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凸版印刷、紫禁城のVR映像を12m幅スクリーンで一般公開
-非公開の宮殿内部も。故宮博物院との共同プロジェクト


制作・著作:故宮博物院/凸版印刷

2008年1月5日より上映
(毎週土日、土日に続く祝日に実施)

場所:印刷博物館

料金:300円(印刷博物館入館料)


 凸版印刷株式会社は、バーチャルリアリティ(VR)映像コンテンツ「故宮VR《紫禁城・天子の宮殿》」を2008年1月5日から、東京・飯田橋にある印刷博物館(トッパン小石川ビル地下1階)の「VRシアター」にて一般向けに上映する。

 この映像は同社と中国の故宮博物院が共同で制作し、一般公開は世界初。毎週土日と土日に続く祝日に上映され、1回約15分×8回のスケジュールで行なわれる。観覧には印刷博物館の当日入館料(300円)が必要。シアターの席数は30席。

 映像は、清王朝の全盛期である康熙帝・雍正帝・乾隆帝時代(1660~1790年代)の紫禁城を3次元CGで再現したもの。今回公開されるのは2003年に完成した第一部「太和殿」で、皇帝即位の儀式が行なわれた宮殿「太和殿」を中心に、天安門からつながる紫禁城全景が再現されている。

 通常は立ち入りが認められていない宮殿内部や、最も美しいとされる夕刻時の宮殿などの様子が故宮博物院との協力でCG映像化されている。


太和殿宝座など、通常は公開されていない内部も映像化
太和殿の外観 太和殿の夕景 紫禁城全景
制作・著作:故宮博物院/凸版印刷

 VRシアターでは、3.8×12m(縦×横)の大型カーブスクリーンに解像度1,280x1,024ドットのDLPプロジェクタ(輝度4,000ルーメン)3台で投射。歪み補正により、投射された映像の解像度は3,000×1,000ドット相当となる。再生は、Windows上で動作するOpenGLベースの専用アプリケーションで行なう。


スクリーンのサイズは3.8×12m(縦×横) 映像の操作には、ゲーム機のようなコントローラを利用。なお、来館者が操作することはできない

 今回の第一部に続き、宮殿の建築風景なども含めた第二部「三大殿」が2005年に完成しているほか、皇帝の生活空間に凝らされた緻密な美を再現するという第三部「養心殿」を2008年完成に向けて制作しており、順次公開を行なっていく予定。



■ 中国の国家認定を受けた「故宮プロジェクト」

 同社は2000年より故宮博物院と共同研究「故宮文化資産デジタル化応用研究」(故宮プロジェクト)を進めており、中国の博物館で初となる、国家認定の国際プロジェクトとなっている。

 故宮博物院は、明・清朝の皇帝の居城であった紫禁城と、100万点収蔵品を管理しているが、保護・管理の観点から、公開されている宮殿は全体の1/3、収蔵品は年間8,000点程度にとどまっている。

文化事業推進本部 デジタルアーカイブ部の中村直靖課長

 VRコンテンツの取り組みについて、同社の文化事業推進本部 デジタルアーカイブ部の中村直靖課長は「アナログ時代から培ってきた画像処理技術を応用してデジタルにも取り組み、美術品や文化財の画像処理などを行なってきた。その1つの表現手法として1997年からVRに取り組み、もとは産業や軍事向けだったVRの高精細画像処理技術と表現力で、文化財の映像を簡単な操作方法で利用できるように取り組んできた」と説明。

 故宮プロジェクトについては「(トッパンは)技術は持っているが、文化財を持っているわけではない。処理技術の応用として話を持ちかけ、2000年にプロジェクトがスタートした。完成した2003年に博物館にも見せたところ高く評価され、我々もこのプロジェクトが有効だと分かった」と自信を見せた。


□凸版印刷のホームページ
http://www.toppan.co.jp/
□印刷博物館のホームページ
http://www.printing-museum.org/
□VRシアターの上映予定
http://www.printing-museum.org/floorplan/vr/index.html

( 2007年12月21日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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