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【Polaroid】米プレジデントが語る’08年新製品と戦略
-携帯インスタントプリンタやネットワーク製品を展示


左から、日本ポラロイドの伊藤裕太社長、米PolaroidのThomas L.Beaudoinプレジデント兼COO&CFO、zinkのWendy Caswellプレジデント兼CEO

会期:1月7日~10日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
    Sands Expo
    The Venetian


 CES 2008に出展していた米PolaroidのThomas L.Beaudoinプレジデント兼COO&CFOに、2008年の新製品と、テレビを含む家電戦略について話を聞いた。


■ プリンタ新製品を新たなデジタル化の足がかりに

Polaroidブース

 同社ブースでは、日本でも展開している液晶テレビの展示が大きなスペースを占めている。また、デジタルフォトフレームやデジタルカメラなど、かつてのインスタントカメラの「ポラロイド」とは大きく違った印象。

 Thomas氏はこれまでの取り組みと2008年の展開について「ここ数年間、ポラロイドは“インスタントイメージからの変身”に注力してきた。デジタルスチルカメラやポータブルDVDプレーヤー、液晶テレビなどを手がけてきたが、2008年は新しく、モバイルプリンタに力を入れる」と、新製品の「Digital Instant Mobile Photo Printer」を紹介した。

 この製品は、携帯電話とBluetoothで通信してワイヤレスで写真を印刷できるモバイルプリンタ。専用の「ZINK Photo Pater」をプリンタにセットして、携帯電話からデータを転送することで、50×76.2mm(縦×横)サイズの印刷が行なえるというもの。米国では2008年夏に、日本でも年内に発売を予定する。価格は、「150ドル以下を目指す」としている。

 外形寸法72×120×23.5mm(縦×横×厚さ)の本体に、プリンタ機能を備えた製品。データを送信し始めてから5~10秒で印刷できるという「インスタントフォトプリンタ」。本体にインクは備えておらず、専用紙に塗布されたC/M/Y(青/赤/黄)の染料の結晶体に2億回もの熱パルスを与えることで発色させる。用紙の裏側はシールとなっており、耐水性も備えている。この印刷機能には、米zinkの技術を採用した。

 USB端子を備え、デジタルカメラとUSB接続して印刷することも可能。 液晶ディスプレイは備えておらず、動作はLEDで確認する。内蔵バッテリで駆動し、フル充電で15~25枚の印刷が可能。

携帯電話の画像をBluetoothで伝送、印刷できる「Digital Instant Mobile Photo Printer」 専用紙を内部にセット。10枚まで収納できる

USB端子を装備 専用紙のセット。クリーニングやキャリブレーションを行なう用紙(右)も同梱する

zinkの印刷技術

 ポラロイドはこの製品によって、プリンタに使いやすさとインスタント性をもたらすことを目指しており、今後は印刷サイズの大型化を図るほか、デジタルフォトフレームやテレビなどの製品にこのプリンタ機能を一体化したものなどを実現することも目標としている。

 印刷技術で協力したzinkのWendy Caswell社長兼CEOは、「米国でも店頭で写真を印刷できるキオスク端末はドラッグストアなどに置かれています。しかし、キオスクはポケットに入りません」とモバイル端末で実現したことの強みを強調した。


■ 米国でネットワークメディア製品「Freescape」を展開

Freescapeの展示

 ブースでは、米国向けAV新製品としてネットワークメディアサーバー/レシーバの「Freescape」シリーズも展示。6月の発売を予定しており、日本での発売は未定。

 160GB HDDを備えた「Digital Media Exchange」は、テレビの録画機能や、ビデオカメラ/デジタルカメラからの動画/静止画取り込みなどが行なえ、レシーバの「Digital Media Extender」やパソコンなどにおいてEthernetまたはIEEE 802.11b/gの無線LAN経由でのストリーミング再生が可能。また、iPodなどのポータブルプレーヤーにコンテンツを転送することもできる。

 価格は「Digital Media Exchange」が499ドル、「Digital Media Extender」が199ドル。その他の対応製品として、10.2型液晶やスピーカーを備えた無線LAN内蔵フォトフレーム(249ドル)や、4.3型液晶/60GB HDD搭載ポータブルメディアプレーヤー(299ドル)などの発売も予定している。

Digital Media Exchange HDD内のコンテンツをネットワーク配信できるほか、iPodなどへの転送も可能。OSはLinuxベース 専用リモコン(試作品)


■ コスト競争が続くテレビ市場は「選択的に」

 日本を含むテレビ製品についてThomas氏に尋ねると、「我々のテレビは広がりが早く、最も広まっている米国をはじめ、欧州でも成長している。中国のサプライヤーの製品は、デザイン性も高く、機能でも(DVDプレーヤーなどとの)組み合わせで、普及価格帯で強い製品を持っている」と自信を見せる。

 一方で懸念されるのはコスト競争に伴う価格低下だが、「戦略として重要なのは、市場やリテーラー、商品それぞれの選択。世界でも優位性が認知されており、利益を伴ったビジネスとなっている」との見方を示した。

米国向けテレビ新製品 スロットインDVDプレーヤーを背面に内蔵する製品も


□2008 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
【リンク集】2008 International CESレポートリンク集
http://av.watch.impress.co.jp/docs/link/2008ces.htm

( 2008年1月15日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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