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ビクター、倍速駆動/10bitパネル搭載フルHD液晶テレビ
-IPSパネル採用の37/42/47型。「倍速」でシェア10%へ


6月下旬より順次発売

標準価格:オープンプライス


 日本ビクター株式会社は、120Hz倍速駆動により残像感を低減するフルHD液晶テレビ「エグゼ LH805シリーズ」を6月下旬より順次発売する。47型「LT-47LH805」と、42型「LT-42LH805」、37型「LT-37LH805」の3モデルを用意し、価格はいずれもオープンプライス。

 発売日や店頭予想価格は下表のとおり。

型番サイズ発売時期店頭予想価格
LT-47LH80547型6月下旬53万円
LT-42LH80542型8月上旬45万円
LT-37LH80537型35万円

LT-47LH805 LT-42LH805 LT-37LH805

LH805シリーズ。左から42型、47型、37型

 パネルサイズ以外の基本仕様は共通で、液晶パネルに1,920×1,080ドットの「10bitフルハイビジョン倍速IPSパネル」を搭載。さらに、「倍速フルハイビジョン対応ドライバー」を搭載し、120Hz駆動による残像感低減技術を同社のフルHD液晶テレビで初めて導入した。

 倍速駆動/表示は、通常の60フレーム映像から中間フレームを生成し、120フレームの映像を表示することで、残像感の原因となるホールド表示時間を半減する技術。新たに「予測生成アルゴリズム」を強化したほか、新映像エンジン「倍速GENESSA」により、画像の特徴検出精度を高め、生成する中間フレームをより正確に表現可能とした。

 既存のWXGAパネル採用の倍速駆動対応エグゼでは、前後のフレームの周辺映像から各800画素/合計1,600画素の情報を処理して中間フレームを作り出していた。フルHDモデルでは、5倍の前後各4,000画素/合計8,000画素の情報からより正確な中間映像を生成し、表現力を高めているという。

 同社ディスプレイカテゴリー 商品企画室 主席の山崎雅則氏は、「最近はどのメーカーも倍速表示を手がけているが、われわれは2004年から他社に先駆けて取り組んできた。この(中間フレーム)生成の精度の高さが、ボケの少なさだけではく、色の明るさ、くっきり感などに寄与する」とビクターのアドバンテージを訴えた。

他社製品と比較して、画の消え際や変化するポイントで表現力の違いを強調 写真で見ると120Hz表示(左側)がぶれているように見える。液晶は表示データを書き込んでから次のデータを書き込むまで、表示を保持(ホールド)するため、通常の液晶テレビはそのホールドした状態を撮影できる。一方、倍速駆動技術はこのホールド状態を人間の視覚で知覚できないようにするため、表示映像を静止画で切り出す場合にはぶれているように写る フルHD倍速技術の解説

 液晶パネルも倍速表示に対応するほか、10bit広色域パネルとし、階調表現や色再現性を向上させた。10bit表示に対応することで、グラデーションの表現力を高めたほか、色再現範囲もNTSC比で約102%に拡大している。駆動モードはIPSで、視野角は上下/左右178度。

 10bitパネルや倍速駆動のために映像エンジンも「倍速GENESSA」に強化。32bit CPUによる特徴抽出など、倍速表示時の映像再現力を高めたほか、シーンの輝度情報を細かく分析しバックライト制御を行なうことで、コントラストの向上も図られた。

 なお、ゲームモードなど、倍速表示のオフや映像処理をスキップしてフレーム遅延を軽減する機能は備えていないが、「他社に比べてかなりフレーム遅延は少ない」という。

10bitパネルを採用 LH805シリーズの画質強化ポイント 倍速GENESSAを搭載

 チューナは、地上/BS/110度CSデジタルと地上アナログに対応。EPGはG-GUIDEの「テレビ番組ガイド」で、3/6/9チャンネルの表示切替が可能となっている。

新開発のツィンオブリコーンスピーカー

 ボディは従来機より約20%スリム化したフレームを採用し、光沢仕上げのブラック塗装を施すなど、大画面を際立たせるデザインとした。スピーカーはアンダースピーカー型で、新設計の「ツィンオブリコーンスピーカー」を左右独立したバスレフボックスに内蔵。出力は10W×2ch。

