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NEC、映像中の登場人物一覧を自動生成する技術を開発
-2段階のクラスタリングで検出精度を向上


映像内の登場人物の一覧表を自動生成

1月10日発表


 日本電気株式会社(NEC)は10日、ドラマや映画など主要登場人物の顔を自動で検出/抽出し、一覧表を自動で生成するソフトウェア技術を開発したと発表した。自動生成された一覧表を見ることで、誰が出演しているか、各登場人物の登場頻度などがすぐに確認できるようになり、見たい映像を容易に選択できるようになるという。

 同社の画像解析技術に基づいて開発された技術で、登場人物の検出には、同社が独自に開発した2段階のクラスタリング手法を採用する。

 まず第1段階として、映像から抽出した登場人物の顔について、同一ショット(カメラのON/OFFにより映像が切り替わるまでの区間)内に、連続して登場する同一人物の顔が類似することを利用して、人物ごとにグループ化。これにより、表情、向き、照明条件が変化する過程の様々な顔を同一人物としてグループ化できるので、同一人物の顔情報のバリエーションが蓄積できる。

 こうしてショットごとにグループを作成した後、第2段階として、各グループに含まれる正面向きの顔を全て選択し、選択された複数の顔をグループ間で比較。類似する顔が含まれている場合は同一人物としてグループを統合。各グループに蓄積されたバリエーションの中で、条件の類似する顔が1組でも存在すれば同一人物として統合できるため、同一人物の顔を高精度にグループ化できるという。

 これにより、登場人物が様々な条件下で、多様な向きや表情で登場する場合でも、重複や漏れを抑えた検出が可能としており、登場人物5名の一覧表示を行なった場合で、検出率が約80%と高精度な顔検出を実現した。

 今回の技術は個人向けのDVDレコーダや携帯映像端末、動画共有サイト、企業用の映像アーカイブなど、様々なシーンでの映像選択に活用できるとしており、今後も、早期の商品化を目指した研究開発を進めるとしている。

 同社では、開発の理由として、「テレビ番組をはじめ、個人撮影のビデオ、インターネット映像配信など、映像コンテンツが急激に増加している。現在はテレビや映像配信の番組を選択する際、サービス事業者が提供するテキスト情報が利用されているが、すべての映像コンテンツに対して、テキスト情報をつけることは困難なほか、テキストだけでは、顔や情景など、映像に含まれる視覚的情報が不十分な場合もある。今後は利用者が視聴したい映像を効率的に選択するための仕組みが重要になる」と説明している。

□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0801/1004.html

( 2008年1月10日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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