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ソニーの「Rolly」を写真と動画で詳しく紹介
-踊らせると可愛く思えてくる不思議なたまご


9月29日発売

標準価格:オープンプライス
    (直販価格39,800円)


 ソニーが10日に発表した、サウンドエンターテインメントプレーヤー「Rolly」(ローリー/SEP-10BT)。音楽に合わせて踊るなど、“アクティブスピーカーのカタチをしたロボット”とも言える新しいジャンルの製品だけに、文字だけではその特徴が伝わりにくい。ここでは写真や動画を交えて、「Rolly」を紹介したい。

 外形寸法は65×104mm(直径×幅)のたまご型。カラーリングも白を基調としているため、外観的には少し大きめのニワトリのたまごにそっくりだ。表面はツルツルとした光沢仕上げで、重量は300g。見た目やカラーリングから連想するよりも重く、表面の感触や、各部パーツの工作精度の高さとも合わせて、手にとると“おもちゃ”っぽい感覚はまったく無い。

見た目やカラーリングから軽いイメージがあるが、手に取るとズッシリとした重みを感じる 側面。右側に見えるのはスピーカーを覆うフタの蝶番だ 底面には電源用端子も見える。別売のクレードルを用意することで、載せるだけで充電が可能になる

 筐体をグルリと取巻くように装着された、ゴム製のホイールが特徴。このホイールにより前後への移動、回転などを行なう。さらに、ユーザーがRollyを動かしたことも、このホイールから検知。その動きに合わせて音量調節や楽曲の送り/戻しなどを行なう。

 スライド式の電源スイッチをONにし、本体中央のプレイボタンを押すと音楽がスタート。左右に設置されたアームと呼ばれるフタが開き、中から20mm系のスピーカーユニットが現れる。設置した床面を反射板として使用しているため、見た目よりも低音が出ることに驚かされる。

 ユニットを水平対向配置しているため無指向性スピーカーのような広いサウンドステージを持ち、左右のチャンネル間が狭いため、正面に顔を持っていくとステレオ感も豊かだ。アクティブスピーカーとしても十分な再生能力だ。アンプは1.2W×2chのデジタルアンプで、解像感も高い。

中央にあるのがプレイボタン。音楽やモーションの再生/停止、Bluetoothのペアリングなどを行なう。ボタンはこれのみ スライド式の電源スイッチ。ON/OFF/Bluetoothモードの3つが切り替えられる USB端子。PCやNETJUKEと接続する際に利用する。バスパワーでの充電も可能

 楽曲の転送はUSB経由で行ない、転送ソフトには「SonicStage CP Ver.4.3」を使用する。後述のダンス機能を、ユーザーが曲ごとにカスタマイズできるソフト「Motion Editor Ver.1.0」も付属する。内蔵メモリは1GBで、ATRAC3/ATRAC3plus/MP3/AAC(非DRM)の再生が可能。連続再生時間は5時間だが、ダンスをさせると約4時間となる。

スピーカーは左右に装備。アームと呼ばれるフタでカバーされており、音楽再生中は開く。モーション中は名前の通り、腕のようにパタパタと開閉する 音楽再生中の基本スタイル。置いた床を反射板として使用しているため、想像以上に低音が出る。ユニットを水平対向配置とすることで、左右チャンネルのピッチは狭いものの、ステレオ感は豊か

 基本操作は、本体を前後に少し動かすと「曲の送り/戻し」、大きく動かすと「グループの移動」に切り替わる。「少し」と「大きく」の境目は曖昧だが、動かされたことを検知するサウンドが鳴るため、その音の種類により曲送りができたか、グループ送りになったかが判断できる。

動画サンプル

sony2_1.wmv (63.4MB)
【再生~ボリューム調整】

 ディスプレイなどが無いため、ダイレクトに目的の曲を再生することはできない。また、前後への操作も慣れるまでは動かし過ぎてしまうことなどもあるが、操作自体はRollyと戯れているような感覚なので、「グループ移動じゃなくて曲移動だよ」などと笑いながら叱りたくなる。プレーヤーとしての操作性の良し悪しよりも、操作の過程を楽しみたくなる製品だ。

