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CEATEC JAPAN 2006【記録メディア編】
マクセル、体積記録型カートリッジ「SVOD」を出展
-TDKの6層/200GB BD-Rもデモ


期間:10月3日~7日

会場:幕張メッセ

入場料:一般1,000円、学生500円


 3日に「CEATEC JAPAN 2006」が幕張メッセで開幕、7日まで開催される。ここでは記録メディア関連の展示を中心にレポートする。


■ マクセルは“体積記録型”の「SVOD」を出展

92μmと超薄型のSVODメディア。両面ディスク100枚の6.5cm厚カートリッジで940GBを実現する

 日立マクセルは、“体積記録型”の光ディスクカートリッジ「SVOD(Stacked Volumetric Optical Discs)」を参考出展している。

 体積記録型といっても、ホログラムディスクのような層の厚みを活かした記録を行なうわけではない。現行DVDの技術を踏襲して同等の色素などを使った92μmの超薄型化ディスクを独自のナノインプリント技術で実現。ディスク1枚の容量は4.7GBで、両面貼り合わせで9.4GBとなる。

 同ディスクを6.5cm厚のカートリッジに100枚収納し、940GBの容量を実現する。記録/再生には読み出しには専用のドライブ装置を利用する。

 通常のDVDは、記録層に0.6mm厚のポリカーボネード樹脂を2枚貼り合わせた1.2mm厚のディスク構造となるが、同社のナノインプリント技術を利用することで92μm厚を実現。記録層の色素などは従来のDVDとほぼ共用可能で、ドライブ側もDVDのコンポーネントの多くが利用できる。

 ドライブでは、カートリッジから任意の薄型ディスクを取り出すローディング機構のほか、SVOD読み出しに利用するガラス基板を備える。ディスクが非常に薄いため、歪みなく回転させて、記録/読み出しを行なうことが難しく、超薄型化ディスクの実現は困難だったという。マクセルでは、ガラス基板には3つの小さな穴を設け、そこから空気を噴出させて安定して回転させる機構を備え、SVODを実現したという。


SVODカートリッジ。Blu-rayベースの場合1枚25GB(両面50GB)で、カートリッジ容量は5TBとなる ドライブ部 SVODの解説

 ドライブをパソコンにUSBで接続することで、940GBの1つのディスクとして認識され、ディスクの切替などをほとんど意識することなく利用できるという。ただし、最大転送速度が約10Mbpsとなるため、高速転送が求められるような用途での利用は難しい。

 また、SVODはBlu-ray Discの応用も可能で、その場合は1カートリッジで5TBを実現できる。マクセルでは大容量のアーカイブ用途を中心に、ハイビジョン映像や、医療システムのハイビジョン記録などの利用を想定。そのため、ライトワンスメディアのみの対応とし、書換型は予定していない。

 ドライブや色素などはDVDから多くの技術利用が可能で、長期的にも部品供給が見込める。そのため、大容量の長期保存メディアとして提案していく方針で、2007年には量産試作製品を作り、実用化の道を探っていきたいという。

各ディスクごとに薄型のカバーが用意される ドライブ部。中央のカラス板と空気穴がSVOD実現のポイントという

 また、同社ブースでは300GB容量のホログラムディスクも参考展示。さらに、BD-RE DLやHD DVD-RWメディアなども出展している。

ホログラムディスクも出展 参考出展のBD-R DLやHD DVD-RWメディアなど


■ TDKは6層/200GB BD-Rを出展

6層/200GB BD-Rメディア

 TDKは6層/200GBのBD-Rメディアを参考出展。光透過率を高めた記録層を新開発したほか、記録膜やスペーサー層、カバー層を高精度で積み上げるレイヤースタック技術により6層記録を実現した。

 現行のBD-R(Ver.1.1)では、1層25GB、2層50GBのため、現行技術をそのまま利用した場合は6層でも容量は150GBとなる。同社が開発したディスクでは、新変調方式の採用により線密度を向上。1層33.3GB記録とすることで、6層200GBを達成したという。

 同社では、200GBディスクをBlu-ray Discの規格として提案。早期の規格化を目指すと共に、3年後を目処に実用化を検討していくという。ただし、多層化に加え、変調方式の変更などが行なわれると、従来のBlu-ray Disc製品での利用はできない。「多層化する時点で、現行機器との互換性維持は難しい。まずは大容量を訴えていきたいが、今後の規格化において議論をすすめていく」という。

 なお、書換型のBD-REについては、「透過率が上げにくく、3層でも実現は難しい。そのため当面BD-Rでの開発を進めていく」という。

光透過率を高めた記録層を新開発し、6層記録を実現 各層からの再生信号を表示するデモも行なわれている 200GBディスクの概要


■ その他

 太陽誘電のブースでは、BD-RやHD DVD-Rメディアを参考出展。そのほか、メモリーカードでも、8GBメモリースティックや、8GB容量のSDHCカードなどが展示されている。

太陽誘電もHD DVD-RやBD-Rメディアを参考出展 ハギワラシスコムは8GB SDHCを出展 メモリースティックPRO Duoも8GBに

□CEATEC JAPAN 2006のホームページ
http://www.ceatec.com/2006/ja/

( 2006年10月4日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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