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ファーストガンダム劇場版3部作DVD-BOX発売記念イベント
-富野監督が戦友へ涙。Gacktも参加


12月15日開催


 12月21日にバンダイビジュアルから発売される、HDリマスター映像とオリジナル版音声を収録したDVD-BOX「機動戦士ガンダム 劇場版メモリアルボックス」(BCBA-3107/18,900円)。その発売を記念したプレミア上映会が、12月15日に東京・渋谷のタカシマヤタイムズスクエア内にある紀伊國屋サザンシアターで行なわれた。

 ステージには富野由悠季監督に加え、シャア・アズナブル役の池田秀一さんを始めとするファーストガンダム出演声優が参加。サプライズゲストとして、ミュージシャンのGacktさんも参加。また、トークショーコーナーにはアニメ評論家の氷川竜介さんや、ガンダム好きのお笑い芸人・アメリカザリガニなども登場。ディープなガンダムトークを繰り広げた。

 「機動戦士ガンダム 劇場版メモリアルボックス」は、ファーストガンダム劇場版3部作のオリジナル音声版を、富野監督監修によるフィルムスキャン方式のHDプレミアムマスターで再DVD化したもの。

機動戦士ガンダム 劇場版メモリアルボックス .ANIME Yahoo! 店では、セットシャア専用バスローブをセットにした「ガンダム 戦士の休息セット」も販売される

 富野監督によれば「オリジナルのフィルムの劣化が進んでいたが、そこにデジタルの修正技術の進歩が間に合い、良質なソースを作ることができた」という。同梱のブックレットを監修した氷川さんは、「オリジナル音声にばかり注目が集まるけれど、映像のクオリティも相当高い」としている。

 片面2層ディスクの3枚組みとなっており、第1作目と、第2作目「哀・戦士編」、第3作目「めぐりあい宇宙編」を収録。特製BOXケースに、シングルデジパック3枚を収納。ケースのイラストは安彦良和描き下ろしで、デジパックには安彦良和/大河原邦男による劇場ポスターのイラストを使用。DVDサイズに縮小した劇場アイテム復刻版セットとして、パンフレット3冊と、ポスターアーカイブスを同梱。大河原邦男描き下ろしイラストを使ったブックレットも付属する。


■ ファン投票ぶっちぎりで「めぐりあい宇宙編」が上映

会場には333人のファンが招待された

 イベントには抽選で選ばれた333人のファンが招待され、3部作の中から、事前投票で選ばれた1作品がスクリーンで上映された。結果としては「ぶっちぎりの大差」(バンダイビジュアル)で、3作目「めぐりあい宇宙編」が選ばれた。

 上映に先立って、富野監督に加え、シャア・アズナブル役の池田秀一さん、ララァ・スン役の潘恵子さん、ナレーション担当の永井一郎さんが登壇。池田さんは「懐かしいです。この26年の間、僕達は戦友(声優仲間)を何人も無くしてしまい、本当にメモリアルといった感じです。26年前に劇場に並んでくれた人もこの中にいると思うと、感謝の気持ちで一杯です」と頭を下げた。

 潘さんは「美しいオリジナル音声が嫌いな人はいて? ねぇ、大佐」と、ララァの声で挨拶。とっさに池田さんもシャアの声で「ララァは正しい」と返すと、場内から大きな歓声が上がった。

 永井さんも負けじと、「ガンダムが劇場公開されて四半世紀、当時子供であった世代は育ち、成人を向かえ、そして親となった……。地球世紀2007(ツーダブルオーセブン)。サンライズとバンダイビジュアルは劇場版オリジナルBOX公国を名乗り……」と、名口調のナレーションを展開。「今こそ、世界中でこの映画が見られて、人々が覚醒し、ニュータイプになるといいなと思っております」と挨拶し、大きな拍手を浴びた。

シャア・アズナブル役の池田秀一さん ララァ・スン役の潘恵子さん、 ナレーション担当の永井一郎さん

古谷徹さんもビデオレターで参加

 さらに、日本大使館主催の日中文化交流イベントで、中国にいるというアムロ・レイ役の古谷徹さんからもビデオレターが到着。これまで中国では“日本の戦争アニメだ”としてガンダムの放送が許可されなかったが、高まる日本アニメの人気を受けてテレビシリーズの放送が決定したという。「中国の子供達にガンダムの魅力を伝えたい」と、意欲を熱く語った。

 富野監督は「戦死した人たちが物理的にいる中で、こうした機会が持てたことは、今まで応援してくださった皆さんがいるおかげ。あらためて御礼申し上げます」と感謝の言葉を述べ、頭を下げた。

 さらに、12月19日に「0079-0088」(通常版2,500円、限定版2種類 各2,700円)という、ガンダムをコンセプトにしたアルバムをリリースするGacktが登場。'05年の「機動戦士Zガンダム」3部作で担当した「Metamorphoze」など5曲に加え、ファーストガンダム劇場版主題歌「砂の十字架」、「哀・戦士」、「めぐりあい」を、新曲としてフルアレンジして収録している。

Gacktさんが監督へ花束を贈呈

 Gacktさんに花束を渡された富野監督は、「昔の曲がアレンジされて世に出る時には色々な問題があり、やだなと思うこともある。けれど、今回Gacktは単なるアレンジでなく、懐メロでもない、新曲として作り直すと言ってくれて、その意気込みを感じたから許可した。こうして新しい世代に受け継いでもらえることは、本当に嬉しい」と喜びを語る。

 さらに監督は、「オリジナルを手掛けた井上大輔は、大学の時の同級生。その縁で曲を頼んだ。彼も亡くなってしまったが、曲がこうして生まれ変わり、後の世に残ること嬉しく思う」と、言葉を詰まらせるシーンもあった。

