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総務省は10日、地上デジタルテレビ放送の受信が困難な地域への対策として、ギャップフィラー(無線共聴施設)の用途拡大と、免許手続きの簡素化を目的とした制度改正を5月30日に行なったと発表した。 また、マスプロ電工株式会社は11日、初の地上デジタル放送向けギャップフィラー装置を3月に兵庫県香美町の小代テレビ協会に納入したと発表した。
ギャップフィラーは、2011年までのデジタル放送完全移行に向けて、小規模な無線設備として利用拡大が期待されている。山間辺地や地下街への設置に関する制度化は2007年10月に完了していたが、都市部の建造物や、丘陵の遮蔽による難視聴、デジタル混信による受信障害の対策としても使用できるように検討。5月30日からは、こういった幅広い用途でギャップフィラーが活用されることが決まった。 また、用途拡大に合わせ、ギャップフィラーを簡易な免許手続きで適用できるように制度を改正。電波法に基づく基準をクリアした機器を使用すれば、予備免許や落成検査を省いて無線局免許が付与され、迅速な設置が可能となる。さらに、無線設備の操作においては、従来は無線従事者の資格が必要だったが、技術基準適合証明を取得し、空中線電力0.05W以下の施設に限り、簡易な操作については資格を持たない管理者などでも操作できるようになった。 ■ 初のギャップフィラーは4月より運用、ワンセグも可能
マスプロが装置を納入した兵庫県香美町では、アナログ放送用に5つの有線共聴施設で受信する方式を用いていたが、3つのギャップフィラー送信所で地上デジタル放送の無線配信を実現。総務省の財政支援制度を受けたことから、低コストでのデジタル化を可能にしたという。 ギャップフィラーの主要装置は、マスプロが株式会社NHKアイテックと共同開発した。マスプロの共同受信機器開発・製造技術と、NHKアイテックによる実証実験で製品化を実現。4月の開局以来、安定した運用を続けているという。また、有線共聴では利用できないワンセグも受信できることが好評だという。
□総務省のホームページ
( 2008年6月12日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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