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月周回衛星「かぐや」、世界初の月面ハイビジョン撮影に成功
-直径107kmの巨大クレーターなど、動画/静止画公開


第1回目に撮影された動画から切り出された静止画。北極付近を撮影している
11月7日発表


 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、日本放送協会(NHK)は7日、9月に打ち上げ、10月18日に高度約100kmの月周回観測軌道に投入した月周回衛星「かぐや(SELENE)」から、世界初のハイビジョンによる月面撮影に成功したと発表。その動画と静止画像を公開した。

ハイビジョンカメラの外観(「かぐや」搭載前)
 9月14日に打ち上げられた「かぐや」には、NHKが開発した宇宙仕様のハイビジョンカメラが搭載されている。既報の通り、地球から約11万km離れた宇宙空間で、地球のハイビジョン撮影に成功。10月1日にその画像が公開されていた。

 今回撮影されたのは月面で、10月31日に高度約100kmから、2回にわけて撮影。1回目は「嵐の大洋」と呼ばれる地点よりも北の位置から、北極方面へ飛行中に撮影。2回目は「嵐の大洋」の西側を南から北へ、それぞれ8分間を1分に縮めた間欠撮影を実施。動画データはJAXA臼田宇宙空間観測所に送信され、NHKにおいてデータ処理が行なわれた。

 動画は480×270ドットに解像度を落として公開されているが、静止画はフルHDの1,920×1,080ドットで、月面の細かな凹凸も確認できる。

「嵐の大洋」の西側。右側の暗い部分が「海」 「嵐の大洋」の西側。中央手前にあるのが「レプソルト」

撮影場所

 「嵐の大洋」という地点は、月の表面に暗く見える「海」と呼ばれる部分で、地球から月を見た際の、北半球左側に位置している。公開された動画/静止画には、「レプソルト」と呼ばれる、直径107kmの巨大クレーターや、そこを横切る全長約180kmの「レプソルト渓谷」なども写っている。

 なお、臼田宇宙空間観測所で受信したテレメトリデータによれば、衛星の状態は正常だという。

□NHKのホームページ
http://www3.nhk.or.jp/
□JAXAのホームページ
http://www.jaxa.jp/
□ニュースリリース
http://www.jaxa.jp/press/2007/11/20071107_kaguya_j.html
□かぐや/H-IIA13号機特設サイト
http://www.jaxa.jp/countdown/f13/index_j.html
□関連記事
【10月1日】月周回衛星「かぐや」で初のハイビジョン撮影に成功
-NHK開発のカメラで撮影、約11万km先から送信
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071001/nhk.htm

(2007年11月8日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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