26年前と変わらぬ声援を送るファンに、富野監督はあらためて感謝を示した 大のガンダムファンとしても知られるGacktさん ガンダムと共に、インタビューに応じた富野監督とGacktさん

ファーストガンダムで印象の残っているのは、セイラの「それでも男ですか!」というセリフだというGacktさん。「子供心にも、男にならなきゃいけない」と考えたという

 ガンダムシリーズの大ファンで、「ファーストこそが全てのオリジン」と語るGacktさんは、舞台挨拶後のインタビューで「1曲に4カ月もかかり、作っては直し、作っては直しの繰り返し。そのまま旅に出ようかと考えたくらい」と、楽曲制作の苦労を語る。

 大ファンだからこそ妥協できず、「ガンダムファン、関係者、そしてミュージシャンとしての僕のファン、たくさんの人に応えるものを作らなくてはならない」という想いに押しつぶされそうになったこともあるという。

 しかし、「自分以外の人が、いい加減に作ったらと想像すると耐えられない。自分がやるしかない、他の人にはできないと考えることにした。ゼロから作り直そうと考え、僕なりに歌詞を変更する許可も井上さんの遺族の方にいただけ、完成させることができた」と喜びを語った。


■ トークショーではディープなガンダムトークが

アニメ評論家の氷川竜介さんや
アメリカザリガニの平井善之さん

 上映に先立って行なわれたトークショーには、アニメ評論家の氷川竜介さんや、ガンダム好きのお笑い芸人・アメリカザリガニ、同じくファンの漫画家・新條まゆさんが登場。角川書店の井上伸一郎社長の司会で、ディープなガンダムトークが繰り広げられた。

 氷川さんは「宇宙人と戦うという従来のアニメらしいストーリーではなく、植民地から独立戦争へという、人間対人間の内戦の話であり、人間がこれまで繰り返してきた歴史をアニメの中に盛り込んだ。それがガンダムの新しいところ」と作品の魅力を説明。

 アメリカザリガニの柳原哲也さんは、小学校の合唱コンクールで、クラス全員で「哀・戦士」を熱唱。「体育館にいた男子全員が食いついて、大合唱。女子は首をかしげるという、凄い連帯感を味わった。調子に乗って卒業式にも歌おうとしたけど、女子に大反対されてダメになった」と、当時のブームを振り返る。

 ランバ・ラルが大好きだという平井善之さんは、「ザクとは違うのだよ! ザクとは!」という名台詞に込められた意味を「これまでの功績を認められてグフを与えられ、まじっすか! という喜びの中出撃したその気持ちがあのセリフに込められている」と解説。「戸籍も入れてちゃんと夫婦でいたかったのに、軍人だから別れて……」と、妄想も交え、溢れ出した想いでトークが止まらない状態。

 そんな出席者から「SEED世代じゃないの?」と言われたのが、紅一点の新條さん。しかし「Z(ゼータ)から入ってファーストに行って、キャラクターもモビルスーツも大好き」と語る筋金入りのファンであることを告白。

 「女性は“男の友情”が凄く好きなんですが、一番衝撃的だったのはシャアのシャワーシーン。ガルマがシャアの部屋に入ってきて、奥でシャワー室のドアが何故か半開きになってて……。いつも赤いものを身につけているのに、体を洗うスポンジが何故か青いんです! それからシャアの大ファンになって、子供の頃は、銀行口座の暗証番号を池田秀一さんの誕生日にして……」と暴走状態。「スポンジ赤かったら3倍のスピードでこすって肌が痛むからやろ。というかなんでそんな細かいとこまで見とんねん!!」と柳原さんに突っ込まれる一幕も。

アメリカザリガニの柳原哲也さんは、ガンケシなど、小学校時代の思い出で会場を沸かせた シャアの大ファンだという漫画家の新條まゆさん。「モビルスーツよりも、それを格納するホワイトベースが好き」という発言を、「女の子が人形遊びで家を買う感覚? “シルバニアファミリー森のおうち”みたいな」と、柳原さんが分析 司会は角川書店の井上伸一郎社長

 以降も「最近ミライさんの表情に注目していて、ブライトがセイラを盗聴している時のとか、表情の変化を追うと“おふくろさん”と神格化されている彼女の生臭い部分が出ていて嬉しい」(氷川さん)。「アムロが母親に会いに行ってジオン軍に遭遇して、銃を撃つシーンの姿勢とが凄く格好良い」(新條さん)。「そのシーンは実際のシーンと母親の回想シーンで描写が異なっていて、人間の記憶が短時間でおかしくなる事を表現してるんですよ」(氷川さん)など、濃い話が連続。客席からの笑いが絶えない、ファンには満足度の高いイベントとなった。

□GUNDAM.INFOのページ
http://www.gundam.info/
□上映会情報
http://www.gundam.info/topic/729
□バンダイビジュアルのホームページ
http://www.bandaivisual.co.jp/
□DVD-BOX情報
http://product.bandaivisual.co.jp/web_service/shop_product_info.asp?item_no=BCBA-3107
□関連記事
【11月6日】「シャア専用バスローブ」をセットにしたガンダムDVD-BOX
-.ANIME Yahoo! 店限定。劇場版BOXがセット
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071106/dotanime.htm
【7月25日】ファーストガンダム劇場版3部作がHDリマスターで再DVD化
-オリジナル音声収録。SDガンダムもカードダス同梱で初BOX化
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070725/bandai.htm
【DVD発売日一覧】
http://av.watch.impress.co.jp/docs/dvdship/

(2007年12月17日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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