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アドビ システムズ株式会社は14日、映像関連ソフトの製品発表会を開催した。発表会では、11月中旬発売予定のマルチトラック対応オーディオソフト「Audition 3」や、映像編集ソフト「Premiere Pro CS3」のアップデート版に関する説明やデモなどが行なわれた。 また、2007年内に正式発表予定の企業向け映像配信システム「Flash Media Server 3」の機能紹介や、無償配布のFlashプレーヤーソフト「Adobe Media Player」に関する情報などが公開された。
■ Premiere Pro CS3が「P2カム」にネイティブ対応
同社では、Premiere Pro CS3の無償アップデートを9月下旬に公開する。最新バージョンの3.1では、松下電器産業の業務用ビデオカメラで採用するP2カードに記録した映像ファイルのネイティブ編集が可能になった。 P2カムで撮影したDV25/DVCPRO 50/DVCPRO HDなど全ての映像フォーマットに対応。これらMXF形式のファイルをトランスコードなどを行なわずに、直接読み込める。 MXFファイルに含まれるメタデータを維持したまま読み込めるほか、これらメタデータを利用したクリップ検索やソート、管理なども行なえる。Premiere上では、DV/HDVなどの異なるフォーマットと同一のタイムライン上で編集が可能。
編集後の映像ファイルはP2カードにMXFファイルとして書き出すことが可能で、メタデータもそのまま維持できる。そのほか、オーサリングソフト「Encore CS3」を利用してBlu-ray Discへ書き出したり、FLVファイルへの変換なども行なえる。 なお、ビデオエフェクトツールの「After Effects CS3 Professional」でも、10月中にP2対応のアップデータの提供を予定している。
そのほか、ソニーの業務用ビデオカメラで採用する「XDCAM」への対応についても説明が行なわれた。P2カードのようなネイティブ対応については、将来のバージョンで予定しているが、現時点では具体的なプランは決定していないという。 現時点では、Main Conceptが提供する別売のプラグインソフト「MPEG PRO」(63,000円)が、10月下旬公開のアップデータでXDCAMのフォーマットに対応する。そのため、XDCAMへの対応については、同社でもこのプラグインを推奨していくとしている。
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■ Flash Media Server 3は年内発表。プレーヤーは2008年初春公開 同社が企業向けに提供する映像配信システム「Flash Media Server」の最新バージョン「Flash Media Server 3」についても紹介された。2007年内の正式発表を予定しているが、発売時期や価格などについては未定。 独自の通信プロトコル「RTMPE」を採用する映像配信システム。暗号化処理を施すことで、コンテンツ保護を強化し、より安全にストリーミングコンテンツの配信が行なえるとしている。 SWFファイルの検証機能も搭載。配信したSWFファイルとのハッシュをチェックすることで、改ざんされたSWFファイルが別のホストから再生できないようにコントロールできる。 新たにH.264フォーマットもサポート。既存のiPod用ポッドキャスティングコンテンツなどを再エンコードせずにストリーミング配信に利用できるという。H.264による映像配信の視聴環境については、後述の「Adobe Media Player」のほか、従来同様、ブラウザを利用した「Flash Player」も利用可能だが、現在開発中の最新バージョン9.x(コードネーム:Moviestar)へのアップデートが必要となる。 配信時のパフォーマンスも向上。前バージョンと比較して同時接続ストリーム数が2倍に増加したとしている。 モバイル環境については携帯機器向けFLASHプレーヤーソフト「Flash Lite 3」搭載の携帯電話端末を利用したFLVファイルのダウンロード/ストリーミング再生などにも対応。なお、Flash Lite 3搭載端末については「年内には市場に登場してほしい」としている。
PC上で動作するFlashプレーヤーソフト「Adobe Media Player」についても紹介。2007年秋中にベータ版を公開し、正式版は2008年初春に無償配布する。
Flash形式の動画ファイルをストリーミング/ダウンロード再生が可能なプレーヤーソフトで、Flash Media Server 3からの配信映像の再生に対応するほか、RSSを利用したビデオポッドキャスト映像配信などにも対応。 同社が開発したPCで利用可能なアプリケーション実行環境「AIR」(Adobe Integrated Runtime)を採用し、AIRを利用した他のアプリケーションとの連携などが可能。 Flash Media Server 3との連携により、サーバー上から視聴者数や視聴回数のチェックなどが容易に行なえる「効果測定機能」を搭載。ストリーミング再生時だけでなく、ダウンロードしたファイルのオフライン時の再生回数などもチェックできる。 そのほか、広告を含むコンテンツから広告のみを取り除くといった改ざんを防止する機能や、ダウンロードしたクライアントでのみ再生が行なえるIDベースのコンテンツ保護にも対応する。
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■ Audition 3は“オーディオのプロ”向けソフト
オーディオレコーディングやミキシング、編集、マスタリングなどが可能な統合オーディオソフト「Audition 3」についても説明が行なわれた。 11月中旬発売予定で、価格は40,950円、アップグレード版は14,490円。対応OSはWindows XP/Vista。 編集ビューのインターフェイスを改良し、使い勝手を向上。マルチトラック編集に対応するほか、VSTiプラグインもサポートする。
サウンドのスペクトル表示機能なども備え、視覚的に音声の編集が行なえる。エフェクトについても「アナログディレイ」や「コンボリューションリバーブ」などの新エフェクトを搭載。
ミキシングエンジンはマルチプロセッサに最適化することで、処理速度を高速化している。 同社では、オーディオソフト「Soundbooth CS3」も発売しており、これら2製品の違いとして「Audition 3は、レコーディングなど、オーディオ編集がメインとなる“オーディオのプロ”向けソフト。Soundboothは、オーディオ制作経験のないプロのビデオ編集者向けソフト」(古村氏)と説明している。
□関連記事 □アドビシステムズのホームぺージ ( 2007年9月14日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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