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TBS、およびBS-iにて放送中のアニメ番組や、今後放送予定の新番組などの情報を一度に紹介するイベント「TBSアニメフェスタ '06」が8月19日と20日の2日間、東京・文京区の文京シビックホールで開催された。
全席指定の有料イベントで、チケットは2,500円。2日間のステージ内容はほぼ同じであり、取材は20日に行なった。京都アニメーションの新作「Kanon」や、人気ゲームのアニメ化である「夜明け前より瑠璃色な」など、注目作品の第1話が上映されたほか、サプライズ発表として「デ・ジ・キャラット」の新作「ウィンターガーデン」も発表/上映されるなど、盛りだくさんの内容となった。
■ ハイクオリティを見せ付けた「Kanon」
10月からの新番組の中でもダントツの注目株は京都アニメーション制作の「Kanon」。「AIR」のクオリティの高さで注目を集めた京アニが、TV版「AIR」に引き続きKeyの名作ゲーム「Kanon」をアニメ化するということで、放送前から何かと話題の作品だ。 放送はBS-iにて10月5日から行なわれ、毎週木曜日の深夜25時の放送となる。AIRは1クールだったが、Kanonは2クール構成。AIRと同様にアニメ版もゲーム版と同じKeyの楽曲をBGMとして使用しているが、2クール構成になったことで使用楽曲も増加。アレンジバージョンなども投入されるという。 ステージは彩菜さんによるオープニングテーマ「Last regrets」、エンディング「風の辿り着く場所」でスタート。「7、8年前に作った曲。本当に久しぶりに歌ったので、歌う前は“大丈夫かな”と不安でした」と笑いながらも、堂々のステージを展開。「ゲーム版の時に作った曲が、アニメ化で再び主題歌として注目されて感激しています」と喜びを語った。
主人公の相沢祐一は、とある事情で雪の街にある、叔母の家に居候することになる。幼い頃にその街で過ごしたことがあるはずだが、何故か祐一には当時の記憶がほとんど無い。彼と出会うのは、祐一のいとこである水瀬名雪(みなせ なゆき)、たいやきが大好物で「うぐぅ」が口癖の月宮あゆなどの少女達。それぞれに複雑な過去を持ったキャラクター達が情感豊かな物語を紡いでいく。
上映された第1話の作画クオリティは非常に高く、舞い散る雪や夕暮れの描写の美しさが印象的。1話では名雪、あゆの2人がメインに描かれているが、表情や動きによる感情表現が豊かで、ゲーム版のファンも納得のスタートと言えるだろう。声の出演は堀江由衣さん、國府田マリ子さん、田村ゆかりさんほか。なお、相沢祐一役は「涼宮ハルヒの憂鬱」のキョン役でもお馴染みの杉田智和さんが担当している。
なお、放送に先立って8月25日には先行DVD「Kanon PRELUDE」(PCBX-50812/1,980円/初回限定生産)が発売される。ノンクレジットのオープニング/エンディングやプロモーション映像、スタッフインタビューなどを収録。絵コンテや設定資料集、カレンダーなども収録している。
□テレビアニメ版の公式サイト
■ 語尾に「にょ」を付けないデ・ジ・キャラット!? サプライズ発表された「ウィンターガーデン」は、ブロッコリーの看板キャラクターでもあるデ・ジ・キャラットの最新作。事前情報が無かっただけでなく、ハイテンションなデ・ジ・キャラット(以下でじこ)の10年後の物語であり、彼女の代名詞である語尾の「にょ」を封印。しかも物語がラブ・ストーリーということで、会場からはどよめきを含んだ歓声が上がった。 現在はアニメ制作進行中の段階。放送日などは未定だが、ステージでは完成した映像が上映された。10年前のでじこは、可愛らしい外見とは正反対の腹黒い性格が特徴だったが、「ウィンターガーデン」で描かれるでじこは大人しい性格で、ケーキ屋でアルバイトに励む日々。妹のプチ・キャラット(ぷちこ)とつましい生活を送っている。 クリスマスの夜に偶然出合った青年・拓郎との恋愛物語となっており、恋愛経験に乏しいでじこを、しっかりものの妹が後押ししていく。秋葉原を闊歩し、目からビームを発射していたかつてのでじこからは想像もできない純愛物語に驚くと同時に、非常に丁寧に描かれていくラブ・ストーリーに、意外性だけではない作品としての質の高さを感じる。桜井弘明監督は「いままでの“でじこ”と違うものを作るということが大前提」としており、その言葉通りの作品に仕上がっていきそうだ。
