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株式会社日立製作所は、プラズマテレビWoooシリーズの新シリーズ「Wooo 10000」3モデルの発表会を開催し、フルHD/60型の「W60P-XR10000」など3モデルを発表した。
■ 三番館稼働で他品種戦略。HDD内蔵率は70%に
ユビキタスプラットフォームのグループ長&CEOで、日立製作所執行役の江幡誠常務は同社の薄型テレビ戦略について説明。今後、注力するポイントとして、50型以上の「大型化」、フルHD化などの「高精細化」、「HDDレコーダ提案」、「ネットワーク対応」の4点をあげた。 大型化については、プラズマテレビ市場における50型以上の台数ベースの構成比は現在約20%だが、「2008年には40%を超える」とし、「市場全体も拡大するため、現在の200万台から600万台の市場になる」と大型化が今後も続くとの予測を示した。 国内市場でも、2006年度の26型以上の大型テレビの約4割が37型以上となっており、大型化が進行中と紹介。「大型テレビの常識は完全に変わった。プラズマでも50型以上は2004年から2006年にかけて、2倍以上に成長している」とし、「国内においても50型がスタンダードサイズになる」との見方を示した。
また、富士通日立プラズマディスプレイ宮崎工場の「三番館」が10月に本格稼働することに言及。現在、月産10万台のパネル生産能力を、10月の三番館第1期稼働で月産20万台に拡大。さらに2007年夏には月産30万台、年産360万台に強化する。
江畑常務は、「生産量はもとより、最大85型までのパネル生産が可能になる」と大型化と生産量の面でのメリットを強調。さらに、「(現行の二番館と平行して)2つの工場を効率的に運営できるようになることが、非常に大きい」と説明。三番館では42型を4面取、50型を3面取できるため、42/50型パネルなどのボリュームゾーンの製品を生産。二番館は37型HDパネルや、中国向けの42型HD、60型フルHDなどの他品種生産向けラインと位置づけ、市場や戦略にあわせたサイズ、パネル戦略が可能になると言う。 なお、フルHDモデルは、60型に続き、50型を2007年春、42型を2007年夏に投入する予定。さらに、三番館の稼働により、最大85型のフルHDパネルも実現可能となるが、「2007年以降の発売を検討している。ただし、市場性があるのか、未知数な部分もある。60型などの反応を見ながら検討をすすめたい」とした。
HDDレコーダ内蔵製品の積極展開も加速。「HDD内蔵の便利さを訴求した結果、予想以上に伸びた」とし、4月に投入したWooo 9000シリーズのプラズマモデルでは、HDD内蔵の構成比が7割を超えたことを明らかにした。併売されるWooo 9000シリーズとあわせ、16機種中の7機種で、HDDを内蔵し、年末商戦に向け、HDDの内蔵を積極的に訴えていく。 世界戦略については、2006年のテレビ事業の状況を「2勝2敗」と説明。「日本とアメリカにおいては、結果として売り上げも収益もいい方向。しかし、欧州では品揃えが足りなかった。中国では大型液晶が予想外に伸びて価格ダウンが厳しかった」という。 そのため、「コストダウンと品揃え」の2点を課題に掲げ、改善を進めていく。「原価は、当初予想より低減ができたが、それでも売価の下落に食われている。コストダウンを2007年度も推進したい」とした。 欧州を中心に品揃えの拡充も図り、HDD内蔵モデルの世界展開や、液晶も含めたラインナップの強化を図る。機種数も2007年度には前年比2倍に拡充する予定。そのため、現在の日本、中国、北米のほか、東欧に生産拠点を設け、2007年夏に稼働を目指し、「4極体制を確立する」。 収益については、「今期中、第4四半期(1-3月)には黒字化できる見込み。2007年度は通期での黒字化が達成できる」という。 また、液晶テレビ事業については、「シンプルでコストの安いモデルを目指していく。ただ、自分たちで全てやるのがいいのか、ODMやOEMの利用、あるいは他のテレビメーカー開発面での協力も検討していきたい。プラズマに関しては我々独自のものとしてリソースを集中していく」とした。
■ プラズマの魅力として「動画解像度」をアピール
また、日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ マーケティング本部の吉野正則部長は、新製品の特徴について解説するとともに、プラズマの優位性をアピールした。 吉野部長は。「消費者はプラズマに“高画質”というイメージを持っている」と切り出し、その理由として「動画解像度」を挙げて解説。実際に高速に移動するテストパターンを表示ながら液晶テレビと比較するデモなども実施し、「スポーツ映像の表示能力は、プラズマが液晶の2倍」とアピールした。 なお、Wooo 9000シリーズの液晶テレビ「W32L-HR9000/H9000」では、通常の2倍となる毎秒120フレームの映像を生成し、映像と映像の間に黒色の映像を挿入するインパルス駆動により、液晶の持つ残像感を大幅に低減する「倍速スーパーインパルス表示」を導入している。同製品については、「通常の液晶とプラズマの中間ぐらいの性能」と説明した。
また、HDDレコーダ機能のユーザーの反応としては、約7割が録画を「よくする」と回答。その理由として「操作が簡単」と挙げており、普段はDVDレコーダを利用しないユーザーにもテレビ内蔵のHDDレコーダが受け入れられていると、魅力をアピールした。
□日立製作所のホームページ ( 2006年9月26日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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