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ヤマハ、スピーカー新シリーズ「Soavo」を発表
-ミッドレンジを重視しボーカル再現を追求


9月下旬より順次発売

標準価格(1台):78,750円~189,000円


「Soavo」ロゴ

 ヤマハ株式会社は、ボーカルなど中音域の再生能力向上を図ったフロア型スピーカー「Soavo-1」(ソアヴォ・ワン)を始めとする「Soavoシリーズ」4モデルを9月下旬より順次発売する。価格と発売時期は下表の通り。カラーは全モデルでナチュラルバーチ(MN)とブラウンバーチ(MB)を用意。

 会場には、ゲストとしてシンガーのアン・サリーさんが登場。「Soavo」のチューニングにも用いられた楽曲などのライブも行なわれた。


製品 型番 価格(1台) 発売時期
フロア型 Soavo-1 189,000円 9月下旬
ブックシェルフ型 Soavo-900M 78,750円 10月中旬
センター Soavo-900C 84,000円
サブウーファ Soavo-900SW 189,000円



■ Soavo-1

 3cm径ドームツイータ×1、13cm径ミッドレンジ×1、16cm径ウーファ×2で構成するフロア型の3ウェイ4スピーカー。ボーカルなど中音域のリアルな再現を図ったミッドレンジを採用したほか、平行面を排除したキャビネットや、フレア形状のバスレフポートなど、楽器作りの技術を生かしたという。

ブラウンバーチ(MB) ナチューラルバーチ(MN)


Soavo-1とアン・サリーさん

 ツイータはアルミダイキャストプレートとの一体型。アルミマグネシウム合金振動板とボイスコイルボビンを一体化し、情報量と解像度をアップさせたというDC-ダイヤフラムと、フェライトマグネットを採用する。

 ミッドレンジの振動板は、薄く射出成型した樹脂にパルプやマイカを混合し、剛性を保ちつつ軽量化を図った新開発の「A-PMD」(Advanced Polymer Injected Mica Diaphragm)で、エッジはSBR発泡ゴム。エッジワイズ巻きリボン線のボイスコイルや、アルミダイキャストフレームも採用する。

 マグネットはミッドレンジのみネオジウムで、理由は「声の帯域を担うため、質感やニュアンスの再現性に優れた内磁型を採用した」ほか、「ユニット径を小さくできることから、後方に出る背圧を逃がしやすくするため」だという。

 ウーファはA-PMD振動板を用いた2基構成で、同様にSBR発泡ゴムエッジや、エッジワイズ巻きリボン線ボイスコイル、アルミダイキャストフレームを採用。20mm厚のフェライトマグネットを搭載する。


ツイータはプレートと一体 ミッドレンジ(上)とウーファ(中、下)

 キャビネットは、剛性を保ちつつ側板の鳴きを均一にコントロールするという「バーチカルラダー補強」と、ツイータ/ミッドレンジ部とウーファ部を分割する「スラントパーティション」を採用。キャビネットの平行面を無くして定在波の抑制を図っており、ツイータとミッドレンジ部は密閉型、ウーファ部はバスレフ型となる。素材は表面にバーチ(樺)、内部にMDFを使用する。

 バスレフポートはフレア形状で、「ダブルウーファの重低音を最適にチューニングしたことで、豊かでハギレの良い再生をサポートする」としている。

キャビネットの内部構造 バスレフポート

 端子はバナナプラグ対応のネジ式で、バイワイヤリング対応。バイワイヤ接続にはショートバーではなく、内部配線材と同じジャンパー線を用いている。ネットワーク基盤にはSOLEN製コンデンサや空芯コイルを採用する。脚部はアルミダイキャスト製で、デザインした喜多俊之氏が「宙に浮いているような感じ」をイメージしたという。

