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ソニーは、高音質と省スペース性を兼ね備えたというピュアオーディオ用コンポの新シリーズ「System 501」を3月10日に発売する。2chのデジタルプリメインアンプ、SACDプレーヤー、ブックシェルフスピーカーの3製品をラインナップ。組み合わせての使用を想定しているが、いずれも単品で販売される。各モデルの価格は下表の通り。
上質な音楽でリスナーの心を豊かにするという、「PURE HEART AUDIO」や「大人のコンポ」をコンセプトに掲げたシリーズ。スピーカーを含めた各コンポーネントの奥行きを30cm以内、アンプとプレーヤーの本体幅は28cmとコンパクトにまとめることで「本棚にも設置できるサイズを実現した」(同社)という。また、2mm厚の高剛性シャーシを採用し不要振動を抑えている。
■ TA-F501 定格出力50W×2ch(6Ω時)、最大出力75W×2ch(同)のステレオプリメインアンプ。独自の32bit、フルデジタルアンプの「S-Master PRO」を採用。リンギングノイズを排除し、S/N感の高い音質を実現したという。 また、上位モデル「TA-FA1200ES」(157,500円)やAVアンプなどに採用されている自動音場補正機能の「D.C.A.C.」を装備。2個のマイクを付属し、高速にスピーカーの距離と音量バランスを整えられる。設定方法はエンジニア・リファレンス、フルフラット、オールイコライザーオフの3パターンから選択可能。 2chアンプだが、ドルビーデジタルやDTS、AACに対応したデコーダも装備。デコード後にステレオ信号にダウンミックスして出力可能。DVDやデジタル放送も高音質で2ch再生できるという。
音質と小型化を両立するため、全ての信号回路を1枚の基板上に構成。コネクターを経由せずに信号劣化を抑え、ノイズの影響も排除している。電源基板はメイン基板の上にレイアウト。新開発の専用パルス電源を採用したことで、音質向上と小型化に貢献した。 周波数特性は10Hz~40kHz(±3dB/8Ω)。S/N比は96dB。入力は光デジタル×1、同軸デジタル×3、アナログ×3、フォノ(MM)×1。出力は光デジタル×1、レックアウト×1。消費電力は60W。外形寸法は280×286×111mm(幅×奥行き×高さ)、重量は4.6kg。リモコンも付属する。
■ SCD-X501 コンパクトなSACDプレーヤー。DACには「スーパーオーディオD/Aコンバータ」を採用。1つのIC内に複数の1bit DACを内蔵したもので、各DACの出力をIC内部で加算することで歪みを平準化している。さらに、マスタークロックもDAC間近に搭載。ジッタの少ないクロック信号に基づいて動作する。
SACD再生時のダイナミックレンジは100dB以上、全高調波ひずみ率は0.003%以下。CDでは96dB以上/0.0035%以下となる。出力は光デジタルと同軸デジタルを各1系統用意。さらに、アナログ出力は2ch用と5.1ch出力を備え、SACDのマルチチャンネル出力が行なえる。 筐体には2mm厚の金属ベースを使用したFBシャーシを採用。基板は真鍮製の支柱で固定している。外形寸法は280×267×111mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約3.9kg。電源ケーブルは着脱式。
■ SS-K10ED
2ウェイ2スピーカーのブックシェルフタイプ。口径はウーファが12cm径、ツイータは2.5cm径のドーム型。ウーファの振動板には軽量なアラミド繊維を使用。トランジェントの良い再生が可能だという。フレームはアルミダイキャストを採用している。 ツイータはカーボン・グラファイト・コンポジット振動板を使用。SACDの再生を考慮し、高域を70kHzまで再生できる。全体での再生周波数帯域は45Hz~70kHz。クロスオーバー周波数は3kHz。
インピーダンスは8Ω。エンクロージャはバスレフ。曲げ木の技術を使った曲線のあるフォルムで、内部の定在波の発生を抑制。キャビネットでの音の回折も防いでいる。仕上げは黒のピアノフィニッシュ。外形寸法は194×282×348mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1台約4.9kg。
■ 「映像におけるハイビジョン」をオーディオで目指し展開
ソニーマーケティングの取締役常務 鹿野清氏は、「2006年まではBRAVIAやBlu-rayのハイビジョンで多くの人に映像で感動を届けて来たが、2007年はオーディオにおいても新しい軸と付加価値を提供する」として新製品を紹介。 主なターゲットは団塊世代となるが、「日頃時間のない30代以上も含め、いい音を聴きたい人は多くいるが、価格で手が出ないということがあるため、単品販売だがセット価格を意識した」としており、発売当初は月間2,000セットの販売を目指す。海外では6月より欧州での販売を予定。 また、新製品のキーワードとして掲げた「PURE HEART AUDIO」について鹿野氏は「エンジニアのハートを形にする一方、ピュアオーディオ製品を待っている層のハートに応える」と説明。製品のシリーズ化については「今日は全てを見せられないが、今回のセットでマーケットを拡大する事により、そのユーザーを狙った商品群を投入する予定」と述べた。
(2007年2月8日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp/nakaba-a@impress.co.jp]
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