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松下、超小型スピーカーで豊かな低音再生を実現
-「ナノベースエキサイター」。従来比2倍の低域音量


7月30日発表


 松下電器産業株式会社は30日、超小型/薄型スピーカーでも、より原音に忠実な低音再現が可能になるという再生方式「ナノベースエキサイター」を開発。ホームAV用スピーカーや携帯端末用スピーカーなどに使用していくと発表した。

 低音の音量を、同社従来比で最大2倍にするという再生方式。細孔をナノサイズで最適化した多孔性カーボン素材を用いることで、エンクロージャ内部の空気分子密度をコントロールするのが特徴。

 通常、低音再生時には振動板が大きく振動することで、エンクロージャ内部の空気圧が一時的に高まる。それによって振動板の動きが制限されてしまうため、エンクロージャ内の空気が少ない小型スピーカーでは低音の再生能力が不足するという問題があった。

 ナノベースエキサイターでは、多孔性カーボン素材で空気分子を吸着することで、エンクロージャ内の圧力を低下。小さなスピーカーでも、大きなエンクロージャと同じ振動板の運動が実現できるという。

 なお、これまでもカーボン素材をエンクロージャ内に配置する技術が試みられてきたが、800Hz程度の高い周波数では空気分子を吸着しにくく、携帯端末用の超小型スピーカーでは十分な効果を得られず、ホームAV向けスピーカーの部の機種のみにしか採用されていなかったという。

 そこで松下電器では、原音に忠実な低音再生に必要な材料の物理条件(素材/形態など)を決定する、音響材料解析・設計技術を投入。直径数nm~数10nmの微細な穴が多数存在する多孔性カーボン素材へと辿り着き、その最適な加工方法も生み出したという。

 エンクロージャにはパッシブラジエーター方式を採用。多孔性カーボン素材によって増加された低音振動がパッシブラジエータに伝達され、ユニットとパッシブラジエーターの両方から豊かな低音を再生。低音域の音量を最大2倍にしたという。

 現在は実用化に向け、ホームAV機器や携帯端末などへの展開を検討中。「ホームAV用のみでなく、携帯端末用の超小型スピーカーでも、ホームAV用と同等の効果を実現できる」としている。

□松下電器のホームページ
http://www.panasonic.co.jp/index3.html
□ニュースリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070730-2/jn070730-2.html?ref=news

(2007年7月30日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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