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「CEATEC JAPAN 2006」が3日に開幕、7日まで開催される。各社の薄型テレビやBlu-ray Discなどの大きなトピックも多いが、これらの民生向け製品はHall 1からHall 4までの「デジタルネットワークステージ」に展示されている。 一方、電子部品やデバイスについては、Hall 5から7までの「電子部品・デバイス&装置ステージ」に出展されている。 ■ TDKはGMM素子採用スピーカーを出展
TDKは、電子部品・デバイス&装置ステージに出展。Blu-ray Discの参考展示のほか、まもなく自社ブランドで市場投入を予定している新スピーカーシステムを出展している。 参考出展しているのは超磁歪素子(GMM)を採用したフラットパネルスピーカー「Xa-160」。年内の発売を予定しており、価格は3~5万円前後の見込み。 同社ではNXT Surface Sound技術を利用したフラットパネルスピーカー製品を発売しているが、Xa-160はその「進化版」と位置づけられた2.1chスピーカーシステム。「AAPS(Advanced Acoustic Panel Sysytem)」と命名し、音場再生性能をアピールしている。 ボイスコイルが動き振動板を振幅させる従来のスピーカーとは異なり、GMMの素子自体が収縮し、GMMエキサイタを通じてフロントスピーカーとなる3mm厚のアクリルパネルを振動させて音を出す。GMMを採用した製品としてはFOSTEXの「eA(エア)」も同技術を用いているが、「エア」のGMM素子もTDKが開発したものを利用しているという。
ただし、机や床を振動板とするエアとは異なり、Xa-160では中高域特性を重視している。低域はサブウーファのほか、ウーファユニットを備え、中高域用にGMMを利用。特に高域の無指向性を目指したため、細長のGMMを内蔵した。アクリルパネルに密着させて、振動させ、パネル背面からも音が出るため、ほぼ無指向性の音場再現が可能となるという。フロントスピーカー部の再生周波数特性は200Hz~20kHz、サブウーファを含んだシステム全体の再生周波数特性は50Hz~20kHz。 3mmのアクリルパネルは有効振動面積が大きく、均一な音圧分布と中高域の無指向特性を実現。出力はフロントが10W×2ch、サブウーファが20W。入力端子はアナログ音声×3(ステレオミニ×1、RCA×2)。 PC向けやポータブルオーディオプレーヤーなどカジュアルな用途だけでなく、薄型テレビとの組み合わせも想定。「無指向性のため、映像もより立体的に感じるようになる」という。
■ CELLの12チャンネル連携表示など また、東芝はデバイスステージのブースにてCELLの開発者向けリファレンスセットを用いた12チャンネルのデジタル放送同時表示デモも行なわれている。 4台のCELLリファレンスセットに各3チャンネルづつのデジタルチューナを内蔵し、地上デジタル9チャンネル、BSデジタル3チャンネルの合計12のハイビジョン放送を同時にストリーム視聴できる。
CELLの分散協調プラットフォームをアピールするためのデモで、各CELLサーバーを寝室やリビングなどに設置していると想定。ある部屋ではテレビの1チャンネルを視聴しているだけの低負荷状態のサーバーの能力を他の部屋の出力に割り当て、12チャンネル同時表示を可能とする。 ■ フォスター電機は無線オーディオ「エスカルゴ」を展示
FOSTEXの親会社で、iPodの付属イヤフォンなど、ヘッドフォン関連で多数のOEM実績を持つフォスター電機のブースでは、多くの最新ヘッドフォンを参考出展している。 新開発のバイオダイナ振動板を採用した高級ヘッドフォンや、密閉型ヘッドフォン、Bluetooth伝送ユニットなどを出展。いずれもOEMでの発売を予定しており、価格などは未定。
また、「エスカルゴ」と呼ばれる小型の無線オーディオ伝送システムも展示。カタツムリ風のデザインが特徴のレシーバとトランスミッタから構成され、2.4GHz帯を利用した無線伝送でレシーバ、トランスミッタ間のオーディオ伝送を行なう。 無線伝送時にはロスレス圧縮を行ない、音声品質を維持。小型のため、ポータブルオーディオプレーヤーとイヤフォン間などの無線化が行なえる。バッテリも内蔵しており、約7時間の連続駆動が可能。充電は付属のUSB充電台を利用する。
■ LSI基板上に有機ELを実装
ロームは、LSI基板上に有機ELディスプレイを実装する技術を参考出展。LSI基板の上を直接ディスプレイにすることで、製品の実装面積の低減などが図れ、特にビデオカメラ、デジタルカメラ向けのビューファインダとしての応用を想定しているという。 有機ELは自発光のため、バックライトなどが不要。そのため、LSIの回路上にディスプレイを実装できたという。デモ用に320×240ドットのQVGAディスプレイを展示。ビューファインダとして利用するデモを行なっている。今後640×480ドットなどのより高解像度かも可能で、「技術的にはすでに製品化を目指せる。顧客の声を聞きながら、用途やコストなどを検討し、製品化を目指していきたい」としている。
■ 低価格デジタルテレビに向け、ソリューション提供も
STマイクロエレクトロニクスのブースでは、日本の地上デジタル放送向けソリューションなどを出展している。 同社のHDTVデコーダチップ「STi7710」の採用例として、アイ・オー・データ機器の「HVT-ST200」や、ユニデンの「DT100-HDMI」などの低価格チューナを展示。 いずれの採用製品でも、開発工程やコストの問題から、現在のところデータ放送向けのデータブラウザを備えていないが、今回、同社ではSTi7710にACCESSのデータ放送用ミドルウェア「NetFront DTV Profile」を搭載したソリューションを展示している。 同ソリューションを用いることで、大きな開発負担もなく、容易にフル機能のデジタルテレビが実現可能となる。ただし、「より高性能なCPUを搭載したプラットフォームより、表示速度などはやや遅く、チューニング段階」という。
また、ゼンテックのブースでは、日本のデジタル放送(ISDB-T)に対応した同社のデジタルテレビプラットフォームを用いた、韓国製のDVDレコーダや低価格STBなどを出展している。
□関連記事 □CEATEC JAPAN 2006のホームページ ( 2006年10月4日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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