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ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(ブエナ・ビスタ)は13日、2007年の春から初夏にかけて発売を予定しているDVDビデオやBlu-ray Discビデオのラインナップ、マーケティングプランなどを販売店向けに説明する「2007 SPRING CONVENTION」を東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催した。 その中で、スタジオジブリの作品としては初めてのBDビデオとなる「イバラード時間」を7月4日に発売する事が明らかになった。価格は片面1層ディスクで4,935円。DVD版も同時発売を予定している。主な仕様は下表の通り。
DVDビデオと同じ、「ジブリがいっぱいCOLLECTON」としてDVD/BDビデオ化される「イバラード時間」は、画家の井上直久氏が監督した新作。イバラードとは、井上氏が描き続けている幻想世界を意味しており、その作品は、ジブリの劇場用アニメ「耳をすませば」の中でも使われている。 新作「イバラード時間」は「映像画集」とジャンル表現されているもので、具体的にはイバラードの風景画の中から63カ所の風景を井上氏自身が厳選。絵画をデジタルデータ化し、カメラワークで動きをつけて編集。さらに、打ち寄せる波や風に揺れる木々、電車などをCGで追加。また、スタジオジブリのスタッフが2Dのアニメーションでキャラクターも書き加えており、イバラードの世界を旅しているような気分が味わえる作品になっている。
また、井上氏の友人である音楽家の松尾清憲氏と小室和幸氏が音楽を担当。DVD、BDビデオともに全8曲を収録したサウンドトラックCDを同梱するのも特徴となっている。DVD/BDビデオには特典として、井上監督らによるコメンタリーと、音楽エンジニアによるビデオ日記などを収録する。
■ 「BD vs HD DVDのフォーマット戦争は決着した」
これに関連して、ブエナ・ビスタの高橋雅美マーケティングディレクターは、次世代DVD市場の動向を説明。「皆さんはBDとHD DVDのフォーマット戦争が決着していたことをご存知ですか?」と切り出し、BCNランキング2月のプレーヤー販売シェアデータで、BD95%、HD DVDが5%になったと紹介。 「この数字には100万台生産出荷しているPLAYSTATION 3が含まれていない。BDビデオ再生対応のレコーダ/プレーヤー 10万台を合わせると、既にBDビデオには110万台という市場がある」と語り、BDビデオは販売店とコンテンツメーカーが協力して開拓すべき、有望な新市場であると訴えた。
また、5月に発売される「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ2作品のBDビデオ化など、ブエナ・ビスタとしてのBDラインナップを紹介。6月以降も秋にかけて、BDビデオタイトルの拡充を本格的に開始することを明らかにした。
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■ ドラマシリーズにも注力
映画(ライブアクション作品)やディズニーアニメに続く重要な商品ジャンルとして、引き続き海外のテレビドラマシリーズにも注力。現在同社がDVD化しているドラマでは「LOST」や「デスパレートな妻たち」などが人気だが、新たにディズニーチャンネルで放送しているドラマ作品のDVD化を日本でスタートさせる。 第1弾は「ハイスクール・ミュージカル」という作品で、5月23日発売。収録時間は約98分で、価格は3,360円。NHKでもオンエアされたドラマで、アメリカの高校が舞台。バスケ部のキャプテン・トロイが、少女ガブリエラと出会い、歌う楽しさやミュージカルの魅力に目覚める。そして、周囲の人々を巻き込みながら、恋に歌に踊りにと青春を爆発させるという内容。
アメリカを中心に世界のティーンから人気が高く、日本でも舞台版の上演が決定するなど、ムーブメント化を図っていく。
■ 1つ1つの作品を大事にプランニングする
塚越隆行日本代表は伸び悩んでいるセルDVD市場について「現状の厳しさは、販売店様が一番良く感じておられるはず。こんな時期だからこそ、ブエナ・ビスタとしては1つ1つの作品を大事にプランニングし、DVD市場を支えるヘビーユーザーに喜んでもらえる商品を提供し、そこからミドル/ライトユーザーにも広げていかなければならない。Blu-ray Discといった次世代のメディアも今後は重要になっていくだろう」と語る。
また、ブエナ・ビスタの今後としては「5つのカテゴリが支えとなる」と説明。具体的には(1)ディズニーやピクサーのアニメーション作品、(2)パイレーツ・オブ・カリビアンなどのライブアクション作品、(3)TV on DVDで展開する海外テレビドラマ、(4)「ハイスクール・ミュージカル」でスタートしたディズニーチャンネルのコンテンツ、(5)スタジオジブリの作品を挙げた。
□ブエナ・ビスタのホームページ
(2007年3月13日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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