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松下、Blu-rayとPDPを使ったフルHD 3D
−劇場の3D対応にあわせ、規格化へ。CEATECに出展


9月24日発表


 松下電器産業株式会社は、プラズマテレビとBlu-ray Discプレーヤーを組み合わせて、フルHD解像度の3D映像を実現する「3D フルHD プラズマ・シアターシステム」を開発した。9月30日より千葉県 幕張メッセで開幕するCEATEC JAPAN 2008に出展する。

 同システムでは、左右それぞれの目に対して、2系統のフルHD/1,920×1,080ドットの映像を1つの103型フルHDプラズマテレビに表示。視聴者は、プラズマテレビと同期して動作するアクティブシャッターメガネをかけることで、フルHDの3D映像を楽しむことができる。3D映像はBlu-ray Discに収め、再生機にはBlu-ray Discプレーヤーを利用し、プラズマテレビと接続する。

103型プラズマテレビとBDプレーヤーを改良し、3D表示を実現 メガネは液晶シャッターを使った市販のアクティブシャッターメガネを利用 BDプレーヤーも既存プレーヤー用のUniPhierを改良し実現
ディスクは既存のBD-REディスクを採用 HDMIケーブル1本でテレビと接続 アクティブシャッターメガネ。上部に赤外線受光部を備えている

従来方式との違い。「フルHD 2画面」で高画質化を図っている点が特徴

 同システムでは、フレームシーケンシャルと呼ばれる方式を採用。1080iのフルHD映像を2系統入力し、それぞれを左目用、右目用としてプラズマテレビに2画面分1080pで表示する。視聴者は、液晶シャッター付のアクティブシャッターメガネで視聴する。テレビの上部の赤外線送信部から赤外線で同期信号を送りながら、メガネ側で同期信号にあわせて液晶シャッターを開閉。左右それぞれの目で専用のフルHD映像を視聴できるため、フルHDの3D映像が体験できる。なお、メガネXpanD製の既製品でバッテリを内蔵している。

 従来の民生用3D映像システムでは、高品位な3D表示表示が困難だったという。走査線ごとに左目用、右目用に振り分けて表示する「ライン・バイ・ライン」方式のような垂直解像度の低下や、左右2画面分のフルHD映像を一画面分のデータ領域で蓄積/伝送する「チェッカーサンプリング」方式のような映像品質の劣化などが発生していた。今回の新システムでは、解像度を損なうことなく、高品位な3D映像を実現。記録、再生、表示のすべてのプロセスでフルHD解像度で映像を扱う。全プロセスでフルHDを実現できる民生用の技術は初という。

 実際に視聴したが、精細感を維持したまま3Dの映像が楽しめ、3Dの感覚も自然であった。同方式では、左目だけで見た場合は、左目用の映像しか見えないため2Dとして認識できるのだが、それと見比べても自然に3D化が実現されていると感じる。また、ちらつきや色にじみなどもほとんど感じられず、立体的な映像を確認できた。

デモ映像。左右それぞれの目に向けた映像を2つPDPに表示。メガネの液晶シャッターを映像に同期して開閉することで3D映像が体験できる テレビの上部3カ所に赤外線発光部を装備する

 新システムでは、自発光で動画応答性に優れるというプラズマパネルの特長を活かし、左右それぞれの映像をフルHD表示する「3D駆動システム」を開発。103型のプラズマテレビに実装した。フィールドシーケンシャルによる2画面描画となるが、見た目上大きな輝度低下は無いという。また、103型以下の小型化についても、「技術的には問題は無い」としている。

 ディスクについてはパナソニックハリウッド研究所(PHL)のオーサリング技術を活かし、現行のBDディスク1枚に、左右それぞれフルHDの3D映像を収録。BDプレーヤーも同ディスクに記録された左右用フルHDの3D映像データのリアルタイムデコード/再生に対応した。

 同システムは、CEATECのパナソニックブースに出展。オリンピック映像やハリウッドのアニメーション映画クリップなどの3Dコンテンツを用意し、デモを行なう。


■ ハリウッドによる3D推進にあわせて開発。BDAでの規格化へ

パナソニックAVCネットワークス社 高画質高音質開発センター宮井宏 所長

 パナソニックAVCネットワークス社 高画質高音質開発センターの宮井宏 所長は、新システムの目標を「劇場の高品位3D映画を家庭で再現」とする。最大の特徴は「クオリティ」だ。

 今回3Dシステムを開発した理由には、米国で市場を拡大しつつある3Dシアターの存在があるという。近年3D対応がハリウッドの高い関心を呼んでおり、米国の36,000のスクリーンのうち、1,200スクリーンが3D上映に対応している。興行収入においても、3D対応スクリーンが通常のスクリーンの3倍という実績がでていることも、ハリウッドの3D推進の原動力となっているという。

 そのため、映画製作においても、ディズニーがすべてのアニメーションを3D化する計画であること、チキンリトルなどの過去作品の3D計画も進んでおり、さらに、FOXやWarnerなども3D映画の製作に乗り出しているという。こうした3D映画を民生機で実現することが、3D フルHD プラズマ・シアターシステムの狙いだ。


ハリウッドの3Dへの傾倒が「3D フルHD プラズマ・シアターシステム」の開発の契機に 目標は「劇場の高品位3D映画を家庭で再現」

 そのため、パッケージメディアとして、BDのフォーマットを活用して3Dに対応。ディスクも現行のBD 1枚に左右2ch用の映像をMPEG-4 AVC/1080iで記録する。「2画面でフルHD」により3D対応することで、劇場品質の3D映画を民生機で実現するという。

 PDPの高速応答の仕組みやBDなどを拡張しながらも、「コストアップ要因はあるが、機能アップを考えれば現実的」として、3Dシネマの民生展開に向けて、業界に提案していく。

パナソニックAVCネットワークス社 高画質高音質開発センター 画質担当参事 末次圭介氏

 そのため今後の展開のためにも、規格化作業が必要となる。BDのアプリケーションフォーマットなど3Dに関する規格作りをハリウッドスタジオやBlu-ray Disc Associationと協力しながらまとめていく予定。実用化についてもこうした規格化のめどがついて以降となる。BDAだけでなく、SMPTEにおける規格化などについても検討していく。

 基本的には、BDをメディアとして使うことを想定しているが、放送などさまざまな応用についても今後対応は検討していくという。パナソニックAVCネットワークス社 高画質高音質開発センター 画質担当参事 末次圭介氏は、「SDからHDという流れなど、放送システムにリードされて映像が進化してきたが、それが変わりつつあるのではないか。3Dに関しては、もうハリウッドが動いていて、しかも技術的ハードルが高くない。そのため、“3Dの映画”から始めるので、まずはBDを使うための仕組みをつくり、応用についてはその先に考えていく」とする。

 なお、液晶テレビへの応用については、「液晶には原理的にできないとか、そういうものではない。そのため高速応答の液晶が出てくれば可能性はある(宮井所長)」としている。


プラズマとBDの仕組みを生かして3Dシアターを実現 BDAにおける規格化に取り組む

□松下電器産業のホームページ
http://panasonic.co.jp/index3.html
□ニュースリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn080924-1/jn080924-1.html?ref=news
□CEATEC JAPAN 2008のホームページ
http://www.ceatec.com/2008/ja/

( 2008年9月24日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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