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TV遠隔視聴サービス「まねきTV」への仮処分申請が却下
-ロケフリを使った有料サービスに違法性無し


8月4日発表


 株式会社永野商店が展開している、ソニーの「ロケーションフリー」を利用したテレビの遠隔視聴サービス「まねきTV」に対し、NHKと民放キー局5社が「送信可能化権を侵害している」と訴えていた問題で4日、東京地方裁判所は申し立てを却下した。

 「まねきTV」は、ロケーションフリー用のベースステーションを個人観賞用に預かるサービス。ユーザーがサービスに登録し、自分でエアボードとベースステーションを購入。一式をまねきTVに送ると、ベースステーションをまねきTVが保管。設定を行ない、エアボード部のみをユーザーに返送するというもの。

 まねきTVで受信したテレビ映像をベースステーションでネット送信し、ユーザーは海外など、直接テレビが受信できない環境でも任意の放送局が遠隔視聴できるようになる。利用料金は入会金が31,500円、月額利用料が5,040円。エアボードから操作できるデジタルレコーダを預かるサービスも行なっている。

 これに対して、NHKと民放5社は「ベースステーションは自動公衆送信機能を有する装置であり、料金も単なるベースステーションの保管料に止まるものではなく、放送の同時再送信サービスへの対価であることは明らか。テレビ局が持つコンテンツの送信可能化権を侵害している」としてサービスの差し止めを求める仮処分を申し立てていた。

 しかし、東京地裁(高部眞規子裁判長)は「汎用品を利用したサービスであり、特別なソフトウェアも使用していない。1台のベースステーションからのデータを受信できるのは1台のエアボードやパソコンに過ぎず、自動公衆送信装置には当たらない」と判断。

 「ロケーションフリーテレビのNet AV機能を利用することが、テレビ局側の送信可能化権を侵害するものでない以上、まねきTVのサービスは、その利用を容易にしているに過ぎない」とし、差し止める請求権が無いとして却下した。

 この件についてまねきTVの永野周平代表は「ほぼ全面的にサービスの主張が認められた。法律的な問題も一先ず解決してより良いサービスの提供に全力をつくすことが出来る。だが、他の類似したサービスに関しては同様の決定が出るとは限らない」とのコメントを発表した。

□まねきTVのホームページ
http://www.manekitv.com/
□ニュースリリース
http://www.chronoworx.jp/maneki_tv/info/news.html
□決定文(PDF)
http://www.chronoworx.jp/maneki_tv/info/20060804.pdf

(2006年8月7日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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