 また、ボリューム調整が非常に面白い。Rollyを掴んで時計回りに回すとアップ、反時計回りでダウンとなる。しかし、例えば45度回転させると、音量は大きくなるものの、Rollyがそっぽを向いてしまうことになり、音が直接届かなくなってしまう。しかし、一瞬の間を置いて、音量を固定したまま、Rollyはリスナーの方向(回転前の方向)に向きなおる。リスナーの方に自分で顔を向けるスピーカーというのは初かもしれない。非常に健気な動作だ。

 なお、縦に立てて持っての操作も可能。Rolly自身が向きを検知し、ホイールの操作が縦用モードに切り替わる。上側のホイールを回すと曲送り/戻し、大きく動かすとグループ送り/戻しだ。下側がボリュームの増減。素早く操作したい場合は、縦モードを使用することになる。

イルミネーションはブルーやオレンジ、グリーンなど、色に変化する 立てて持たれたことを感知し、ホイール操作が自動的に縦用モードに切り替わる。プレイボタンをダブルクリックした後、本体を上下に振るとシャッフルモードに切り替わる

動画サンプル

sony2_2.wmv (86.9MB)
【ダンス】

 Rolly最大の特徴でもあるダンスは、音楽の再生中にプレイボタンをダブルクリックすることでスタートとなる。楽曲の途中でダブルクリックしても、ダンスは曲の頭から披露してくれる。一旦アームが閉じてスピーカーが隠れ、一拍置いてからダンス開始。「それではご覧ください」と言っているような動作だ。

 アームの開閉だけでなく、ホイールを使った前後移動、回転、イルミネーションの変化など、持てる可動パーツをフルに使ったダンスが披露される。アームを互い違いに動かしながら後ずさるなど、その表現力は極めて豊かで、アイデアに富んでいる。アームの開閉により音がこもったり、開放されたりという、音質そのものの変化もダンスのアクセントになっている。

 モーションは専用ソフト「Motion Editor」でユーザーがカスタマイズ登録が可能。楽曲解析機能を利用して、オートで動きを登録することもできる。この解析機能は本体にも内蔵しており、モーションを登録していない曲でも曲調に合わせた動きを披露してくれる。Bluetoothモードでスピーカーとして動作しながらの即興ダンスも可能だ。

ダンス中のRolly。アームとホイール、イルミネーションを駆使して、様々な動きを披露してくれる。なお、落下/衝突防止センサーなどは備えていないため、狭い机の上でダンスさせる時は注意が必要だ

 アクティブスピーカーでも無く、ポータブルオーディオプレーヤーでもない。一番近い製品ジャンルとしては、音楽を奏でるバンダイのミュージシャンロボ「LITTLE JAMMER」や、懐かしの「フラワーロック」になるだろうか。しかし、動きの多彩さや、ユーザーの操作に対する反応、カスタマイズ性の高さなどを考えると、まったく違うジャンルの、新しい製品と言っても過言ではないだろう。

 個人的には、アームをパタパタと動かしてユーザーを楽しませる姿は、ガンダムに登場したマスコットロボ「ハロ」を彷彿とさせる。機能的にも“玩具”よりも“ロボット”と表現したほうがイメージ的にしっくりくる。

 放っておいても一生懸命踊るその姿は、時間が経つにつれ非常に愛らしく感じてくる。そもそも歌って踊るプレーヤー/スピーカーがこれまでほとんど無いため、コストパフォーマンスは判断しづらい。ユーザーを選ぶ商品だと思われるが、Rollyを少しでも「可愛い」と感じる人ならば、「音楽との新しい付き合い方」を提供してくれる“たまご”になる可能性を秘めている。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200709/07-0910/
□製品サイト
http://www.sony.jp/products/Consumer/rolly/index.html?j-short=rolly

(2007年9月10日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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