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NECエレ、生産拠点を再編し、子会社6社を3社に統合
-相模原事業場内の300mmラインを終了し、山形に統合


NECエレクトロニクス 中島俊雄社長

11月28日発表


 NECエレクトロニクス株式会社は28日、同社の半導体事業戦略を見直し、事業体制の再編を行なうと発表した。

 2008年4月を目途に、現在6社ある生産子会社を3社に統合するほか、2009年3月を目途に、NECの相模原事業場内の300mm工程ラインの生産活動を停止し、山形日本電気株式会社(NEC山形)の生産ラインに統合。試作、拡散、組み立てを1箇所で行なう垂直統合型の半導体企業を目指す。

 NEC山形では、これまでSoC(System on Chip)のウエハ処理(前工程)などの量産業務を担当していたが、今後は設備を強化し、SoCの開発、試作などの全工程を担当するようになる。現在、相模原事業場で300mm工程ラインに従事している従業員約700名については、NEC山形など、他の事業場に移管される。

NEC相模原事業場の300mm試作ライン NEC山形の強化方針 プロセス別の開発役割変化。55nmプロセス以降はNEC山形で試作、少量生産から量産までを一貫して行なう

 そのほか、2008年4月を目途に、マイクロコンピュータの前工程を担当していた九州日本電気株式会社(NEC九州)と、組立/検査(後工程)を行なっていた山口日本電気株式会社(NEC山口)、SoCの後工程を担当する福岡県のNECセミコンパッケージ・ソリューションズ株式会社(SPACKS)の3社を、NEC九州を存続会社として統合。新社名などについては未定だが、マイクロコンピュータの全製造工程、販売を行なう予定としている。資本金は10億円。

 同様に、個別半導体の前工程を担当していた滋賀県の関西日本電気株式会社(NEC関西)と、後工程担当の福井日本電気株式会社(NEC福井)の2社も、NEC関西を存続会社として統合し、個別半導体の全工程、販売などを担当する。新社名などについては未定で、資本金は10億円。

 再編により、試作、拡散、組立ての一貫体制を構築し、品質の向上やコスト低減、納期の短縮を実現する。また、リソースの広域流動化により、会社間の人員異動や設備移動を簡素化できるなどのメリットがあるとしている。

国内の生産子会社6社を3社に統合 再編の効果 統合後の各社体制案

 また、27日に発表した、32nm世代のシステムLSIプロセス技術の東芝との共同開発についても説明が行なわれた。

 開発は神奈川県横浜市の新杉田にある東芝のAMC(アドバンスト・マイクロエレクトロニクス・センター)で行なわれ、32nm世代の基幹プロセスのみを対象とする。それ以外の差異化プロセスの開発に関しては別途協議していくとした。

 32nmの生産拠点は未定で、生産に必要な技術や装置を見極めた上で、来年中に決定するとしている。

 両社は、45nm世代システムLSIプロセス技術についても共同で開発を行なっており、短期間で開発を完了するなどの成果を上げていた。45nmプロセスの半導体生産については、55nmプロセスと共通の設備を利用し、NEC山形で2008年度末より量産を開始することが決定している。今後需要が増加した場合にも、東芝と同技術を採用し、親和性も高いため、生産の委託が行ないやすい、などのメリットもあるという。

 同社では、32nmプロセス技術の共同開発でもこうした成果を期待していると説明している。

東芝との32nm世代プロセス技術の共同開発について 45nm世代における協業の実績

□NECエレクトロニクスのホームページ
http://www.necel.com/index_j.html
□ニュースリリース
http://www.necel.com/news/ja/archive/0711/2801.html

( 2007年11月28日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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