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ディズニー、Blu-ray新作情報や日本製作アニメ「スティッチ」を紹介
-70mmフィルムをBD化した超高画質「眠れる森の美女」


7月30日開催


塚越隆行日本代表

 ウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテイメントは30日、2008年度に発売を予定しているDVDやBlu-ray Discビデオのラインナップや、マーケティングプランなどを販売店向けに説明するコンベンションを東京・恵比寿で開催した。

 冒頭、6月に同社の社長に就任したポール・キャンドランド氏が、塚越隆行日本代表に紹介されて登壇。キャンドランド氏は、10月22日に発売する「眠れる森の美女/プラチナ・エディション」のBlu-rayとDVDを紹介。「この作品はウォルト・ディズニー自らが製作に携わった作品として初のBlu-ray化タイトルであり、特別な意味を持っている」とし、新作だけでなく過去の名作も高画質/高音質化し、BDビデオとしてリリースしていく同社の姿勢を強調。

ポール・キャンドランド社長

 「BDの登場は、ソフトウェア業界全体が将来に向かって伸びるチャンス。ディズニーは全力を挙げて取り組み、皆さんと共にマーケットを盛り上げていきたい」と語った。

 さらに、日本で非常に人気のある「リロ&スティッチ」の新展開として、日本のディズニーが主体となって制作し、10月から放送を予定しているテレビアニメシリーズについても言及。「どの放送局かはまだ発表できないが、ゴールデンタイムに放送する。ソフトの売り上げにも繋げていきたい。また、シナジー効果として携帯電話向けコンテンツや、東京ディズニーリゾートのアトラクション、企業とのコラボレーションなどでもスティッチの企画を行ない、全力をあげて盛り上げていきたい」と締めくくった。

日本でスティッチのテレビシリーズが制作されている これに伴い、リロ&スティッチ ザ・シリーズのDVDも続々とリリースされる ピクサーのショートフィルムを集めたBDビデオも11月に発売予定

 BDビデオへの取り組みの詳細については、マーケティング エグゼクティブ・ディレクターの高橋雅美氏が説明。地上デジタル放送に対応したテレビの累計出荷台数が2,288万台を突破したことや、BDレコーダのシェアが1月の10.4%から7月の1~13日に40.5%へと急増していることなどを紹介した上で、「デジタル放送で既に高画質を楽しんでいる人が多く、パッケージソフトでもクオリティへの要望は高まっている」とし、販売店にBDソフトコーナーの充実を訴える。

 さらに、「一方で、BDレコーダでDVDビデオが再生できないと思っているお客様がまだまだ多いなど、BDビデオのフォーマットへの理解を促進していく必要がある」とし、ディーラ向けにマニュアルツールやオンラインでの勉強会を実施する計画を発表。また、店頭でユーザーに紹介するためのディズニーBDのプロモーションディスク、各メーカーの共同BDデモディスク、配布用のBD機能紹介チラシなどを用意していることを明らかにした。

 ほかにも、店頭展示用POPツールも、BDに適したデザインのものを提案。高画質をアピールするために、作品の映像を表示するモニターを装備したタイトル陳列棚や、継続的にBDコーナーを展開するための金属製棚などを紹介。店頭の床や壁などに貼る「ディズニーBDビデオコーナー」の各種ステッカーもブルーに統一し、“一目でBDビデオのコーナーだ”とわかるような店頭展示方法を販売店に提案した。

マーケティング エグゼクティブ・ディレクターの高橋雅美氏 BDビデオの高画質をアピールするため、ディスプレイ付きの陳列棚を提案 ディズニーのBDビデオ陳列コーナーの展開イメージ

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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080515/wds.htm


■ 「眠れる森の美女」Blu-ray版の驚異的な映像

ディズニーファンの俳優・内藤剛志さん

 コンベンションでは、リリース前の「眠れる森の美女/プラチナ・エディション」のBD版(VWBS-1053/4,935円)も上映。作品の魅力を語るため、ゲストとしてディズニーファンの俳優・内藤剛志さんが招かれた。内藤さんは、“大人のためのディズニーイベント”をコンセプトにした「D-NIGHTS」をプロデュースしている。

