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ソニー、年末商戦は「ソニーの製品であることを強調」
-BRAVIAやPS3、PSPとも連携する「Life-X」発表


ソニーマーケティングの宮下次衛社長
9月10日発表


 ソニーは10日、特約店や報道陣に向けて、新商品を紹介する「ディーラーコンベンション 2008」を開催。年末商戦に向けた戦略などに加え、ネット上の様々なパーソナルコンテンツを一元管理できるというライフログサービス「Life-X」(ライフ・エックス)の発表を行なった。

4つの項目でHDの普及を加速する

 ソニーマーケティングの宮下次衛社長は、HD映像の普及に取り組んできたソニーグループの歩みを紹介した上で、HDのさらなる普及には「製品の更なる高画質/高音質化」、HDMI CECのような「複雑化するデジタル家電を簡単手軽に使えるようにすること」、HDカメラで撮影してHD画質のまま楽しむなど、「製品が繋がるパーソナルコンテンツの感動を提案すること」、「映画やテレビなど、プロフェッショナルコンテンツが楽しめること」の4つが必要だとする。

 その一例として、栗田伸樹副社長が「製品の高画質/高音質化」を実現するための「世界最“X”」技術を紹介。10月10日から順次発売される「BRAVIA」で、「世界最薄」を実現したZX1シリーズ、世界初4倍速のW1シリーズ、世界初のLEDの部分制御対応のXR1シリーズなどを「技術のソニー復活」としてアピール。

栗田伸樹副社長

 年末商戦のシェア目標を、BDレコーダで40%、37V型以上の液晶テレビでは30%と掲げるとともに、宮下次衛社長はこうした取り組みを通じて「“ハイビジョン = ソニー”を不動のイメージにしていきたい」と意気込みを語った。

 販売戦略に関しては、BRAVIA、ウォークマン、ハンディカム、サイバーショット、一眼レフのα、VAIOなど、各プロダクトブランドの知名度の高さに注目。それらのブランドの核となる言葉として、“ソニー”を強調していくことを明らかにした。

 具体的には、「“ソニー”のBRAVIA」、「“ソニー”のウォークマン」などと、“ソニー”の製品であることを強調。製品カタログ、広告、梱包、Webサイトなどで使うブランドロゴマークも「世界の誰もがソニーの製品だとすぐに判別できるようなもの」(宮下社長)に変更。売り場デザインでも“ソニー”を目立たせることで、ソニーの製品群であるというイメージを浸透させ、それらを連携させる技術に注目してもらうなど、相乗効果を生み出す狙いがある。

各プロダクトブランドロゴの横にソニーのロゴを配置。“ソニー”の製品であることを強調する “ソニー”を強調することで、各製品を“群”として提案する 新ロゴマークの使用例
“ソニー”を前面に押し出した店頭イメージ


■ BRAVIAやPS3、PSPとも連携する「Life-X」

Life-Xの概念図

 前述の「製品同士の連携」や、「パーソナルコンテンツの楽しみの提案」の一貫として、新サービス「Life-X」が発表された。これは、ユーザーがネット上に保存/公開している静止画や動画、ブログなどの様々なデータをWebブラウザで一元管理できるサービス。9月25日からクローズドβを開始し、正式サービス開始は10月中旬を予定している。サービスは無料で使用できる。

 新たなネットワークストレージサービスが開始されるわけではなく、あくまで既存のサービスを利便性高く一元管理できるのが特徴。写真では「Flickr」、「Picasaウェブアルバム」、「フォト蔵」。動画共有サービスは「eyeVio」、「YouTube」。ソーシャルブックマークサービスは「はてなブックマーク」、「Yahoo!ブックマーク」に対応している。

 例えばユーザーがFlickrに写真を、eyeVioに動画を投稿している場合、それらのコンテンツを「Life-X」上のアルバムに貼り付けることができる。このアルバムは、友人や家族など、指定したユーザーに公開/共有が可能。個別のサービスでは「Aさんが動画投稿サービスに投稿した動画を、Bさんに見せる」という事は可能だが、「Life-X」では「Aさんがネット上で公開している動画や静止画などの全てをBさんに見せる」といった使い方ができる。

Life-Xのアルバム画面。プリントした写真を並べたようなデザインが特徴。動画、静止画区別なく並べられ、クリックすると中身が確認できる Life-Xが現時点で対応しているWebサービス 静止画を表示しているところ。コメントすることもできる

