NHK、訪問集金の'08年廃止や、家族割引拡大を検討 －視聴者から意見募集開始。事業所割引の導入も

　日本放送協会(NHK)は15日、受信料の見直しについての意見募集を開始した。2008年度の実施を検討している訪問集金の廃止などについて、ホームページと郵送、FAXで視聴者からの意見を募る。

　NHKでは、合理的な受信料体系の構築を目的に、訪問集金の廃止、家族割引の拡大、事業所割引の導入の3点について、2008年度の実施を目処に検討。

　これらの事項について、現時点でのNHKの考えをサイト内で提示。視聴者からの意見を募集し、NHKの意見と合わせて2008年1月中旬を目処に公開する予定としている。

　意見の募集期間は11月15日～12月6日で、NHKホームページの専用フォームまたは郵送、FAXで受け付けている。ホームページとFAXの受付は12月6日17時までで、郵送の場合は12月6日消印有効。なお、意見は1人1件まで。

■ 訪問集金の廃止

　2007年9月末時点での訪問集金の利用割合は15%。他の方法では、口座振替が73%、クレジットカード継続払いが2%、金融機関やコンビニなどからの継続振込が10%となっている。

　訪問集金については、留守などで何度も訪問することにより、人員と経費がかさむことから、2008年10月1日を目処に廃止することを検討している。廃止後は、他の3つの方法に限定され、料金はいずれも訪問集金に比べ月額50円安い金額となる。

　NHKは「国内ほぼ全ての金融機関やクレジットカード、コンビニエンスストアが利用できるため、訪問集金を廃止しても、視聴者の理解を得られる」と見ている。また、視聴者と意見を交換する「ふれあいミーティング」の充実や、コールセンターの利便性向上などで、対話の継続を図る。

　廃止により、委託契約収納員約2,400人分の余剰が見込まれるが、そのうち約半数を2012年度までに契約取次などの業務に当て、年間約70億円の営業経費削減を試算。2012年度には年間約30万件の支払者数増加と、年間約170億円の受信料収入増を見込んでいる。

■ 家族割引の拡大

　家族割引については、2006年12月より実施しており、親元を離れて暮らす学生や単身赴任者を対象に、一定の条件を満たす場合には受信料の約33%を割引している。

　今回、離れて暮らす父母や、学生でない子供を扶養するといった、住居が異なっているケースでも、同一生計であれば対象とするといった適用範囲の拡大や、割引率の拡大についても検討。

　具体案としては、1契約目を通常の料金とした上で、2契約目以降を特例とし、現行の約33%割引から半額に拡大。同一生計の全ての受信契約が対象で、衛星/地上契約どちらにも適用される。

　実施時期は2009年2月1日を予定し、改正により、契約数を年間平均4万件増を見込む。なお、改正による受信料の減収は、契約増加による増収から差し引いて年間約10億円となる。

■ 事業所割引の導入

　現在、ホテルや病院などでは部屋ごとに契約が必要となっているように、事業所ではテレビを設置場所(部屋、自動車など)ごとに契約しているが、公平負担の徹底を図るため、特例措置として割引の導入を検討。

　内容は、1契約目を通常料金とし、2契約目以降を通常の半額に割引きするもので、衛星/地上契約ともに適用。割引を半額とする理由については、「割引による減収が一般世帯へ影響を極力与えないようにする観点から、割引を半額とすることが、受信料収入の減少影響と契約数増加への効果の点から最も適当」としている。

　ただし、事業所割引を適用する場合は10件以上の衛星契約者に対し月額200円～300円を割り引いている「多数契約一括支払に関する特例」(受信規約第5条の2)は適用されなくなる。

　なお、大口割引など他の方法についても検討されたが、「設置台数が少ない場合には割引を受けられないなどの問題があり、採用するにはふさわしくない」としている。

　実施時期は2009年2月1日を予定。受信料の減収は、契約増加に伴う増収から差し引いて年間約20億円(対象約110万件)を見込んでいる。

□NHKのホームページ
http://www.nhk.or.jp/
□ニュースリリース
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/071115.html
□意見募集ページ
http://www.nhk.or.jp/css/iken/
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【2006年7月31日】NHK、12月より受信料の「家族割引」を開始。33%値下げ
－カラー契約が2カ月1,800円、衛星カラーが同3,060円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060731/nhk.htm

( 2007年11月16日 )

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