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日本テキサス・インスツルメンツ株式会社は25日、1080p対応するテレビ向けビデオデコーダチップ「TVP9010」を発表した。北米のデジタル放送規格であるATSCや欧州のDVB-Tに準拠しており、「TVP9010」と開発用プラットフォームのサンプル出荷は既に開始している。 また、デジタルテレビ向けのオーディオ製品として、DSPにAD/DAコンバータを搭載した「TAS3208」も同日に発表。ホームオーディオ向けに高精度なADC/DACを採用する「TAS3204」と共に量産出荷を開始している。
■ TVP9010
地上デジタル放送のATSC(北米規格)やDVB-T(欧州規格)に準拠する1チップビデオデコーダ。なお、日本のISDB-T方式はサポートしていない。2005年秋より一部メーカー向けに提供し、200万個以上出荷されたという「TVP9000」の後継製品で、従来は1080iまでの対応だったが、新たに1080pもサポートした。 そのほか、コンポジット入力からの3次元YCデコーダを搭載した点や、IP変換やスケーラなどに新開発のアルゴリズムを採用、3次元走査線補間によるジャギー低減や、カラー補正機能などを改善したことが主な特徴。2画面表示機能も追加されている。 また、画像特性のパラメータはテレビメーカー側が調整可能となっており、他社との差別化を図ることができるとしている。
ATSC対応テレビ向けに開発プラットフォームも用意。8-VSB/QAM復調装置や、同日発表の「TAS3208」によるオーディオ処理、電源管理などの同社技術を採用している。さらに、TVP9010を採用するATSC/NTSCコンバータボックスの開発プラットフォーム「TVP9007」も供給中。低価格なコンバータボックス製品の実現に貢献するとしている。 なお、日本の地上デジタルテレビへの方式であるISDB-Tへの対応については「TVP9007は国内メーカーに対しても、米国向けテレビ製品において採用されるように提案していく」(同社ASP事業部長 神部肇氏)としており、時期などは明らかにされていない。
□ニュースリリース
■ TAS3208
2006年に発売した「TAS3108」の後継となる、5.1ch出力対応のデジタルテレビ向けオーディオSOC(システム・オン・チップ)。48bit/135MHz動作のDSPと、AD/DAコンバータを搭載する。テレビメーカーに採用された前モデルでメーカー側から寄せられた意見を採用し、テレビ向けに最適化したという。5.1chまでの出力をサポートする。 また、ホームオーディオ用の「TAS3204」は、基本構成は同じだが、ダイナミックレンジの高いAD/DAコンバータを採用した製品。2系統のステレオI2S入力と出力を備え、「バイアンプ駆動や2.1chスピーカー構成に最適」としている。 イコライザやトーン、ボリュームなど基本的なオーディオ機能を備えるほか、ドルビーやSRSなどのサラウンドアルゴリズムや、TI独自の低域拡張技術、バーチャルサラウンド機能にも対応可能。 ソフトウェア開発用ツールとして、ドラッグ&ドロップ操作によるGUIを備えた「PurePath Studio」を用意。開発の簡素化や期間短縮を実現するという。
□ニュースリリース
□日本TIのホームページ ( 2007年1月25日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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