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ソニーの“odo”デジカメなどが「エコプロダクツ」に登場
-撮影も可能に。各社がテレビ環境性能など紹介


「odo」のデジタルカメラ

期間:12月13日~15日

会場:東京ビッグサイト

入場料:無料


 国内最大級の総合環境展示会「エコプロダクツ2007」が12月13日に開幕。15日まで開催している。会場は東京ビッグサイトで、入場は無料。主催は社団法人産業環境管理協会と日本経済新聞社。

 家電メーカー各社はテレビにおける省電力化やリサイクル技術などの環境技術をブースで展示。また、省エネや有害物質不使用などによる新たな製品提案なども行なわれている。



■ ソニー

 6月に行なった環境イベントで提案された「odo」(オド)の開発が進み、初めての実働モデルが参考出品。今回は取材用として、特別にデジタルカメラに触れることができた。

ローラーを回転させて充電。中央の穴がファインダー

 「odo」シリーズにはビデオカメラやヘッドフォン、フォトビューワなどがラインナップしていたが、今回試用できたのはデジタルカメラ。6月の時点では両目でファインダを覗く方式だったが、動いたモデルは片目で見る形状で、虫メガネのような本体デザインとなっていた。開発には、サイバーショットの担当者も協力。本体には植物由来の原料が用いられている。

 発電は、本体上部のローラーを床上などで前後させることにより行なう。10~15秒動かすことで1回シャッターを切ることが可能。子供が撮影する場合のシャッター押下時の手ブレを防ぐため、あらかじめ2秒のセルフタイマーに設定されている。

 撮像素子は「約3年前の300万画素モジュール」で、今回の試作品の内蔵メモリ容量はJPEG1枚分(約256KB)だった。撮影後は、植木鉢のような形状のクレードルを用いてパソコンにUSB接続し、データを転送できる。

 なお、odoシリーズは、今回のデジカメを含め製品化は未定だが、デザインや遊び心も含めたユニークな試みに今後も期待したいところだ。


メーターで発電状況がわかる 植木鉢のようなUSBクレードルでパソコンと接続 できた写真は本体形状と同じ縦長。サイズは2,000×1,500ドット


ビデオカメラやヘッドフォンなどのodoシリーズが展示。なお、試作品を手に取ることはできない ブースでは、手動発電により仮想の街を産業・住宅・環境面でバランスよく発展させるという子供向けアトラクションも行なわれている


有機ELテレビも多数展示されているほか、ブラウン管テレビのリサイクル技術も紹介 植物原料プラスチックの試作品として、ヒマシ油を原料としたポリアミド11を用いた一眼レフデジカメ「α」用ボディキャップも



■ 松下

VIERAの製造からリサイクルまでの流れを紹介する展示

 薄型テレビVIERAシリーズ中心の展示となっており、2008年モデルから採用予定のブラウン管テレビからのプラスチック再生技術や、既に採用されている竹繊維スピーカーなどを展示。

 液晶テレビでは背面カバーや、基板ホルダー部に、プラズマテレビではB-CASスロットなどに再生プラスチックを採用する予定。強度面などの課題をクリアし、段階的に使用部分を多くする見込みとなっている。


2008年のVIERAに用いられる再生プラスチック 竹繊維素材のスピーカー 42型プラズマのマザーガラスは8面取りとすることで高効率に生産

 生活家電では、12月に発売する電力使用量管理システム「ライフィニティ(Lifinity)」を展示。同製品は専用の分電板やモニターなどで構成され、エアコンやテレビなどの電力使用量を管理、利用者が決めた1日分の目安が守られたかを確認できるシステム。

 1日分の使用量の結果は小型モニタのアニメーション表示によりわかりやすくチェックできるほか、LAN経由で「アクトビラ」対応テレビでもチェックできる。住宅施工会社から提供され、工事費を除く標準セット価格は295,140円。


目標値が守られないと、ペンギンが海に落ちてしまう 各電化製品の使用電力量が表示 太陽光発電も合算できる



■ 東芝

REGZAのC3500シリーズ

 「薄型液晶テレビ新製品で最も環境性能が高い」というREGZAのC3500シリーズを展示。スタンドや基板フレームなどの見直しで-18%の軽量化を実現したほか、バックライト制御などの省電力機能を備えている。

 また、HD DVDレコーダ「RD-A301」を、2000年モデルの「RD-X1」と比較展示。筐体の小型化や、約1/4の軽量化を実現し、消費電力は50W前後を保っている。さらに、HD Recなどの録画技術により、メディアの使用量も抑えられることがアピールされている。


RD-A301とRD-X1 Cellの技術を利用した映像処理プロセッサ「SpursEngine」では「高い演算能力で高効率のデータ処理」をアピール


東芝松下ディスプレイの小型有機ELディスプレイ。量産が比較的容易な小型モデルを優先して生産することが明らかになっている 携帯電話の筐体においても、有害物質の排除を積極的に行なっている



■ シャープ、日立、そのほか

AQUOS新製品に使用されているリアキャビネットや緩衝材など

 シャープはAQUOSの環境配慮を中心に紹介。ハロゲン/六価クロムなど有害物質を使用しないほか、スタンドの塗装に植物系樹脂塗料を用いている。

 また、Rシリーズや、Gシリーズ最新モデルの42/46/52型においては、背面キャビネットにリサイクルしやすい樹脂材料を使用。これらは国内拠点で製造された製品だが、今後は海外拠点で生産する小型モデルについても採用する予定となっている。

 2005年から採用されている、スタンド部の植物系塗料については、これまでの非光沢塗装に加え、光沢塗装の技術も開発。製品化は未定だが、参考展示品として出展されている。


AQUOSに用いられている環境技術 スタンド部。植物塗料でも光沢製品(右)を実現 ダンボールは畳みやすさを考慮

 日立は、12月12日より出荷されている薄さ3.5cmの液晶テレビ「Wooo UT」シリーズなどを展示。熱流体解析によるファンレス・小型設計や、有害物質排除などを特徴としており、従来モデルに比べ32型で約7kgの軽量化を実現している。


日立のWooo UTシリーズ BDビデオカメラの部品でも有害物質を排除 パイオニアのプラズマテレビ「KURO」は50型で約35%の軽量化を行なうなど、環境面も強化されている。下のラックはサントリーが販売している樽材リサイクル品


パイオニアは、スピーカーのエンクロージャにひまわりの種殻を用いた「バイオボードスピーカー」を参考展示 NECは、形状記憶ポリ乳酸を用いた携帯情報端末の試作品を展示。60度の熱で変形可能な素材を利用し、腕に巻きつけるといった用途が考えられる 地方の伝統産業や特産品もテーマの一つ。鯖江商工会議所では、国内生産の9割以上を占めるメガネフレーム技術の応用例として、ヘッドマウントディスプレイを一般的なメガネに取り付けられるようにする加工技術を参考展示していた


□エコプロダクツのホームページ
http://www.eco-pro.com/
□関連記事
【2006年12月14日】エコプロダクツ2006開幕。各社最新環境性能をアピール
-環境負荷への低減を強調
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20061214/eco.htm

( 2007年12月13日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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