端子部 脚部

 最大入力は200W、許容入力は50W。出力音圧レベルは89dB/2.83V(1m)。再生周波数帯域は35Hz~50kHz(-10dB)、35Hz~100kHz(-30dB)。インピーダンスは6Ω。クロスオーバー周波数は500Hz/5kHz。スタンドを含む外形寸法は349×487×1,051mm(幅×奥行き×高さ)、重量は27kg。



■ Soavo-900シリーズ

 ブックシェルフの「Soavo-900M」とセンターの「Soavo-900C」の基本思想は「Soavo-1」と共通で、DC-ダイヤフラム採用のツイータに、A-PMD振動板と、ダイキャストフレームなどを組み合わせた13cmミッドレンジユニットで構成。「Soavo-900M」のキャビネットも1と同様に平行面を無くしたデザインを採用する。

ブックシェルフの「Soavo-900M」(ナチュラルバーチ) 「Soavo-900M」(左)と「Soavo-900C」(右)のブラウンバーチ 「Soavo-900C」のナチュラルバーチ

「Soavo-900SW」

 サブウーファの「Soavo-900SW」はA-YST II技術を採用する。25cm径のF.B.Pダイヤフラムのユニットを出力600Wのデジタルアンプで駆動する。バッフルは37mm厚のリアルウッドで、不要な振動を抑え、剛性を高めているという。

 左右対称に設けた木製リニアポートには、自然対数に基づいたカーブを採用したことで、風切りノイズの低減を図った。リモコンで3ポジションの「B.A.S.S」切り替えが可能。


【主な仕様】
モデル名 Soavo-900M Soavo-900C Soavo-900SW
仕様 ブックシェルフ センター サブウーファ
ユニット ウーファ 13cm径コーン×1 13cm径コーン×2 25cm径コーン×1
ツイータ 3cm径ドーム×1
再生周波数帯域 56Hz~50kHz(-10dB)
56Hz~100kHz(-30dB)
18Hz~160Hz(-10dB)
インピーダンス
クロスオーバー周波数 3kHz
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
220×239×349mm 500×271×170mm 410×462×457mm
重量 6kg 8.6kg 32kg



■ アン・サリーさん「生の音を大切にする点で共通」

設計を担当した飛世真博氏

 設計を担当したAV事業部 商品開発部 ハードウェア開発グループの飛世真博氏は、「Soavo」のネーミングについて、「きれいな声を聴きたいという思いから始まり、イタリア語のSoave(優美な)とVoce(声・歌声)を合わせた造語で『Soavo』とした」と説明。

 なお、来春にも「Soavo-1」と同一のコンセプトに基づいたブックシェルフ型を予定しているという。

 会場には、ゲストとしてシンガーのアン・サリーさんが来場し、ライブを披露。サリーさんはSoavoについて、「CDを作る際に、できるだけ加工しない生の音を収めようと心がけているが、同じようなコンセプトで作られていることを知り、共通点を感じた」とコメントした。

 飛世氏は自身も2年ほど前からサリーさんの曲を聴き始めていたが、サリーさんが歌う「胸の振子」に感銘を受け、Soavo-1のチューニングでも同曲を用いたという。サリーさんは「CDは、できるだけ生の音を活かしたいと思って作ったが、それを感じ取ってもらえたのはうれしい」とした。

 さらに飛世氏は、Sound(音)の再生ではなく、Music(音楽)の再現を目指し、アーティストの“魂”がダイレクトに伝わるスピーカーを作りたいという気持ちで取り組んでいるとし、サリーさんも、「CDでは聴けない“魂”の部分をスピーカーを通してでも伝えようという開発者の心意気はすばらしい」とコメントした。

アン・サリーさんは、チューニングにも使われた「胸の振子」や、「over the rainbow」などを披露。マイクからの音はSoavo-1で再生された

□ヤマハのホームページ
http://www.yamaha.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.yamaha.co.jp/news/2006/06082501.html
□製品情報
http://www.yamaha.co.jp/product/av/prd/speaker/soavo-1/index.html

( 2006年8月25日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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