|
株式会社に・よん・なな・みゅーじっく(247music)は22日、8月31日で終了することを決定している音楽配信サービス「music forecast 247(mF247)」について、事業を他社(個人を含む)に譲渡する方針を発表。さらに、事業譲渡の優先交渉権を「Yahoo! オークション」に出品し、競売にかけることを明らかにした。オークション期間は8月25日~27日までで、落札価格に下限/上限は設けない。 mF247は、登録アーティストによるプロモーション目的の楽曲を中心に、著作権保護を施さないMP3で原則無料で配信する音楽配信サービス。アーティストが価格を設定し、有料で配信できる機能も用意。携帯電話向けのモバイル版なども展開していたが、8月1日に「Episode 1 完結」として、8月31日から順次サービスを終了することをアナウンスしていた。 オークションで落札すると、に・よん・なな・みゅーじっくと、「mF247」事業の譲渡についての優先交渉が行なえる。ただし、「mF247」には現在までに約2,000組のアーティストが参加しており、2,500曲が公開中。それらの楽曲には著作権が存在するため、事業の運営には関連する法令への理解や、参加アーティストに不利益が生じないための適切、かつ継続的な事業運営能力が求められる。そのため、「落札 = サイトの譲渡」ではなく、あくまで優先交渉権であり、具体的な譲渡の形式や内容は話し合いによって決められるという。よって、合意に至らなかった場合は手数料を除いて落札額は返金される。 また、mF247というサービスには、著作権者の権利は守りつつ、著作物のクリエイティブな再利用と流通の促進を目指し、著作権者自らが自由に“共有しても構わない”と考える範囲を決定/宣言するCC(クリエイティブ・コモンズ)ライセンスを導入するなど、新しい音楽ビジネスの形成や、音楽の楽しみ方の提案、アーティストとリスナーが交流する場を作るという理念が存在し、それが最大の特徴となっている。そのため、譲渡された後に通常の音楽配信サイトになることは想定されていない。 そこで、オークションページには、落札社/者に求める4つの条件が提示される予定。1つは「mF247という名称と、その理念を継承/承継すること」、2つ目は「合意後に、できるだけ速やかにmF247の事業を継承できること(サービスの空白期間の最短化)」、3つ目は「譲渡に関する経費や人員の負担などができること」、4つ目は「関連法令を継続的に遵守できること」だという。 譲渡後のサービス維持を考慮すると、入札者は既に他のサービスを実施している音楽配信事業者などが想定される。しかし、mF247というサービスが、既存の音楽配信サービスの中である種の革新性を持っていることから、に・よん・なな・みゅーじっくでは、ジャンルを問わない企業や、個人を含めた入札にも期待。「既存の音楽業界からは生まれにくい新しい発想で、発展的に事業を引き継いでもらうことを期待している」としており、それが「Yahoo! オークション」というオープンな場に出品する理由だという。
なお、仮に譲渡が合意に至った場合でも、に・よん・なな・みゅーじっくは通常の音楽レーベルとして業務を継続する。mF247サービスに携わるスタッフの譲渡先への移動などの詳細については、話し合いの中で決められる予定。また、に・よん・なな・みゅーじっくではサービスの終了を告知する「MISSION COMPLETE! ~見逃せない、'08夏~」と題した専用ページを公開しており、主宰の丸山茂雄氏のメッセージなどを掲載しているが、譲渡後の新展開も同ページで順次明らかにしていくという。
□mF247のホームページ
(2008年8月22日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|