|
日立マクセル株式会社は、タイムドメイン理論を採用し、iPod用ドック端子も備えたアクティブスピーカー「MXSP-4000.TD」を1月25日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は25,000円前後の見込み。カラーリングはブラックのみ。 周波数領域に着目した通常のスピーカーの再生方法ではなく、「時間領域(タイムドメイン)の再現性」に着目した「タイムドメイン理論」を導入。音の発生から消滅までの時間的な過程を再現することで、限りなく原音に忠実な再生ができるという。
ラグビーボールのような楕円形の部分がスピーカーで、左右の側面に44mm径のグラスファイバー・コーン採用のフルレンジユニットを搭載している。スタンド部分にiPod用ドックコネクタを装備。第4世代以降のiPod、iPod nano/mini/touch/classicが搭載可能。付属のリモコンで再生/一時停止/サーチ/音量調節などの基本操作が可能。
ステレオミニのアナログ音声入力も備えており、iPod以外のプレーヤーとも連携できる。なお、本体には主電源のON/OFF以外、操作用ボタンは備えておらず、全てリモコンで操作することになる。搭載したiPodの充電は可能だが、PC同期機能は備えていない。 通常のスピーカーのように、エンクロージャに角や平面が無いため、再生音がエンクロージャに自然にまわりこみ、不要な反射を低減。一体型筐体ながら、広い音場を再生できる。 ユニットの背面に重量級のアンカー材を取り付け、不要振動を抑制。さらに、ユニットとエンクロージャが接する前面部分や、ユニット背面がエンクロージャ内部と接する部分に、振動吸収剤を配置。ユニットと筐体が直接接しないフローティング構造となり、ユニットの振動が本体に伝わることを防いでいる。 振動吸収剤はエンクロージャと支柱の間にも挟まれており、振動がスタンドや設置した床や机などに伝わるのも防いでいる。また、ユニットを左右対向に設置することで、本体の振動そのものを抑制したという。
こうした不要振動の徹底的な抑制、反射波の低減は、「音の原音波形をそのまま再現する」というタイムドメイン理論に欠かせないものとなっている。なお、タイムドメインスピーカーとして、iPod用ドックを備えた初のモデルだという。 共振や付帯音を排除しているため、ソースに粗がある場合、それをそのまま再生してしまう。圧縮音楽ファイル再生時には高音の荒れが顕著に再生されてしまうため、フィルタでそれを抑え、滑らかな再生音にする「COMFORTプレイモード」も使用できる。 外形寸法は220×170×240mm(幅×奥行き×高さ)。重量は本体のみで約870g。アンプは5W×2chのデジタルアンプを採用。電源は付属のACアダプタを使用。ステレオミニのアナログ音声ケーブルを同梱する。
■ 外観も再生音も「大人が使えるiPodスピーカーを」
ブランドビジネス事業部 ブランドビジネス推進部の芝仁史氏は、iPodスピーカーが大量に登場しているアクティブスピーカー市場の現状を説明した上で、「我々がiPod用スピーカーを手掛ける際には、“高音質でなければならない”、“様々な場所で聴いても音が変わらない”ことが重要だと考えた」と、コンセプトを紹介。 「そんな折、タイムドメインさんとお会いし、原音再生を追及した音や、聴き疲れのしない音、リスニングポイントに左右されない広い音場などを実現した製品を作ることができた。市場にはオモチャのような質感や音のiPodスピーカーも存在するが、MXSP-4000.TDは音質、デザイン、質感ともに、大人が使えるもの、インテリアとして置けるものになったと思っている」と語り、製品のクオリティに自信を見せた。 デモでは、マイクを装着したカヌーで四万十川を下りながら録音したというヒーリング系の楽曲や、JAZZ、平井堅のヴォーカルなどを再生。タイムドメインスピーカーらしい、繊細でストレスの無い再生音が印象的。構造的に低域は控えめで、モニターライクな再生音はどちらかというと玄人受けしそうなイメージ。しかし、一体型筐体でも自然な広がりのある音場が展開するため、BGM的にリビングなどに設置しても使いやすいスピーカーと言えるだろう。
なお、同社ではデザインや音場の特性を活かし、小さな喫茶店や美容室などでの設置も想定。小音量再生も得意としていることから、「語学学習にも活用できるのではないか」としている。
□日立マクセルのホームページ
(2008年1月16日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|