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【東芝/パイオニア】東芝はWireless HDやCellなど技術展示
-パイオニアはAVアンプや「DVDダウンロード」の米国展開


会期:1月7日~10日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
    Sands Expo
    The Venetian




■ 東芝

HD DVDブースと隣接する

 東芝ブースでは、正式規格が発表されたばかりの「Wireless HD」や、Cellを使った映像デモなど、今後実用化が見込まれるユニークな新技術の紹介が多彩で、来場者から注目されている。

 「Wireless HD」は、60GHz帯を用いてHD解像度のベースバンド映像を伝送可能とする技術。薄型テレビ「REGZA」のコーナーでは、HD DVDプレーヤーと液晶テレビを用いて、フルHD映像のワイヤレス伝送を行なっていた。

 実用化は2009年をメドとしており、テレビやプレーヤーにHDMI接続する外付けの送受信ユニットという形のほか、テレビの薄型化によっては一体型も検討するという。現在は試作段階のため、ノイズが発生する場面もあったが、これは一定時間を超えると本体の熱暴走の問題があるためだという。

Wireless HDの伝送デモ テレビの右下にあるのがアンテナのイメージ 再生に使用したDVDプレーヤー。送信ユニットは見えないが、今回は別筐体となっている

 この技術の問題としては、送受信するアンテナの間に金属または人体があると正常に伝送できないということが挙げられるが、アンテナを複数利用して、最も電波状況が良好なアンテナの映像を自動選択して再生するという「スマートアンテナ技術」により改善を図っている。

 CPU「Cell Broadband Engine」(Cell)の技術を利用して開発された映像処理プロセッサ「SpursEngine」の応用例としては、人間の手の動きでリモコンのような操作が行なえるというユニークな試みを提案。ノートPCのディスプレイ部に搭載されたカメラを利用して人の手を認識させ、その動きに応じた操作を割り当てるというもので、映像処理に「SpursEngine」を用いている。操作可能な距離は「10フィートUI(約3m前後)には対応する」としている。

人の指の動きに反応して操作可能。特定の個人を認証するのではなく、一般的な人の手の形に反応するようになっている 画面に表示された操作パネル部

 ブースでは、ノートPC「Qosmio」でのDVD再生でデモ。Qosmioの内蔵カメラからの映像を解析、人が手の指を開いたり、親指を立てるといった動作に反応し、ボリュームやチャプタ検索などの操作が行なえる。担当者によると「ソフトウェアでも処理できないことはないが、実際に行なうと他の操作ができなくなる」と指摘。SpursEngineの処理技術と合わせることで、より快適な利用が可能になった」という。

 また、Cellそのものを用いた技術として、縦6×横8画面分のSD動画を同時に再生するというデモを実施。任意の映像を選ぶとその中でシーン検索が行なえ、動画サムネイルにより内容が確認できる。

 さらに、Cellの処理能力を用いることで動画の解像度を一般的なアップスケーリングよりも精細に拡張し、SD映像から滑らかなHD映像に変換するという「Image Super Resolution」をデモ。SDからHDへの変換以外にも、あるシーンから好みの部分をズームするといった用途にも対応できるという。

48画面を同時に再生 各コンテンツ内のシーン別サムネイルも動画で流れる 「Image Super Resolution」のデモ

そのほか、プロトタイプとして、有機ELディスプレイのgigabeatや、薄型のポータブルHD DVDプレーヤーの展示も


■ パイオニア

KUROをメインにしたブース展開

 CESに合わせてKUROの次世代モデル“Project KURO”を発表したパイオニアでは、開幕から各プロトタイプ展示を含むKUROのコーナーが最も関心を集めている。

 コントラスト比が測定不能というほどの黒を表現する“超ハイコントラストKURO”の映像を体験できる特設シアターには、連日長い列ができており、薄さ9mmの“超薄型KURO”の前と横で、来場者が次々に写真を撮る姿が見受けられた。


超薄型のKURO 写真では伝わりづらいが、超ハイコントラストKURO(右)の画は、まさに闇夜に映像が浮かぶようなイメージ。昨年の発表でKUROのプロトタイプを見た驚きをさらに超えたショックだった

 プラズマテレビ以外では、AVアンプやDVDプレーヤーなど米国向け新製品を発表。さらに、日本でも発表されたソニックの「DVDダウンロード」のコーナーも紹介され、米国でのスケジュールが進行しつつあることが明らかになっている。

 AVアンプでは、HDMI 1.3対応でドルビーTrueHDやDTS-HD Master Audioなどのデコードに対応する「VSX-1018TXH-K」をはじめ、「VSX-518-K」、「VSX-818V-K」、「VSX-918」の4モデルを発表に合わせて紹介。4月より順次発売され、価格は1018TXH-Kが599ドル、918が349ドル、818が249ドル、518が199ドルの見込み。

 また、欧州や日本でも既に発表されている10ch出力の「SC-09TX」(日本などでの型番は「SC-LX90」)もELITEシリーズのフラッグシップとして展示されている。米国では「約2カ月後に発売する」(ブース担当者)としており、価格は7,000ドルの見込み。

AVアンプのVSX-1018TXH-Kなど3モデル 同時にリリース発表された薄型DVDプレーヤー「DV-310-K」と「DV-410V-K」 BDプレーヤーのプロトタイプ「BDP-05FD」も参考展示

Qflixの店頭端末イメージ

 そのほか、ソニックが展開し、日本でもサービス開始が予定されている「DVDダウンロード」の「Qflix」を紹介するコーナーもパイオニアブース内に設置されていた。米国では実用化に向け着々と進行していることが紹介されている。

 「Qflix」は、パソコンなどでネットワークからダウンロードしたコンテンツに著作権保護を施し、DVDメディアに記録する「DVDダウンロード」が可能なサービス。小ロットのDVDビデオ販売向けの「MOD」や、店頭の端末で任意のコンテンツを選択してDVDを作成する「キオスク」のほか、一般の消費者がパソコンでコンテンツをダウンロードしてDVD-Rへ記録する方法などが想定されている。

 米国では3月または4月より、店頭でのダウンロードサービスが開始される予定。当初はドラッグストアへのキオスク端末設置が決まっているという。また、PC用DVDドライブとして、パイオニアから対応モデルを6~7月にリリース予定。価格は未定だが、現在の50ドル前後で販売されている製品にプラス10~15%になる見込み(ブース担当者)としている。

利用者が店頭で購入すると、レーベル印刷対応のデュプリケータにデータが記録され、入手できる 販売データの管理画面


□2008 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
【リンク集】2007 International CESレポートリンク集
http://av.watch.impress.co.jp/docs/link/2007ces.htm

( 2008年1月9日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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