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第40回東京モーターショーが10月26日~11月11日まで(一般公開27日~)幕張メッセで開催される。24・25日は報道関係者向けのプレビューを行なっており、各社のコンセプトカーや、'08年の新モデルが披露された。 カーAV関連では、'07年の年末向けナビ製品や、新インターフェイス採用のコンセプトモデルなどが展示。自動車本体だけでなく、未来のカーエンタテインメントも体感できる内容となっている。
■ 松下
カーAVの目玉として、車載Blu-ray Discプレーヤーを参考展示。実際にBDビデオの映像を再生、HDMI接続した7型ディスプレイに映像を表示、コンポジット接続の映像と比較展示していた。発売時期や価格などは未定。デモ再生では音声は2chだったが、製品化の際にはサラウンド再生を実現する見込み。BD-JAVAなどもサポートする予定。
また、ワンセグチューナの新製品として、リアビューカメラ用のモニタに追加する小型製品も参考展示した。 11月に発売予定の「GP-PD107」は、ナビを利用せずにリアビューカメラが使えることを目的とした3.5型液晶ディスプレイ。価格は39,800円前後の見込みで、主に小型自動車向けとし、女性ユーザーの利用を想定している。ワンセグチューナは2008年に発売予定で、「単純に追加した場合は約2万円上乗せされるコストをどのようにつめるかが検討課題」だという。
■ ボーズ
9月に発表された「フェラーリ612スカリエッティ エンハンスト」に搭載されるオーディオシステムを展示。 同車に標準装備されるHDDナビ一体型のAVシステム。HDD内蔵メインユニットに加え、80mm径の中高域スピーカー×3、36mmツイータ×2、165mm径と80mm径のウーファ×各2、アンプ内蔵の255mm径サブウーファ、スイッチングアンプ搭載の130mm径サブウーファの計11スピーカーで構成する。 ヘッドユニットの操作性を重視しており、2つのロータリースイッチをメインとしたクラシカルなデザインながら、手を近づけると「プロクシミティ・センサー」(近接感応センサー)が認識して自動でメニューを拡大表示。ノブの外側で大分類、内側で小分類の検索を行なうことで選曲が容易に行なえる。
DVDレシーバ部は、CDやDVDビデオ再生に加え、DVDオーディオやSACD再生にも対応。ディスクに記録されたMP3/WMA/AAC再生も行なえる。CDからHDDへのリッピングも可能で、「uMusic(ユー・ミュージック)」機能により、ユーザーが好みとする曲調の楽曲をランダムに再生することも可能。 そのほか、iPod内の楽曲再生が行なえるDock接続ケーブルも標準で装備。また、携帯電話とのBluetooth接続でハンズフリー通話も可能となっている。 「フェラーリ612スカリエッティ エンハンスト」発売は2007年12月末を予定。車両本体価格は32,970,000円。
■ パイオニア
運転席のインパネ部への採用を想定する、3D映像を用いたインターフェイスを提案。正面中央に3D映像を表示、底面のタッチパネルと併用して操作するシステムとなっている。 音楽再生では、3Dで表示されるジャケット画像を手のひらで左に払うような動作により、再生を開始。また、表示しているメニューをキャンセルする場合は、手のひらを右のゴミ箱アイコンに向けて払う。3D映像が視認できる推奨角度は左右10度。
入口正面の展示では、IEEE 1394でフルHD映像を伝送する技術を紹介。通常はメインユニットからメイン/リアモニターや各スピーカーにそれぞれケーブルを配線するが、今回の展示では、独自端子のIEEE 1394ケーブルでデイジーチェーン接続することで、フルHDのMPEG-2を伝送するシステムをデモ展示。 ケーブルは光ファイバーまたはメタル素材が利用可能で、比較的取り回しのしやすい光ファイバーは市販向けに、メタルケーブルはOEM向けに提供することが想定されている。
