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総務相の諮問機関である情報通信審議会は29日、「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 第43回」を開催した。6月にまとめられた情報通信審議会 第5次中間答申についてのパブリックコメントの結果報告とともに、寄せられた意見について議論が行なわれた。 ダビング10の導入に関して、中間答申のとりまとめが難航した同委員会だが、パブリックコメントも、全129件のうち、ダビング10関連が17件、クリエーターへの対価の還元について18件の意見が寄せられた。一番多かった意見はコンテンツの取引市場についてで52件。 第5次中間答申では、地上デジタル放送等におけるコンテンツ保護のルールの担保措置(エンフォースメント)の在り方について、引き続き検討が進めることを提案しており、パブリックコメントでも多くの意見が寄せられた。 消費者団体の代表は、「B-CASがもたらす一番の不利益は、安くてシンプルなテレビが市場に出ないこと(川村委員)」と指摘。地デジチューナへのB-CASカードの支給条件について、コンテンツ保護の運用規定を満たすことに加えて、有料放送受信機能の搭載も求められているなど高コストかつ複雑な仕組みが求められているとの、パブリックコメントに言及した。 それに対し、放送局の代表は、「現在はご指摘のとおり。有料放送受信なども必須になっているが、この見直しを進めている。現在の地デジでは有料放送はなく、機能を使っていないし、今後も使わない。特に、今後簡易チューナが増えることが予測されているため、はずす方向で修正を進めている(関委員)」とした。 また、権利者団体の代表(椎名委員)は、過去のテレビ番組などを権利者の許諾を得ることなくネット上に配信できるようにするなどの、いわゆる「ネット権」を提案する、有識者団体からのコメントに反論。「許諾権が流通阻害になったことはない」とし、放送事業者各社の代表に、ネット法へ対応の確認を求めたが、いずれも公式に支持しているものではないと回答した。 ネット権については、「制度を動かすのであれば、必要性を実証していかなければならない。これだけのコスト、時間をかけて、それでもコンテンツが動かない。だから、必要だということを示す必要がある。また、それで本当に効果があるのかシミュレーションしていただく必要もある(中村委員)」との意見も出た。 また、同委員会にJEITAの代表が出ていないとのコメントが提出されたことや、ネット権についての意見などが寄せられたことから、関連業界や団体からの委員会への参加についても、議論が行なわれた。 □総務省のホームページ ( 2008年8月29日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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