|
松下電器産業株式会社は、SDメモリーカードに1,920×1,080ドットのMPEG-4 AVC/H.264動画記録が可能なSDムービーカメラを発売する。縦型の「HDC-SD7」と、横型の「HDC-SD5」の2モデルを用意。発売日はSD7が9月8日、SD5が8月25日。価格はどちらもオープンプライス。4GBのSDHCカードを同梱しており、店頭予想価格はどちらも14万円前後の見込み。
4月に発売された「HDC-SD3」の後継モデル。最大8GBまでのSDHCカードが使用可能で、縦型のSD7はフルHD対応ビデオカメラとして世界最小/最軽量を実現。外形寸法は52×87×110mm(幅×奥行き×高さ)で、本体のみの重量は約290g。バッテリとカードを含めると350g。SD5もSD3と比べ、体積比約80%、重量比約79%に小型/軽量化。65×135×67mm(同)、重量は約340g(本体のみ)/約400g(撮影時)となっている。
筐体デザイン以外の主な仕様は共通。CCDは従来と同じ3CCD方式のテルニオンCCDを採用しているが、素子のサイズが1/4型から1/6型へと小型化。総画素数は56万画素×3で、画素ずらしでフルHD録画を実現。有効画素数は動画/静止画とも52万画素×3(16:9)。
レンズは新設計のライカディコマーレンズで、光学10倍ズーム。F1.8~2.8で、35mm換算の焦点距離は動画時で42.9~429.0mm(16:9)、静止画時で42.9~429.0mm(16:9)。光学式手ブレ補正機能も「アドバンスド O.I.S」へと強化されており、従来は480回/秒だった振動の検出回数を4,000回/秒に向上。補正精度を高め、ブレを従来比1/3に低減。この検出回数はデジタルカメラのLUMIXと同じだという。 高画質LSI「HDクリスタルエンジン」も処理能力が向上しており、ノイズリダクション機能を強化。視覚に近いコントラスト補正を行なう機能も追加。1画面を複数のエリアに分けて輝度情報を検出することで、明暗が混在するシーンでも黒つぶれや白飛びを抑えるという。
記録モードは「HGモード」(1,920×1,080ドット/約13Mbps)、「HNモード」(1,440×1,080ドット/約9Mbps)、「HEモード」(1,440×1,080ドット/約6Mbps)を用意。4GBカードの場合HGモードで約40分、8GBでは約1時間30分の撮影が可能。 また、録画ボタンを押してから3秒前に遡って記録できる「プリREC」機能も追加。スタンバイ状態で「プリREC」ボタンを押すと、メモリに3秒間撮影した映像をバッファし続ける状態となり、録画ボタンを押すとその瞬間から3秒前の映像も録画される。「運動会などで決定的瞬間を逃さない」という。 液晶モニタは2.7型ワイド(約30万画素)。最低被写体照度は5lux(カラーナイトビューモード時は1lux以下)。インターフェイスはAV出力、HDMI出力端子を装備。USB端子も備えており、新たにUSBホスト機能をサポート。同社がPC向けに販売している外付けDVDマルチドライブ「LF-P968C」とUSB接続することで、PCを介さずに、SDカードからDVD-RAM/RW/R、DVD-R DLメディアへのダビングが行なえる。 撮影したSDカードは従来モデルと同様、VIERAのPZ700シリーズでダイレクト再生可能。VIERA Linkもサポートしている。また、付属ソフトが「HD Writer 2.0J for SX/SD/DX」にバージョンアップ。新たに、カメラをPCに接続した際、SD/DVDに記録したAVCHD映像をカメラから直接再生できるようになった。また、AVCHDで記録した素材をMPEG-2に変換し、DVDビデオとして書き出しも可能。動画から210万画素の静止画を切り出す機能も備えている。
付属のバッテリを使った連続撮影時間は約1時間25分。大容量バッテリも使用できるが、SD3と同様に別売のバッテリーパックホルダーキット「VW-VH04」が必要。SD7/SD5の電池蓋に切り欠きが設けられており、そこからバッテリホルダへと延長ケーブルを延ばす接続となる。
なお、オプションとして0.7倍のワイドコンバージョンレンズ「VW-W3707H-K」(23,100円)と、1.4倍のテレコンバージョンレンズ「VW-T3714H-K」(25,200円)も用意。SD5/SD7/SX5の3モデル共用となっている。
□ニュースリリース
■ 8GBのSDHCカードが登場
また、スピードクラス「6」に対応した8GBと4GBのSDHCカードも9月15日に発売される。さらに、クラス「4」の4GBカードも同日発売。価格はいずもオープンプライス。店頭予想価格はクラス6の8GB「RP-SDV08GK1K」が3万円前後、4GB「RP-SDV04GK1K」が15,000円前後、クラス4の4GB「RP-SDM04GK1K」が8,500円前後の見込み。 3モデルとも新たに、ラベルシールに書き込みスペースを設けており、タイトルやメモ書きに利用できる。クラス6カードの転送速度は最大20MB/秒、クラス4は10MB/秒となっている。
なお、前述のSD5/SD7/SX5は8GBまでのカードに対応可能。従来モデルのSD3などは4GBまでの対応だが「8GBカードが揃い次第テストを行ない、使用可能な場合はWebサイトなどでアナウンスする」という。また、SD5/SD7/SX5は標準で4GB SDHCカードを同梱しているが、これはクラス4スピードタイプとなる。
□ニュースリリース
■ DIGAでもハイビジョンムービーをサポート パナソニックマーケティング本部の平原重信副本部長は、DVテープ、DVD、HDDなどの記録媒体とSDメモリーカードの特徴を比べ、ムービーカメラ向けの媒体であるとアピールする。「メカレスだから小型/軽量化が可能。モーターが無いので起動が速く、メカレスなので堅牢性もある。さらに、デファクトスタンダードであるSDカードは入手性や価格も安い。これらがSDカードフルハイビジョンムービーが主流になるポイントだ」という。 さらに、今後も16GB、32GBといった大容量SDHCカードの投入が予定されていることも紹介。「HDDに負けない容量を安価に実現できる」と、今後の展望を語った。 また、撮影後の再生が手軽に行なえるとし、VIERA「PZ700シリーズ」でのダイレクト再生などをデモ。さらに、今後発売されるハイビジョン対応のDIGAでは、ムービーで記録したフルHD映像の保存・再生に対応する予定であると発表。 平原副本部長は「安価なDVDメディアでフルHDが楽しめるようになることで、ハイビジョンのビッグバンがはじまるだろう」と予測した。
□松下電器のホームページ
(2007年8月1日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|