そのほか、ドライバーや同乗者とコミュニケーションを取ることができるという「車載ロボット」を参考展示。台座の上を360度回転できるペンギンのような形をしたロボットで、左右の羽根と、カメラ内蔵の頭部を動かすことが可能。ドライバーをカメラで識別、乗った人に合わせた挨拶をするほか、加速度センサーにより急発進などを感知すると、不安になったりすねたりすることでドライバーに安全運転を促すという。 さらに、カメラで車外の風景を解析、興味のあるものを撮影したり、信号の変化を教えるといった機能も搭載。リクエストに応じてドライバーや同乗者の写真を撮るといった動作も行なえる。
■ ケンウッド
DLNAを用いたネットワークシステムを紹介。ポータブルオーディオプレーヤーやノートパソコンなどをサーバーとして、HDDに収められた楽曲をワイヤレスでカーオーディオに伝送/再生できる。 デモでは、同社のポータブルオーディオプレーヤーにDLNA準拠のワイヤレスユニットを組み込んだプロトタイプから、1DINサイズのレシーバに楽曲を伝送・再生。ポータブルプレーヤー以外にも、家のガレージに車を入れたり、友人の車と近づけたりすることなどでネットワーク化、楽曲などを共有するといった使い方も想定する。
同じDLNA対応ワイヤレスモジュールを用いて、ホームオーディオとの連携も隣に展示。フラッシュメモリ内蔵の小型オーディオプレーヤーを専用クレードルに装着するこどで、ミニコンポへの無線伝送を可能にする。こういったDLNA機器は、通常は製品ごとに認証を受ける必要があるが、小型モジュール自体がDLNAに準拠することで、最終製品は書類のみの申請で済むこともメーカーにとってメリットになるという。 AVインターフェイスの新提案として、横長のオンダッシュディスプレイと、手元のリモコンで直感的に操作できるというシンプルなシステムも提案。コンセプトは“~ 視線の先に、音とクルマの未来を 201X ~”としており、2010年代の実現を目指している。
■ 日産
日産は、この日最も注目された新型「NISSAN GT-R」を披露。12月6日の発売がアナウンスされ、価格はスタンダードモデルが777万円、Black Editionが792万7,500円、Premium editionが834万7,500円。 「NISSAN GT-R」は、クリーンルーム内で1人の匠の技によって組み立てられ、全数性能検査してから出荷されるというエンジンとトランスミッションを搭載。ボディにはカーボンやアルミ、スチールを最適に配置。サスペンションとの一体化設計などにより路面や天候、ドライバーを問わずに最高のパフォーマンスを発揮できるという。ナビのHDDは30GBで、操作はタッチパネル。Premium editionは、11基のスピーカーで構成するボーズのサウンドシステムを標準装備、「スーパーカーにふさわしいサウンド」としている。 DVD部はDVDビデオや音楽CDのほか、DVDオーディオ再生にも対応。Bluetoothのハンズフリー通話にも対応。ディーラーオプションで、地デジの12セグ+ワンセグチューナも用意する。
■ 新PS3の展示も
ソニー・コンピュータエンタテインメントは、2008年度発売予定の「グランツーリスモ 5」のプレ発売イベントとして、「『グランツーリスモ 5 プロローグ』:次世代カーライフ体感アリーナ」と題し、PS3による高精細なグラフィックや挙動をアピールするブースを展開。 実車を模したコクピット型試遊台でプレイできるコーナーや、PS3のコントローラで遊べる試遊台を用意。PS3用に体験版が配布されている“オンラインカーライフシミューレータ”「グランツーリスモ 5 プロローグ」の製品版を先行プレイ可能。 同ブースには、11月11日より発売される40GB HDDの新PS3も展示。触れることはできなかったが、初登場となる「セラミック・ホワイト」と「クリアブラック」の2台が従来モデルと合わせて展示されている。
□東京モーターショーのホームページ ( 2007年10月24日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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