でじこ役の真田アサミさんは、“にょを言わないでじこ”について「ぶっちゃけて言うと、私のアイデンティティーは何処へ!? と思いました」と笑う。「でじこなんだけど違う子という気持ちもありますが、彼女の真っ直ぐさは受け継いでいる子だと思う。でじこが良い大人になったら、きっとこうなるだろうと考えています」という。作品については「本当に、見ていて恥ずかしくなるくらい純粋なラブストーリー。これからどうなっていくのか楽しみです」と感想を語った。 なお、タイトルの「ウィンターガーデン」は松田聖子さんの歌からとられている。作品では同曲を真田さんがカバーしており、ステージではライブも行なわれた。
■ 夜明け前より瑠璃色な ~Crescent Love~
オーガストの美少女ゲームを原作としたテレビアニメで、BS-iでは10月4日深夜2時30分から放送開始予定。チバテレビほか全国U局でも放送を予定している。 地球から月に移住した人々は、月面にスフィア王国を作り上げる。そして、地球との大規模な戦争が勃発。双方に大きな被害を出して終結し、両者の関係は冷え切ってしまった。舞台は月と地球を結ぶ唯一の窓口がある「満弦ヶ崎中央連絡港市(みつるがさきちゅうおうれんらくこうし)。普通の男子学生・朝霧達哉(あさぎり たつや)の家に、突然、月のスフィア王国からお姫様がホームステイにやってくることに。かくして、お姫様付きのメイドや、達哉の妹、友人らも巻き込んだ、恋と騒動の日々が幕を開けることになる。
ステージにはフィーナ姫を演じる生天目仁美(なばため ひとみ)さん、達哉の妹である
麻衣役の後藤麻衣さん、達哉の幼馴染・鷹見沢菜月役の氷青(ひょうせい)さん、フィーナ姫のメイド・ミア役の野々瀬ミオさん、達哉の従姉・穂積さやか役の黒河奈美さん、地球にある月王国の大使館に勤めるカレン役の浅川悠さんが登壇。作品にかける意気込みを語った。
生天目さんは、フィーナ姫を演じることについて「役の上でもお姫様を演じることができて嬉しい」とのこと。ホームステイの経験は無いというが、「知らない人の家にホームステイするというのは憧れます。そこに達哉君のような素敵な男の子がいたらいいなぁなんて思っています」と笑った。
□テレビアニメ版の公式サイト
■ あさっての方向。
「コミックブレイドMASAMUNE」で連載中の同名コミックのアニメ化。放送スタートはTBSにて10月5日、BS-iにて10月19日、MBSにて10月19日、CBCにて秋を予定している。 もうすぐ中学生になる女の子・五百川からだは、両親と死別して以来、兄の尋と二人暮らし。唯一の肉親である「ヒロ兄」に負担をかけたくないと感じていたからだは、早く「大人になりたい」と願い続けていた。そんな折、兄のかつての恋人・野上椒子が現れ、兄妹の穏やかな暮らしに波が起こる。過去にとらわれる椒子と、大人になりたいと願うからだ。そして、ある日突然からだの姿が大人に、椒子の姿が子どもに変わってしまう。
こちらも第1話が上映されたが、登場人物達の心情に重きを置いており、絵はアニメ然としているが、実写映画のような間の取り方や、しぐさ、シーン展開などが印象的。2人の女性の想いが交差するファンタジックなひと夏の物語に期待が高まるところだ。
□テレビアニメ版の公式サイト
■ そのほか 惜しまれつつ放送が終了したローゼンメイデン、およびローゼンメイデン・トロイメントだが、特別編である「ローゼンメイデン・オーベルテューレ」の制作が決定。放送時期は未定だが、ローゼンメイデン・キャラクターの中でも熱狂的なファンが多い水銀燈をメインにした作品のようだ。 それを暗示するかのように、ステージには水銀燈役の田中理恵さんが登場。「水銀燈の、今宵もアンニュ~イ」というラジオ番組(?)風のコーナーを展開し、寄せられた「カレーとラーメンが好きなんですが、どちらから食べたらいいでしょうか」などの相談ハガキに「知らないわよ! カレーラーメンにすればいいでしょ」、「乳酸菌でも摂ってなさい」などの冷酷な水銀燈節を炸裂。会場が揺れるほどの爆笑を誘っていた。
ほかにも、コミック「Venus Versus Virus」と4コマ「ひだまりスケッチ」の2本がテレビアニメ化決定。「英國戀物語エマ」の第2期シリーズ「メルダース編」の製作が決定したことも明らかになった。
□TBSアニメフェスタ '06の公式サイト
(2006年8月28日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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