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株式会社NTTぷららと株式会社アイキャストは、NTTの「光ネクスト」と「フレッツ光」ユーザー向けに、ハイビジョン映像を含めた配信サービス「ひかりTV」を3月31日より開始。既存の「4th MEDIA」、「OCNシアター」、「オンデマンドTV」を統合する形でサービスを展開する。
専門チャンネルなどの放送サービスと、VOD/見放題を含むビデオコンテンツを用意し、映画や海外ドラマ、スポーツ、アニメなどのジャンルから1万本以上をラインナップ。そのうち、業界最大規模という約5,000本を見放題対象として提供する予定。なお、サービス開始当初はVODで7,000本以上、見放題で約4,000本を提供予定で、7月をめどにそれぞれ約1万本以上、約5,000本への拡大を見込む。VODサービスはNTTぷららが、放送サービスはアイキャストが提供する。 利用には、NTT東日本/西日本が3月末より提供予定のNGN(次世代ネットワーク)サービス「フレッツ 光ネクスト」や、従来のNTT東日本「Bフレッツ」、NTT西日本「フレッツ・光プレミアム」、「Bフレッツ」(フレッツ・v6アプリの契約が必要)のいずれかの契約が必要。3月10日より予約販売を受け付ける。なお、契約対象は個人のみで、法人契約は現時点では予定しない。
放送コンテンツとしては、自主制作番組や通販番組などで構成する基本放送チャンネル(開始時は12ch)、映画やアニメ、スポーツなど専門チャンネルが視聴できる「ベーシックチャンネル」(同40ch)、「スター・チャンネル」や「J sports Plus」などを含む「プレミアムチャンネル(同23ch)」を用意。
料金は、初期費用が5,250円で、9月までは初期費用無料キャンペーンを実施する。STBレンタル料は月額525円。料金プランは、基本放送チャンネルやベーシックチャンネルなどが視聴可能な「テレビおすすめプラン」が月額2,625円、基本放送と見放題サービスが利用可能な「ビデオざんまいプラン」が同2,625円、全サービス対応の「お値うちプラン」が同3,675円。VOD視聴は別料金となる。 2契約目からは1,050円を割引くことも予定しており、追加でSTBのみのレンタルも可能。なお、地デジ視聴のみのプランは用意していない。 配信映像は、MPEG-4 AVC/H.264形式でハイビジョン(1080i)とSD、MPEG-2の3種類を用意。MPEG-4 AVCのビットレートはハイビジョンの放送コンテンツが約8.7Mbps、VODでは約6.7Mbps。SDコンテンツは約3.7Mbps。 さらに、地上デジタル放送のIPによる再送信も予定。NTT東西の「フレッツ・光ネクスト」利用者限定として、放送事業者に再送信の同意を得た上で正式に提供。地デジはMPEG-4 AVCのTS(配信ビットレート約14Mbps/データ放送含む)で再送信され、ハイビジョン番組はそのままの画質で提供される。「放送事業者の注文はほぼクリアした」(NTTコミュニケーションズの有馬彰副社長)としており、本サービスと同じ3月31日からの開始に向けて交渉を進めているという。なお、BSデジタルの再送信についても年内開始をめどに検討する。 新STBの仕様について詳細は明らかにされなかったが、テレビとはHDMIでの接続を想定。放送チャンネルについては、地デジのコピーワンスなど現行サービスとコンテンツに準じて著作権保護がかけられており、VODコンテンツは録画不可となっている。なお、6月2日開始予定の「ダビング10」にも録画機が対応していればサポートするという。 そのほか、オプションとして、2008年夏をめどに、13,000曲以上のカラオケ配信(525円/24時間または1,785円/月)も予定。
ぷららは2004年7月よりNTTのBフレッツ、またはフレッツ・ADSL回線を用いた多チャンネル放送/VODサービス「4th MEDIA」を提供。一方、同じNTTグループではNTTコミュニケーションズが「OCNシアター」を、オン・デマンド・ティービーが「オンデマンドTV」を展開しており、グループ内にSTBを利用したテレビ向け映像配信サービスが複数存在している。これらサービスのユーザーには、通知を行なった上で「ひかりTV」にそのまま移管する形となるが、移行期間として6月末までは従来のサービスも継続予定。 なお、既存ユーザーのSTBはネットワーク経由のファームアップデートで「ひかりTV」対応とする予定だが、オンデマンドTVで提供された初期のSTBについてはアップデートで対応できないため。5月以降に順次交換を行なう予定。交換対象機種は、「PC-STB1」、「PM PC-STB1」、「PC-STB1L」、「PC-STB3」の4モデル。なお、新STB以外ではハイビジョンコンテンツの視聴など一部の機能が利用できない。 既存ユーザーの料金は、12月分までは従来サービスのものを据え置き、2009年1月からは「ひかりTV」の料金となる。なお、従来サービスのプランよりも「ひかりTV」の料金が安価な場合は、「ひかりTV」の料金が適用される。 ■ 2012年でユーザー数170万。日本のIPTV拡大へ
NTTぷららは、従来の「株式会社ぷららネットワークス」から3月1日に社名を変更。NTTグループのテレビ向け映像配信サービスを取りまとめた「ひかりTV」を開始する。なお、同日付でNTTコミュニケーションズと伊藤忠商事より35億円の増資を受けており、今後の映像配信事業拡大に向けて今秋をめどに追加の増資も計画している。 NTTぷららの板東浩二社長は、「ぷららのプロバイダ契約者が2007年12月で250万人、うち光は100万人。この1年以内に光が5割を超えるだろう。それに伴い、映像配信に対するニーズが大きくなっている。増資によりサービス開始の体制が整った。(海外に比べ遅れている)日本のIPTVに全力投球し、コンテンツビジネス拡大に貢献したい」と述べた。ユーザー数は開始後3年の2010年度で約110万、2012年度に約170万の見込み。 STB以外に、テレビ本体に受信機能を備えた製品についてもメーカーと検討中。IPTVについてはNTTグループや家電メーカーなどがIPTVフォーラムに提案する共通技術仕様をベースにしたことで、将来的にデジタルテレビ向けに提供されるサービスとの親和性も高いことが見込まれるという。 一方、既存サービス「アクトビラ」やCATVなどとの差別化について坂東氏は、「アクトビラは放送系を行なわないなど、ビジネスモデルが違う」とし、CATVに対しても回線容量のメリットによるVODや見放題での優位性を強調した。
( 2008年3月7日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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