|
松下電器産業株式会社は、6月26日午前10時から、大阪・城見のホテルニューオータニ大阪で、第101回定時株主総会を開催した。
今回の株主総会では、第1号議案として、定款一部変更が提出され、2008年10月1日付けで松下電器産業株式会社からパナソニック株式会社への社名変更を可決。松下電器産業の社名では最後の株主総会となった。
□「パナソニック株式会社への社名変更が正式決定」のニュースリリース
■ プラズマで大画面市場を牽引、液晶はボリュームゾーンを強化
株主総会の冒頭には、2007年度の事業報告をビデオを通じて行ない、デジタルAV商品や白物家電商品などを中心に、日本ビクターを除くすべての部門で増収を達成し、連結売上高が前年並みとなったこと、当期純利益で過去最高を達成したことなどを紹介。2007年6月からプラズマ国内第4工場を稼働。11月には国内第5工場の建設に着手したことなどにも触れた。
また、中期経営計画「GP3計画」の初年度として成長戦略を加速する取り組みを行なってきた実績とともに、成長性や収益力と同様に重要な経営指標として、二酸化炭素削減に向けた取り組みを大幅に加速する姿勢を示し、10月に、エコアイディア宣言を表明したことも紹介した。
また、薄型テレビ事業に関しては、2008年度目標として1,100万台の出荷を目標とし、「プラズマで大画面市場を牽引し、液晶ではボリュームゾーンを強化する」と、両輪戦略で推進する姿勢を示した。
■ 有機ELテレビは準備は進めているが、事業化の時期は決まっていない
質疑応答では、有機ELテレビの戦略について、坂本俊弘専務取締役が回答。「有機ELは、将来有望なパネルであるが、大画面に展開するにはまだ時間がかかる。松下電器では、すでに社内で開発、研究を続けており、液晶パネルの姫路工場への投資も、将来の大画面有機ELへの展開を睨んだもの。インフラへの準備は進めているが、具体的な事業化の時期は決まっていない」とした。また、プラズマテレビと液晶テレビの消費電力の差については、「今年1月に150インチの高精細プラズマテレビを発表したが、これにはNeo-PDP技術を採用しており、発光効率を高め、消費電力を下げている。2009年モデルではこのパネルを全面的に展開していく。さらに、パイオニアと技術提携し、年間の消費電力を2分の1に削減できる。液晶テレビと差がないレベルに到達できる」とした。 '70年に購入した電子レンジの「エレックさん」を38年間使っているという株主による「高くても、いいものを作るのが松下電器ではないか」との質問に対しては大坪社長が回答。「商品の基本は、安全で、信頼性のある商品が最低限の条件である。その上で、原価を低減することが主旨。安くて悪いものを作ることはしない。引き続き、安全な商品を安い価格で提供できるようにしたい」。また、長期間使用できるようにするために修理部品の対応については、牛丸俊三副社長が回答。「修理部品のストック状況は、業界標準よりも沢山持ち、課題に対処する体制を整えている」とした。
一方、DVDレコーダが機種によって方式が異なり使いにくいこと、フリーダイアルが混み合い通じにくいこと、量販店に接続を頼んだら接続に不備があったことなどについては、牛丸副社長が回答。「相談センターに電話がつながりにくいことは申し訳ない。ここにきて、DVD関連の質問が増加していることから、対応者を50人近く増員したことで、今年に入ってからは応答率が良くなっている。今後もご迷惑をかけないように充実させていく。また、量販店に対しても、サービス方法における徹底をお願いしている。さらに、町のでんき屋さんも松下電器にとっては大きな武器、強みとなっている。高齢化が進む日本には、こうした店舗は必要である。町のでんき屋さんが、しっかりと商売が継続できる施策を展開していく。商品によって、操作の方法が変わるのは、関係事業場とともに解決していく」とした。
インターネットなどによる議決権行使を含めて、議決権個数は156万621個に達し、第1号議案から第3号議案まで可決され、株主総会は午前11時29分に終了した。
□松下電器のホームページ ( 2008年6月26日 ) [Reported by 大河原克行]
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|
|||||||||||||||||||||||||||||||