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アミューズソフトエンタテインメント株式会社は、10月27日に劇場用アニメ「真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章」をDVD化する。ソフト化にあたって500カットにのぼる追加/修正を行なったほか、アフレコも新たに行なうなど、完成度を向上させた「ディレクターズカット版」としてのリリースとなる。 DVDは通常版に加え、特典ディスクを加えた初回限定版、フィギュアなどの特典グッズを同梱した2万セット限定の「完全数量限定版」の3種類を用意する。各バージョンの価格や品番は下表の通り。なお、レンタルのDVD/VHS版は劇場公開版となっている。
「北斗の拳」は、全世界での総発行部数が1億冊を超える原作・武論尊(ぶろんそん)、作画・原哲夫によるコミック。'84年、'87年に2度のテレビアニメ化され「ひでぶ」や 「あべし」、「お前はもう死んでいる」などの独特のセリフや断末魔の悲鳴は流行語にもなった。
その後もOVA化などのメディアミックス展開を続けている同作品だが、2006年から2008年までの3年間で、原作の物語を主人公・ケンシロウではなく、ラオウの視点で再構成し、劇場版映画とOVAで描くという「真救世主伝説 北斗の拳」プロジェクトが進行中。第1部「ラオウ伝 殉愛の章」は3月に劇場公開され、第2部「ユリア伝」はOVAで2007年2月23日に発売。以降、劇場版とOVAを交互に展開し、第5部で完結となる。 今回DVD化されるのは、第1弾として劇場公開された「ラオウ伝 殉愛の章」。物語を再構成するだけでなく、コミックやアニメでは削られたエピソードも追加。声優としてケンシロウを阿部寛、ラオウを宇梶剛士、レイナを柴咲コウが演じたことでも話題となった。 DVDの映像はビスタサイズをスクイーズ収録。音声はドルビーデジタル5.1chで収録。日本語字幕も収録しており「技の名前が大写しになる、オリジナルテレビシリーズを彷彿とさせる字幕」だという。特典ディスクには「武論尊×原哲夫×堀江信彦対談 おれの名をいってみろ!!」や、劇場公開までの軌跡を追った「真救世主伝説への道」、クリスタルキングの名曲「愛をとりもどせ!!」のミュージッククリップなどを収録する。
舞台は核戦争後の荒廃した近未来。暴力が支配する世界で、人々は希望を失っていた。そんな世でも千八百年の歴史を持つ究極の暗殺拳・北斗神拳の秘伝は、正統伝承者のケンシロウへと受け継がれていた。流浪の旅のなかで民衆とともに戦い続け、いつしか救世主と呼ばれるようになるケンシロウ。その前に、多くの民衆を奴隷として扱い、自らを聖帝と称する南斗聖拳最強の男・サウザーが立ちはだかった。
■ 試写会イベントが開催 DVD発売を控えた10月18日、東京・秋葉原の東京アニメセンターにて、ディレクターズカット版の先行上映イベントが開催された。原作者の武論尊さん、作画の原哲夫さんに加え、連載当時の担当編集であり、劇場版の製作総指揮も担当した堀江信彦さんも登壇。トークショーを展開した。特別ゲストとして、連載開始と同じ'83年に生まれたというグラビアアイドルの磯山さやかさんも参加した。
堀江さんはディレクターズカット版での再アフレコについて「ラオウ役の宇梶さんから、ディレクターズカット版で芝居をやり直したいという要望があり、宇梶さんの音声だけを全部録り直している」と説明。 武論尊さんは、「劇場版を観た時にラオウの声がダメだと言ったのは私。最初は宇梶さんに殴られるかなと思ったけど、本人からやり直したいと言ってくれた」という。再アフレコ後の演技については堀江さんとともに「ラオウになった」と太鼓判を押す。
500カットに及ぶというシーンのリメイクについて原さんは「様々な要望を出し、それを反映してもらえた。劇場公開版と比べ、クオリティは大きく向上している」と評価した。
男性にファンの多い同作品。磯山さんも漫画は読んだことがないというが「中学校のクラスでケンシロウの物真似をしている男子がいて、北斗の拳を知りました」と笑う。「今回劇場版を観賞して、壮大な物語に感動した。お気に入りのキャラクターはケンシロウ。阿部寛さんの声もマッチしていて、惚れたというか、のめり込みました」とのこと。ケンシロウの魅力については「素晴らしい肉体と、大切な人を守るために戦う姿」を挙げた。
磯山さんをはじめ、若い世代にも広く支持されていることについて武論尊さんは「作った時は10歳でした」と冗談で笑いを誘いながら、「当時、若い感性で取り組んだことが、今でも支持されている理由かもしれない」と分析。堀江さんは「磯山さんと同年代の娘がいるので、娘にそう言ってもらえたようで嬉しい」と顔をほころばせた。 最後に武論尊さんは「この作品は悲しみを背負った男女の生き様や愛を描いている。観て、泣いてもらえれば僕らの勝ちという気持ちで作っている。ぜひ楽しんで欲しい」とメッセージ。
堀江さんは「どんなに作りこんでも完全に満足することは無いが、今出来る限りのことはやった。良い物を観てもらいたいという執念が込められているので、それを感じて欲しい。第2部のOVA ユリア伝もほぼ完成し、第3弾の劇場版もシナリオは完成。絵コンテに入っている。作るごとに進化していくので、続けて楽しんで欲しい」と語った。
□「真救世主伝説 北斗の拳」の公式サイト
(2006年10月19日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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