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ソニーは、東京・銀座の「ソニービル」8階のイベントスペース「ソミド・ホール」をリニューアル、3月7日よりコミュニケーションゾーン「OPUS」(オーパス)として一般公開する。
ソミド・ホールでは、これまでアーティストによるライブや、同社製品を使用した試聴会などが行なわれていたが、「OPUS」では4K SXRDプロジェクタと200型スクリーン、7.1chサラウンドシステムを備え、より映像と音楽のリアルな体験を追求したスペースとして生まれ変わった。 名前の「OPUS」は音楽用語で“作品”を意味しており、ホールは繭をイメージした楕円形となっている。収容人数は最大約180名。面積は約200m2。エントランス付近のホワイエには、VAIOを用いたインターネットコーナーも用意する。 なお、今後の具体的なイベント内容などは明らかになっていないが、8日からは、ソニーが持つ映像/音楽コンテンツをホール内で再生し、自由に体験できるスペースとして公開される。
ホールのメインディスプレイには、デジタルシネマ向けプロジェクタ「SRX-R110」を採用。200型/2,570×4,694(縦×横)のアクリル製スクリーン「ブルーオーシャン」に背面から投射するリアプロジェクション方式となっている。 レンズは単焦点だが、プロジェクタを載せた新開発の架台をスライドすることで、150~200型で調整が可能。デジタルシネマのコンテンツサーバには、同社の「メディアブロック」(LMT-100)を使用する。 背面透過型スクリーンの「ブルーオーシャン」は、15mm厚のアクリル無垢材を2枚重ね、間に2mm厚の拡散樹脂を挟んだ板材を使用。微粒子の拡散と、平滑性の高いアクリルの組み合わせにより、黒の階調と深みのある映像を実現するという。角の4カ所のみで壁面にホールドされており、一見すると自立しているようなデザインとなっている。
音響面では、サラウンドスピーカー13台、SRスピーカー2台を装備しており、最大7.1chのサラウンドが利用可能。 また、「音がパラボラアンテナのように集まってしまう最悪の環境」(ソニーPCL事業本部クリエイティブ事業部の藤井暁事業部長)という楕円の形状に対し、壁面の吸音/反射パネルで対策。120枚の吸音パネルと20枚の反射パネルを立体的かつランダムに組み合わせたことで余分な反響を低減、最適な音場を実現したという。
■ 盛田氏の意見を継承、“胎内の居心地”を表現
OPUSを運営するソニー企業株式会社の齋藤惠治社長は、「ソニービルは、ソニーグループの情報発信拠点として活動してきたが、これをさらに強化する」と設立目的を説明し、家庭では体験できない4K SXRDプロジェクタなどの魅力をアピールした。 一方で、「OPUSはシアターでも音楽ホールでもない、新しいコミュニケーションゾーン。最新情報を知るスペースとして、グループが持つ映画や音楽、ゲームなどの紹介や、エレクトロニクス製品のイベントなどを通じ、利用者とソニーをつなぐ場」と述べた。 設計を担当した、ソニーPCLの藤井氏は、以前のソミド・ホールも担当。「(創業者の)盛田昭夫さんの前でプレゼンしたところ、何日も徹夜してできた案を『まるっきり違う。この銀座の一等地に枯れ葉でも撒いて、散歩してもらうような気持ちで考えてくれ』と言われた」と当時を振り返った。
藤井氏は、OPUSの設計においても「これをできるだけ継承したいというコンセプトで企画した」としており、快適なスペースで映像と音楽を楽しんでもらいたいという意味から「母親の胎内にいる胎児の居心地の良さを表現した」という。 6日に開催されたプレス向けの発表会では、ジャカルタで行なわれたジャズフェスティバルから帰ったばかりというジャズギタリストの小沼ようすけ氏が来場。ライブ演奏を行なった。 小沼氏は「演奏していると、場所により何らかのストレスを感じることがあるが、この空間で演奏していると、繊細な音まで自分に返ってくるようで、気持ち良く演奏できる」とコメント。演奏にはマイクを使っていたが、「生音でも音が隅々まで届く」とマイクを外した即興演奏も披露した。 また、会場入りした際にスター・ウォーズのデモ映像が流れているのを見て、「何回も見ている映像なのに2、3分見とれ、現実離れしているような感覚を体験した」と映像についても評価。「映像とコラボレーションした演奏もやってみたい」と意欲を見せた。
□ソニーのホームページ ( 2007年3月6日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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