,600円であるのに対して、店頭は135,900円とわずかに店頭販売がネット販売を上回った。

 同社ではこれら傾向について「単価の高い高額商品の場合、店頭販売の売上単価がネット販売を上回るが、ネット販売ならではの傾向として、異なる売れ筋がある。DVDレコーダではHDD容量の割合を重視する人が多く、店頭販売では400GB以上のHDDを備えるレコーダの割合は19.8%であるのに対して、ネット販売では400GB以上のHDDを備えるレコーダが34.6%と高めの傾向になる。また、液晶テレビについても、店頭販売では30V型以上が53.4%であるのに対して、ネット販売では56.7%。ノートPCについても、店頭販売でB5型/ミニノートが6.3%であるのに対して、ネット販売では21%にのぼるなど、店頭販売とネット販売では求める機能が異なるため、売れ筋の製品も異なる傾向にある」と分析している。

 そのほか、ネット販売では、ビジネス向け製品の割合が高めである点にも触れ、特にプロジェクタやページプリンタといった単価の高い製品のネット販売での割合が、他の製品と比べて高めの傾向になるとした。プロジェクタのネット販売の割合は全体の25.9%。またページプリンタは37.5%と高めの販売比率を示している。

 また、これら製品とは対照的に、DVDメディアや消耗品などは、ネット販売比率が非常に低く、その中で最も高い比率となったDVDメディアでも、販売数量の割合で2.5%、金額の割合で4%にとどまっている。消耗品などがあまり伸びていない点については「企業向けの通信販売業者の影響が大きいのではと推測している」という。

DVDレコーダではHDD容量400GB以上の製品の割合がネット販売の方が高い 液晶テレビは30V型以上の割合がネット販売の方が高い 消耗品やメディアは販売比率が低い

□BCNのホームページ
(8月1日現在、この記事に関する情報は掲載されていない)
http://www.bcn.jp/
□関連記事
【6月15日】W杯でTVの大型化、レコーダのHD化が加速。BCN発表
-5月の液晶売上は25%増。日本の勝敗により変化も
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060615/bcn.htm

( 2006年8月1日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.