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株式会社エフエム東京は17日、本格放送を行なっているデジタルラジオの同社3セグメントチャンネルにおいて、防災特別番組を放送。その中で、デジタルラジオのデータ放送を利用した緊急地震データを配信する実証実験を行なった。 これまでの地震情報は、地震が発生してから約3~4分後に情報が発表されていたが、2004年2月に気象庁が「緊急地震速報」の試験運用・配信を開始。これは、地震発生直後に、震源に近い観測点で観測された地震の初期微動(P波)を解析、その情報を強い揺れの主要動(S波)が到達する前に、各地に配信するというもの。これにより、各地で地震の揺れが来る前に情報が入手できるほか、推定震度や余裕時間を計算して通報できるようになった。 デジタルラジオでもこのシステムを利用。震源に近い観測地点で観測されたP波のデータをもとに、ラジオ端末が存在する地点でどのような影響があるかを計算。S波がその場所に到達する前に警告を発するという。 初期微動のデータを伝送する方法としてはインターネットを用いたものが実用化されているが、遅延が少ないほど良いことから、デジタルラジオでの伝送に優位性があるという。なお、この研究はデジタルラジオニュービジネスフォーラムの「防災情報データ配信ワーキンググループ」にて、パシフィックコンサルタンツなどとともに共同で実験・事業開発が行なわれてきた。 17日の午後12時から放送された防災特別番組「DIGITAL TOKYO FM News Channel スペシャル番組」では、災害時緊急速報以外にも、データ放送で避難指示やライフライン情報を提供するシミュレーションも実施。緊急地震速報の実験の模様を映像で紹介するコーナーも設けられた。 さらに、午前11時から放送された第1部「あの時、ラジオは」では、阪神淡路大震災で得た教訓や、災害時のラジオの重要性などを考察した。
デジタルラジオは放送であるため、通信メディアと異なり、災害発生時に回線パニックを起こさず情報の提供が可能。また、災害時に不可欠なエリア別情報の提供ができ、データ放送を併用することで聴覚が不自由な人にも情報が提供できる。同様に多言語対応も可能など、災害時の情報ツールとしても期待されている。
□TOKYO FMのホームページ
(2007年1月17日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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