 他社のWebサービスからデータのみを取得するようなイメージだが、「Life-X」上で表示できるのはブログパーツやサムネイル扱いのデータのみ。静止画の実サイズ画像はFlickrのページで、HDの元動画ファイルはeyeVioのページで観賞。「Life-X」では動画の内容確認ができる程度の画質……といった使い方になる。

 そのため、データ本体は各Webサービスに保存されているのだが、「Life-X」ではユーザーに500MBのディスクスペースも用意している。これは静止画をアップロードするためのもので、「共有要望が多い静止画を、より手軽に共有するための処置」だという。前述のように、eyeVioで元の動画データを見る場合は、eyeVioの会員登録を行なう必要がある。しかし、共有相手が会員で無かった場合、その場で会員登録をしてもらえない事もある。そこで、静止画のみは「Life-X」にアップロード/共有できるようにすることで、「元データが見られない」という事を減らそうという狙いがある。

 PCだけでなく、様々な機器から鑑賞できるのが最大の特徴。携帯電話やPLAYSTATION 3、プレイステーションポータブル(PSP)のWebブラウザ、さらに、BRAVIAのアプリキャストからもアクセスできる。しかし、アプリキャスト/PS3/PSPで閲覧できるのは静止画のみ。「アプリキャストでの動画対応は今後検討したい。また、現在PS3/PSPはブラウザで鑑賞しているが、将来的に専用アプリでの閲覧も検討しており、それが実現すればより高機能になる」という。

 登録コンテンツを、撮影された時間で並べる「タイムラインビュー」、GPS情報が含まれていれば地図上にアイコンでコンテンツを表示する「マップビュー」機能も用意。共有アルバム上で利用すれば、自分と友人の日々の行動をマップ上で確認することもできる。

BRAVIAのアプリキャストから静止画を表示しているところ。リモコンの左右ボタンで「自分とフレンド」、「フレンドのみ」、「自分のみ」と、アルバムを切り替えられる テレビからも静止画へコメントすることができる。操作性を考慮し、文字入力ではなく、あらかじめ用意された言葉を選択するシステムになっている 投稿データにGPS情報が含まれていれば地図上に表示することもできる。共有アルバムで利用すれば「実は昨日、近い場所で写真撮っていたんだね」などと、友人同士の日々の行動が確認できる


■ 会場には発表されたばかりの新モデルが多数展示

 今年のコンベンションのテーマは「異次元 Hi-Vision 力」。ZX1シリーズ、やW1シリーズなどBRAVIAの新モデルを中心に、発表されたばかりのBDレコーダ、ウォークマン、デジタル一眼レフカメラ「α900」などが展示された。

BRAVIA新シリーズの展示コーナー。LED部分制御対応のXR1シリーズの技術解説なども行なわれていた 新映像エンジン「CREAS(クリアス)」を搭載した、BDレコーダ「BDZ-X100」、「BDZ-X95」
10日に発表されたばかりの、フルサイズCMOSセンサ搭載、デジタル一眼レフカメラ「α900」 AVC変換録画に対応した新「VAIO type R」 3板式CMOSセンサーを搭載したHDVビデオカメラの最上位機「HDR-FX1000」
ウォークマン新シリーズは、豊富なアクセサリやネットジュークと組み合わせて提案 録画もできる防水「BRAVIA」ワンセグテレビ
ワンセグ受信対応モデルなど、ポータブルナビ「nav-u」の新モデル。ソニースタイル・ジャパンが運営する口コミ地図サイト「ペタマップ」に対応するのも特徴の1つ。「ペタマップ」は、Wi-Fi電波情報を利用して現在位置を測定するPlaceEngine技術を導入しているが、その専用レーダーソフトの新バージョンが開発中。Wi-Fiの位置だけでなく、「ラーメン屋」など、指定したジャンルに該当する周囲のスポットを、レーダー上におおよその位置で表示できるのが特徴。距離はあらかじめ表示されているが、レーダーの中心が日時計になっており、太陽に向ければそのスポットの方角も知ることができる。ラーメンで検索するとレーダーがラーメンどんぶりの絵柄に変化するなど、遊び心にも溢れている


□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200809/08-0910D/

(2008年9月10日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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