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日本放送協会(NHK)は9日、ハイビジョン対応の超高感度カメラを開発したと発表した。 NHKと日立国際電気、日本テキサス・インスツルメンツとの共同開発によるもので、撮像素子には、CCDを高感度対応した「2次電子増倍型CCD(EM-CCD)」を採用。 EM-CCDでは、素子に入射した光を電荷変換し、読み出し部に転送する際に電荷量を増倍することで、感度を向上しており、電荷転送部の駆動電圧が高くなるため、高速駆動が必要なハイビジョン化は困難とされていた。 今回は独自の「水平2線読み出し」技術などを開発。水平転送CCDを通常の1線から2線にすることで、増倍部の駆動周波数を従来の半分に低減。ハイビジョン化を可能とした。 今回開発したカメラは、2/3型 FIT 100万画素のEM-CCDを搭載し、通常のハイビジョンCCDカメラの約10倍の感度を実現。 通常のCCDカメラ並みの小型化を実現しており、外形寸法は140×240×155mm(幅×奥行き×高さ)、重量は3.6kg。
映像出力はHD-SDIを2系統装備。撮影モードは「可視光モード」と、「可視光~近赤外モード」の2種類で、可視光モードの感度は2,000ルクス/F32。 最低被写体照度は0.24ルクス/F1.4で、近赤外モードでは、近赤外線のみのモノクロ撮影が可能。近赤外線の照射により、夜行性動物に気付かれることなく生態撮影を行なうことなどが可能で、科学番組や自然番組の制作、緊急報道などの幅広い用途での利用に期待されているという。 なお、今回開発したカメラは、NHK渋谷放送センターで2月11日~14日まで開催する「第36回番組技術展」で展示される。入場料は無料。 □NHKのホームページ ( 2007年2月9日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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