 従来モデルでも採用していた、小型スピーカーで低音を増強する「MaxxBass」だけでなく、高域再生性能を高める「MaxxTreble」、ステレオ感を高める「MaxxStereo」、急峻な音の変化を抑える「MaxxVolume」の4つの“Maxx”からなる「Maxx Audio」に強化。新設計のスピーカーとあわせて帯域信号や用途に合わせた音響設定を可能とした。


4つのMaxxからなる「MaxxAudio」を新搭載 MaxxTrebleの特徴

 また、視聴モードとして、テレビ/シネマ/シアタークール/シアターウォーム/ダイナミックの5つを装備。映像を見る明るさやソフトの内容にあわせて、リモコンの「明/暗ボタン」で、切替可能となっており、映像だけでなく音質も用途に合わせたチューニングにワンボタンで変更できる。

 ニュースやセリフが聞きとりやすくする「きき楽」機能や、リモコン操作で表示されるGUIから操作方法を確認できる「画面で見るマニュアル」なども装備。周囲の明るさに合わせた自動輝度調節なども備えている。

明/暗ボタンで視聴モードを切替 各視聴モードの詳細 画面で見るマニュアルも装備

3系統の1080p対応HDMI入力を装備

 SDカードスロットを備え、JPEG静止画の表示に対応。Ethernet端子も備え、テレビ向けのネットサービス「アクトビラ」にも対応している。さらに、DLNA Ver.1.0もサポートし、PCなどのDLNAサーバー上のメディアファイルをネットワーク経由で再生できる。なお、DTCP-IPには対応していないため、デジタル放送録画番組などのネットワーク視聴は行なえない。

 1080p対応のHDMI入力(Ver.1.3)を3系統装備し、HDMIリンク機能(CEC)もサポート。CEC対応レコーダ/プレーヤーの連動電源OFFやDVD自動再生などの連動動作などを可能とした。なお、DeepColorには対応しない。

 そのほかの入力端子として、D4×1、コンポーネント×1、コンポジット×3、アナログ音声×3を装備。i.LINK入出力も2系統備えている。光デジタル音声出力やモニター出力端子、ヘッドフォン出力装備する。

 消費電力は47型が319W(待機時0.2W)、42型が255W(同0.2W)、37型は未定。年間消費電力量は47型が265kWh/年、42型が205kWh/年、37型は未定。スタンドを含む外形寸法/重量は47型が112.1×29.6×77.4cm(幅×奥行き×高さ)/34.2kg、42型が100.7×29.6×70.7cm(同)/28.4kg。37型は90.1×65.1×23.0cm(同)/未定。


■ 「究極の表現力」をアピール。「倍速」でシェア10%を目指す

皆川カテゴリー長

 同社ディスプレイ事業グループ ディスプレイカテゴリー長の皆川弘美氏は、テレビ市場において、液晶テレビの割合が2007年には市場の約81%の723万台に、2009年には約85%の830万台になると予測。特に近年37型以上の割合が増えていることから、「37型以上に力を入れていく」とし、新シリーズ「LH805」を紹介した。

 倍速駆動に取り組んで「三代目」という実績について言及し、「この倍速技術が世に認められてきた。他社も取り組みを進めているが、ビクターの倍速テレビを訴えていく」と説明。さらに、「LH805は、フルHD、10bit、倍速、IPSパネルの4拍子をひとつのセットにまとめた世界初の製品。究極の表現力を訴えていく」と画質へのこだわりをアピール。WXGAとフルHDの「倍速2ライン」を柱に「37型以上で国内台数シェア10%以上を狙う」と目標を語った。

□ビクターのホームページ
http://www.victor.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.victor.co.jp/press/2007/lt-47lh805.html
□製品情報'LT-47LH805)
http://www.victor.co.jp/tv/lt-47lh805/index.html
□製品情報(LT-42LH805)
http://www.victor.co.jp/tv/lt-42lh805/index.html
□製品情報(LT-37LH805)
http://www.victor.co.jp/tv/lt-37lh805/index.html
□関連記事
【1月29日】ビクター、倍速120コマ表示で残像感抑えた液晶TV「エグゼ」
-42/37/32V型の3モデル。WXGAパネル採用
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070129/victor.htm

( 2007年5月24日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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