 ディズニーファンではあるが、マニアではないという内藤さん。「だからこそ伝えられることもあるはずだ」と考え、「大人になった自分達が、美味しいお酒や料理、良い音楽を聴きながら、子供の頃に楽しんだディズニー映画をもう一度観たらどんな気持ちになるのだろうか?」をテーマにイベントを企画したという。

 「気付いたのは、善悪の判断や、楽しい、笑うということなど、凄く基本的なことを子供の頃にディズニー作品から受け取っていたということ」だという。影響を受けたのは子供の頃の内藤さんだけではなく、内藤さんの25歳になる娘さんも「眠れる森の美女」の影響もあり、アニメ会社に就職したという。ほかにも、自身が声優としてディズニーやスタジオジブリの作品に参加した際、観客にダイレクトにメッセージを伝えられる色彩や音楽の力に、1人の俳優として嫉妬したエピソードなども披露した。

 「眠れる森の美女」に関しては、同作品が通常の35mmフィルムの倍となる、70mmのフィルムで作られていることを紹介。これは“テクニラマ”と呼ばれるもので、スタンダードサイズのフィルム2コマを1コマとして撮影し、上映時にはシネマスコープの比率で投写するというもの。非常に情報量が多く、巨大スクリーンの投影にも耐えるのが特徴だが、コストなどの問題で今ではあまり使われなくなった技法だ。今回のプラチナ・エディションは70mmのフィルムを使い、BD/DVDビデオ共にオリジナルの2.55:1のシネスコサイズで収録しているのが特徴で、オリジナルネガにまで遡ったデジタルリマスターも行なわれているという。

 内藤氏は自身がシネスコサイズの映画に出演した際、中央の俳優だけでなく、その周囲で動いている世界も含めて広く撮影され、「映像が体験として観客にもたらされる素晴らしさを体験した」という。「BDでは、オリジナル70mmの映像が楽しめます。中央だけでなく、周囲の映像も含めて楽しんで欲しい」と見所を紹介した。

眠れる森の美女/プラチナ・エディション BDビデオ版の仕様 眠れる森の美女/プラチナ・エディション DVDビデオ版の仕様 パッケージイメージ

司会はフリーアナウンサーの内田恭子さんが担当した

 上映されたBDビデオ版の映像は、'59年公開という約50年前の作品とは思えないほど高画質で驚かされる。冒頭、オーロラ姫の生誕を祝う祭りのシーンでは、城に集まった群集の服装、兵士の装備、町並みなどが非常に鮮明であると同時に、服の皺など、信じられないほど細かい部分まで描かれていることに驚愕する。群集は1人1人が異なる動きをしており、奥から手前への移動など立体的な動きも多用されている。

 色彩も非常に豊かで、妖精の魔法でオーロラ姫のドレスの色が変化していく様が美しい。ウォルト・ディズニーを支えた伝説的な9人のアニメーター“ナイン・オールド・メン”の内5人が携わり、300人のアニメーターが6年がかりで完成させたと伝えられているが、CGなど存在しない時代においてこれほどの映像を作り出したことに脱帽。ぜひともBDビデオで体験して欲しいクオリティとなっている。


■ そのほか

ディズニー・クリスマス@ホームのロゴマーク

 会場ではそのほか、年末にかけてリリースするタイトルやキャンペーンを解説。「クリスマスはアットホームな雰囲気で、お家でディズニー作品を楽しもう」をコンセプトに、ソフトのパッケージにクリスマスをイメージしたラッピングをほどこし、各種キャンペーンなどでミッキーやプーさんのクリスマス作品を訴求していく「ディズニー・クリスマス@ホーム」も年末にかけて展開予定。

 テレビドラマシリーズでは、10月からリリースがスタートする大人向けのヒューマンドラマ「ブラザーズ&シスターズ」、シーズン5が11月からリリースされる「エイリアス」などを紹介。また、謎の島を舞台にした人気シリーズ「LOST」は、シーズン4が2008年冬にリリースされることなどが告知された。

ブラザーズ&シスターズ エイリアス シーズン5 ホームシアターコーナーではイノセンス アブソリュート・エディションのデモなどが行なわれた


□ウォルト ディズニー スタジオのホームページ
http://club.buenavista.jp/disney/
□関連記事
【Blu-ray/HD DVD発売日一覧】
http://av.watch.impress.co.jp/docs/bdhdship/
【DVD発売日一覧】
http://av.watch.impress.co.jp/docs/dvdship/

(2008年7月30日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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